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皇帝からの褒美

皇帝執務室。


カタリナと黒魔法士クラリッサは言い合いをしていた。


セレスティアと黒騎士達は呆れて知らん顔している。


零達と皇帝と王子と王女と黒騎士達が粒子の転移で皇帝の執務室に戻った。


黒騎士達は皆整列した。


「クラリッサ、皇帝がお戻りになられた。」

呆れながら黒騎士長デュンデが言った。


黒魔法士クラリッサは黒騎士の整列に加わった。


「セレスティア殿、零殿のおかげで娘は完治した。アルベール国王にも感謝の意を伝えてもらいたい。」

皇帝ゼノフィスが言った。


「はっ、必ずやお伝えします。」

セレスティアが言った。


「零殿には名誉騎士の称号とは別に礼を受け取ってもらいたい。」

皇帝ゼノフィスが言った。


「はい。」

零が言った。


「娘のイザベラを妻として迎えて頂きたい。」

皇帝ゼノフィスが言った。


「え?」

油断していた零は不意を突かれた。


最初は無理難題を押し付けられると思っていたが、名誉騎士の称号という事で落ち着いたと思っていたからだ。


「お父様!」

第二王女イザベラが顔を赤らめた。


「イザベラでは不満かな?」

皇帝ゼノフィスが笑顔で言った。


「お、お待ち下さい!零殿は我が王国のシルビア王女と婚約されております。」

セレスティアが慌てて訴えた。


「そうであったか。それはめでたい事よのう。さすればイザベラとの婚約は二重のめでたき事よのう。」

皇帝ゼノフィスが笑顔で言った。


「こ、皇帝、そう言う事は本人の気持ちが大事で、イザベラ王女にも選ぶ権利といいますか、…」

零が必死で言った。


「わかりました。私は零様の妻になります!」

第二王女イザベラが毅然と言った。


「ええ〜」

零が驚いた。


「ふむ。零殿、イザベラの気持ちは大事じゃな。イザベラは零殿を選んだ。イザベラの気持ちを大事にしてくれ。」

皇帝ゼノフィスが笑顔で言った。


「皇帝、零殿はシルビア王女と婚約されていて、王家の一員でもあります。イザベラ王女と婚約されるなら、それ相応の…」

セレスティアが必死に言った。


「はて、セレスティア殿からは婚約と聞いたが、さすればまだグランバルト王国の王家の一員とはなっておらぬはずじゃが。」

皇帝ゼノフィスが不思議そうに言った。


「そ、それは…」

セレスティアは怯んだ。


「それに零殿は王国の民でもない。そうであろう、カタリナ殿。」

皇帝ゼノフィスが笑顔でカタリナを見た。


「え、私?そ、そうだと思う…」

カタリナがしどろもどろに答えた。


「カタリナ!」

セレスティアがカタリナに怒った。


黒魔法士クラリッサが笑いをこらえている。


「ふむ。では明日早速零殿とイザベラの式を挙げよう。皆準備せよ。」

皇帝ゼノフィスが言った。


「はっ、イザベラ王女おめでとうございます。」

執務室に居並ぶ黒騎士30人の黒騎士が声を揃えて言った。


「え、何これ!皇帝!明日結婚式なんて無茶ではないですか!」

零が慌てふためいた。


「そうかの。めでたき事は早い方が良いと言うからの。」

皇帝ゼノフィスが言った。


「僕はまだ学園に通ってます。今すぐ結婚なんて無理です。結婚なんて学園を卒業してから考える事です。」

零が必死に言った。


「そうか、それでは致し方ない。零殿の申し出を聞き入れ、学園の卒業と同時に式を挙げる事とする。良いな皆のもの。」

皇帝ゼノフィスが言った。


「はっ、学園ご卒業後、零殿とイザベラ王女の式をとりおこないます。」

黒騎士達が声を揃えて言った。


「フェス殿、零殿はお忙しいとの事、引き留めて悪かったな。帝国を救ってくれた事、エルサナを救ってくれた事、心から感謝しておる。帰りの道中お気をつけ下され。いや、めでたい、めでたい。ワハハ。」

皇帝ゼノフィスは笑いながら席を立って執務室から出ていった。


「皇帝!」

セレスティアが呼び止めたが無駄だった。


零は顔を引きつらせている。


入れ違いにフレリック将軍が入ってきた。


「イタリウス帝国将軍フレリックと申す。この度は帝国を危機からお救い下さり、感謝する。」

将軍フレリックが零達に言った。


「将軍!零殿とイザベラ王女の婚約の件だが、あまりにも強引ではないか。」

セレスティアが怒って言った。


「皇帝がお決めになった事だ。」

将軍フレリックが淡々と言った。


「我らは命をかけて帝国の為に魔王軍と戦った。その代償がこれでは。」

セレスティアは取り乱して言った。


将軍フレリックがセレスティアを睨んだ。


「我が帝国の宝、イザベラ王女ではご不満か。」

将軍フレリックが殺気のこもった声で静かに言った。


黒騎士達からも殺気が漂った。


「…いや、今の言葉は撤回する。申し訳ない。」

セレスティアは冷静になって謝罪した。


「セレスティア殿、其許にも任務があるのであろう。そのお気持ちお察しする。」

将軍フレリックが言った。


セレスティアの顔色が変わった。


セレスティアとカタリナの本来の任務は零を他国に渡さない事だ。


「このような場で私個人の見解を言うのはなんだが、このご婚約は帝国にとっても王国にとっても良いものになるのではないか。」

将軍フレリックが言った。


「どういう事ですか?」

セレスティアが聞いた。


「王国と帝国は敵対してきた。しかし零殿の存在でそれは変わってくるやもしれない。」

将軍フレリックが言った。


セレスティアは、はっとした。


「いや、これは帝国将軍の言う事ではなかった。セレスティア殿忘れてくれ。」

将軍フレリックが少し笑って言った。


「零殿、イザベラ王女を幸せにしてあげてくれ。よろしくお願いする。」

将軍フレリックが立ち上がって一礼した。


黒騎士達も全員一礼した。


「零様、私は妻として、騎士としても零様に使えるわ。私を幸せにするのよ!」

シルビア王女は笑顔で言った。


「はぁ。」

零は気の抜けた顔で答えた。


【次回予告 】

王宮に戻る零。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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