森のミノタウロス
零は王宮が魔族に襲撃された事を話した。
「王宮が、ワイバーンだけでなく、魔族とミノタウロスの襲撃も受けたのですか!?」
副団長ブレッドが驚いて言った。
「はい。」
零が答えた。
「近衛騎士はミノタウロスとやり合ったのか。」
副団長ブレッドがカタリナに聞いた。
「だから、私は答えられないって。」
カタリナが言って、零を見た。
「はい。カタリナさんも、皆さんも勇敢に戦ってました。」
零が笑顔で言った。
カタリナがドヤ顔をした。
「それで、近衛騎士はミノタウロスを倒したのですか?」
副団長ブレッドが零に聞いた。
「あ、え〜と、騎士長のレグルスさんは倒してたようですが、他の騎士の方達は苦戦していました。」
零が苦笑いで答えた。
「なんだ、お前やっぱりザコにやられてたのか?」
フェスがカタリナに言った。
「やられてないわよ!あいつらデカくてバカ力なのよ。」
カタリナが言った。
「レグルス様だけ…副騎士長サイエス様は?」
副団長ブレッドが聞いた。
「サイエスさんは第一王子を庇って重傷でしたので。」
零が答えた。
「そうか…」
副団長ブレッドが言った。
「ミノタウロスの事ばかり聞くけど何かあったの?」
カタリナが聞いた。
副団長ブレッドとギルド長ザルツが顔を見合わせた。
「実は冒険者からの報告なのですが、魔物の森でミノタウロスを見たというのです。」
ギルド長ザルツが言った。
『粒子、ミノタウロスを探索。』
粒子画面が開いた。
王都から約30キロ離れた所にミノタウロスが1体だけいた。
零は王都周辺に粒子の防犯カメラを張っているが、周囲10キロなので反応がなかった。
『粒子、鑑定。』
「魔族が召喚に失敗したミノタウロスが森の中に1体います。ここから西に馬車で2日程です。」
零が粒子で調べて言った。
「わかるのですか!?そんな正確に。」
ギルド長ザルツが驚いて言った。
「ミノタウロス、本当にいたのですか。」
副団長ブレッドも驚いて言った。
ギルドはミノタウロスの報告を聞き、冒険者では対処できないと判断して騎士団に報告した。
詳細を聞きに来た副団長ブレッドとギルド長ザルツが打ち合わせていた所に零がワイバーンを売りに来たのだ。
「はぁ。まあ。冒険者では対処が大変でしょうから、被害が出る前に倒しに行きましょう。ブレッドさん、一緒に来ますか?」
零が聞いた。
「あ、ああ。」
副団長ブレッドが戸惑いながら言った。
「じゃ行きます。」
零達と副団長ブレッドが粒子の転移でギルド応接室から消えた。
「き、消えた…」
後に残ったギルド長ザルツが呟いた。
零達は王都から西に30キロ離れた森の中に粒子で転移した。
そこにミノタウロスがいた。
「ミノタウロス!実在したのか。」
副団長ブレッドが驚いて言った。
「何度見ても恐ろしい奴ね。」
カタリナが言った。
「ふん、ザコじゃねぇか。」
フェスが言った。
「フェス、リラ、お願いできるかな。」
零が言った。
「待ってくれ、零殿。私に任せてもらえないか。」
セレスティアが言った。
「えっ?」
零がセレスティアを見た。
フェスがチラッとセレスティアを見た。
「私が倒してみたい。やらせてもらえないだろうか。」
セレスティアが言った。
「はぁ…わかりました。お願いします。」
零が言った。
「ありがとう。」
セレスティアは剣を抜いた。
セレスティアはミノタウロスに向って殺気を放った。
ミノタウロスは右手でセレスティアを払うように襲いかかった。
セレスティアはその右手を剣で鋭く斬り込んだ。
遠心力でミノタウロスの右手首がセレスティアの背後に飛んだ。
手首の無い右腕はセレスティアを通り過ぎてから血を噴いた。
セレスティアはそのままミノタウロスの懐に入って右足の腱を斬った。
ミノタウロスは体勢を崩した。
セレスティアは体勢の低くなったミノタウロスの首を風斬流迅速剣で落とした。
ミノタウロスの胴体がゆっくり倒れた。
「隙のない攻めだった。」
リラが笑顔で言った。
「ふん、まあまあだ。」
フェスが言った。
「やるわね~セレスティア。」
カタリナも笑顔で言った。
「ありがとう。」
セレスティアが安堵の息をついた。
副団長ブレッドはセレスティアのあまりに鮮やかな太刀捌きに言葉を失った。
「セレスティアさん、ありがとうございます。」
零が笑顔で言った。
「ああ、零殿、わがままを聞いてくれてありがとう。」
セレスティアも笑顔で言った。
「それじゃ帰りましょうか。」
零が言って皆とミノタウロスの死体と粒子で転移した。
零達はギルドの応接室に粒子の転移で戻った。
応接室では副ギルド長シアルスがギルド長と困り顔で話していた。
「ギルド長、ミノタウロスを倒して来たぞ。」
副団長ブレッドが言った。
「本当ですか!ありがとうございます。」
ギルド長ザルツの顔は一瞬喜んだが、すぐ曇った。
「どうした。問題解決だろう。」
副団長ブレッドが言った。
「はい。ミノタウロスの問題はおかげ様で解決したのですが、零殿の素材の買取価格が…」
ギルド長ザルツが零を見ながら言った。
零は首を傾げた。
「零殿!今王都ギルドに出せる金貨は白金貨10枚なのです!残りは大至急本部から取寄せますので、何卒暫くお待ち下さい。」
ギルド長ザルツが懇願した。
「はぁ、いいですよ。」
零は笑顔で言った。
「ありがとうございます!」
ギルド長ザルツと副ギルド長シアルスが声を揃えて言った。
【次回予告 】
王国と帝国に新たな問題が。
物語を読んでいただきありがとうございます。
これからも面白い物語に育てていきます。
「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、
【ブックマーク登録】
【評価(★★★★★)】
をいただけると励みになります。
また読んでもらえることを楽しみにしています。




