ウライアの王国軍
「零殿が帝国のイザベラ王女と婚約したのは、王国にとって痛手となりましたか。」
宰相フランツが言った。
「いや、婿殿は人を守る事はしても、人同士の戦争に手を貸したりしないだろう。」
アルベール国王が言った。
「三つ巴の戦争にもならんだろ。我が王国と帝国が手を組めば、婿殿も力を貸してくれるはず。ワイバーン部隊であっても撃滅できる。」
アルベール国王が言った。
「我が王国が帝国と手を組むのですか!?」
騎士長レグルスが驚いて言った。
帝国皇宮、皇帝執務室。
皇帝ゼノヒィスと将軍フレリックが話をしている。
「ウライアから手を引く事はない。」
皇帝ゼノヒィスが言った。
「御意のままに。アルベール国王はこちらの意を汲んでくるでしょうか。」
将軍フレリックが言った。
「あ奴も暗君ではない。ウライアでの消耗戦をこれ以上続けることが何を意味するか、誰が得をするか、わかっておるだろう。」
皇帝ゼノヒィスが言った。
「しかし魔王軍にワイバーン部隊があるのでは、いつウライアの東の魔物の森を越えてくるのやら。」
将軍フレリックが言った。
「今ワイバーン部隊に対抗できるのは零殿しかいない。」
皇帝ゼノヒィスが言った。
「零殿の力は尋常ではありません。」
将軍フレリックが言った。
「零殿を帝国の味方にするには、王国と同盟せねばならんだろう。」
皇帝ゼノヒィスが言った。
「御意。」
将軍フレリックが言った。
王国の学園登校途中。
「うまくいけば王国と帝国は戦争をやめてくれるんじゃないかな。」
零が言った。
「え?何それ。そんな事あんの?」
カタリナが言った。
セレスティアは黙って聞いていた。
「近いうちに魔王軍のワイバーン部隊が、ウライアで戦闘中の王国軍と帝国軍を急襲するようです。」
零が言った。
「本当!?パルマラスの城壁の時もだけど、あんた、なんでそんな事わかるのよ?」
カタリナが驚いて言った。
「主の魔法がお前ごときにわかるか。」
フェスが言った。
「何回目、その指摘!あんただってわからないんでしょ。」
カタリナが言った。
「ふん。」
と言ってフェスは横を向いた。
「魔王軍が動いたら、緊急でウライアに行く事になると思います。」
零が言った。
フェスとリラ、セレスティアとカタリナは頷いた。
翌日昼前。
学園の講義室でグローリ教官の魔法の講義を受けている零。
『あ〜、来たか。』
零はガッカリな顔をした。
『グローリ、ウライアに魔王軍のワイバーン部隊が来るから、行ってくる。』
『私の崇高な講義の最中に気の利かない魔族共め。零様、お気をつけて行ってらっしゃいませ。』
「グローリ教官、体調が悪いので早退します。」
「わかりました。気をつけてお帰り下さい。」
「零様、大丈夫ですか。」
「零様、大丈夫なの?」
両隣のシルビア王女とイザベラ王女が心配して言った。
「はい。大丈夫です。」
零が笑顔で答えて講義室を出た。
講義室の外で護衛詰所の外に粒子で転移した。
「ウライアにワイバーン部隊が来た。皆、お願いできる?」
零がフェスとリラ、セレスティアとカタリナに聞いた。
「はっ。」
フェスとリラが言った。
「はい。わかりました。」
「わかったわよ。」
セレスティアとカタリナが言った。
零達は護衛詰所の外に出て粒子で転移して消えた。
王宮からアルベール国王の親書を携えて、騎士団隊長オーエンと騎士2名が紛争地ウライアへ馬で疾走している。
紛争地ウライアまで2日の距離で、前方に数人の人がいるのを確認した。
「どけー!」
隊長オーエンは馬上で叫んだ。
セレスティアが両手を広げて立ちはだかった。
「オーエン止まれ!」
セレスティアが叫んだ。
隊長オーエンは手綱を引いて止まった。
「セレスティア様ではないですか!それにカタリナ様も。零殿、フェス殿、リラ殿!」
馬上で隊長オーエンが叫んだ。
「ウライアへ行くのだな。」
セレスティアが聞いた。
「ど、どうしてそれを?」
オーエンが聞き返した。
「一緒に行きましょう。」
零が言って、ウライア王国軍本陣の手前まで全員で粒子で転移した。
「こ、これは…ここは?ウライアか?!転移魔法?!」
隊長オーエンが馬上で言った。
共の騎士2人も動揺している。
「何者!」
「何だ、突然現れたぞ。」
兵士達が口々に言って剣や槍を構えて集まって来た。
「皆、落ち着け!私は王宮からの使者、騎士団隊長のオーエンである。アルベール国王の親書を持って参った。突然現れたのは近衛魔法士カタリナ様の転移魔法だ。」
隊長オーエンが言った。
「違うわよ。」
カタリナが小さな声で悔しそうに言った。
「総司令官バルハイト様はおられるか!」
隊長オーエンが言った。
「オーエン、使者か。ご苦労。閣下はこちらにおられる。セレスティア様、カタリナ様。なぜ戦地に?」
軍の隊長レオラルドが言いながら、魔法鑑定できない零達を見て怪訝そうにした。
「レオラルド様!」
隊長オーエンが言った。
「レオラルド殿、お久しぶりです。」
セレスティアが言った。
「オーエン、その者達は?」
隊長レオラルドが聞いた。
「こちらは零殿。シルビア王女とご婚約されています。そして護衛のフェス殿とリラ殿です。」
隊長オーエンが言った。
「はじめまして。零です。こっちは仲間のフェスとリラです。」
零が言った。
「あなたが零殿か、噂は聞いている。王国軍の隊長レオラルドだ。よく来てくれた。」
隊長レオラルドが言った。
【次回予告 】
ウライアの王国軍の指揮官と対面。
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