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紛争地ウライア

「買取金額はいくらだったのよ?」

カタリナが聞いた。


「こちらの金額です。」

副ギルド長シアルスが零に買取価格見積書を手渡した。


フェスとリラ、セレスティアとカタリナが覗き込んだ。


「白金貨190枚!」

皆が驚きの声をあげた。


買取価格見積書

ワイバーン素材・1体・白金貨5枚

ワイバーン20体分・小計白金貨100枚

ミノタウロス素材・1体・白金貨3枚

ミノタウロス30体分・小計白金貨90枚

合計・白金貨190枚


日本円で19億円になる。


「零、あんた大金持ちじゃない。これからは私も零様って呼ぼうかしら。」

カタリナが目の色を変えて言った。


「予想はしていたが、実際の買取価格を見ると、やはり驚かされる。」

セレスティアが言った。


零が苦笑いした。


「ちょっと、あんた、魔導士クノスバがワイバーン30体倒してなかった?」

カタリナが言った。


「何ですって!まだワイバーンが30体もあるのですか!?」

ギルド長ザルツが歓喜して聞いた。


「あ、いや、あれは帝国で売ろうかと思って。」

零が言った。


「え?て、帝国!?」

ギルド長ザルツが驚いて言った。


副ギルド長シアルスがセレスティアを見た。


セレスティアは目をそらした。


「零殿!なぜ帝国で売るのですか!帝国が潤うような事をされるのか!貴方は将来王家に仲間入りされるのではありませんか!」

副団長ブレッドが怒って叫んだ。


「はぁ。色々とあって、僕達は帝国の名誉騎士になってしまって。」

零は申し訳なさそうに言った。


「め、名誉騎士…帝国の名誉騎士になられた!?」

副団長ブレッドが驚いて言って、フェスとリラを見た。


リラが笑いながら頷いた。


「やるか?王国の騎士。」

フェスが目に殺気を放ち口元で笑って言った。


「フェス、やめなさい。」

零が苦笑いで言った。


「零殿、貴方はこれまで王国の為に力を尽くしてこられた。王国の味方ではなかったのですか!?」

副団長ブレッドが訴えた。


「僕は王国の味方ですが、別に帝国の敵ではありません。」

零はきっぱり言った。


「先日、帝国と王国の共通の危機がありました。」


と言って、零は帝国のパルマラスの城壁と皇宮での魔王軍との戦いの事、その後の皇帝との会見の事を詳しく話した。


ギルド長ザルツと副ギルド長シアルスは茫然としている。


「あの時、王宮から緊急に出兵の命令があったのは、その為だったのか…」

副団長ブレッドが言った。


「…後でわかることなので言いますが、僕は帝国のイザベラ王女とも婚約しました。」

零は苦笑いで言った。


「こ、婚約…」

と言って、副団長ブレッドはセレスティアとカタリナを見た。


2人は黙って頷いた。


副団長ブレッドは何か言おうとしたが、そのまま絶句した。


「ははは…話が複雑になりましたが、ワイバーン30体とハイオーク4000体の素材は帝国で手に入れたので、帝国で売ってあげたいのです。」

零は又苦笑いして言った。


「…話が大き過ぎて、ギルド長の立場では何と言えばよいのか、分かりました、としか言いようがありません。」

ギルド長ザルツが言った。


「ギルド長、理解してくれてありがとうございます。」

零が言った。


「皆さん今日僕が話したことは、後日何らかの形で王宮から発表があると思います。騎士団団長のガレスさん以外には口外しない様にお願いします。」

零が言った。


ギルド長ザルツと買取価格契約をかわした後、零達は粒子の転移でバルドー村に帰った。


数日後、学園登校途中。


「紛争地ウライアですか?」

フェスが零に聞き返した。


「うん。紛争地ウライアは20年程前から、王国と帝国でずっと戦争してるんだ。」

零が言った。


「王国と帝国で?当のウライアの国王はどうなったのですか。」

リラが聞いた。


「戦争が始まってすぐにアサランド共和国に逃亡した事になってるね。」

零が答えた。


「民を捨てて逃げたのですか!?」

フェスが怒って言った。


「う〜ん、そうなのかなぁ。でも王国と帝国が相手だと戦っても確実に負けるしね。」

零が言った。


「ウライアは王国の北、帝国の南、共和国の東に位置します。」

セレスティアが言った。


「ウライアを帝国に取られるわけにはいかないのよ。ウライアを帝国に取られると、そのまま王国に勢力を拡大してくるからね。」

カタリナが言った。


「はい。そうでしょうね。帝国も共和国も50年前から同じ考えのようですね。」

零が言った。


「アサランド共和国はなぜ参戦しないのですか?」

リラが聞いた。


「アサランド共和国は王国や帝国に対抗するだけの戦力を持っていないからだろうね。王国と帝国の戦力消耗を待っているんじゃないかな。」

零が答えた。


「…あんた、本当に宰相みたいね。」

カタリナが呆れて言った。


「零殿、なぜ急にその様な話をされるのです?」

セレスティアが聞いた。


「はぁ。ウライアの東にある魔物の森なんですけど、今までは森のおかげで魔王軍は思うように進軍できませんが…」

零が答えた。


国王執務室。


アルベール国王と宰相フランツと騎士長レグルスが話をしている。


「確かにな。魔王軍のワイバーン部隊なら、ウライアの東の魔物の森を越えて紛争地ウライアに攻め込んでこれる。」

アルベール国王が言った。


「…三つ巴の戦争ですか。」

騎士長レグルスが言った。


【次回予告 】

ウライアに魔王軍が。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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