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帝国事変

この日、学園の講義は午前中で終了した。


『まずいなぁ。』

零がフェスとリラに念話した。


『どうしました?』

リラが念話で聞いた。


『帝国に魔王軍の攻撃がきた。このままでは帝国のパルマラスの城壁は保たない。』

零が念話で答えた。


『帝国ですか。あまり関係ないのでは。』

フェスが念話で伝えた。


『う〜ん。帝国が侵略されると王国まで戦争に巻き込まれる事になりそうなんだ。』

零が念話で伝えた。

 

『帝国にどんな攻撃があったのですか?』

リラが念話で聞いた。


『魔王軍は2週間程前から急に多くの戦力を投入させているんだ。ハイオーク5000体とワイバーン50体も。』

零は答えた。


『それはまずいですな。』

フェスが念話した。


『あ、パルマラスの城壁が魔王軍に破られた。』

零が念話した。


セレスティアが零達の様子がおかしいのに気づいた。


「どうしました?」

セレスティアは聞いた。


「セレスティアさん、今すぐ宰相と国王に会いたいんですけど、手伝ってもらえませんか?」

零が言った。


「え?あぁ、わかりました。取り次いでみましょう。」

セレスティアが答えた。


「ありがとうございます。では行きます。」

と言って零達とセレスティアとカタリナは、王宮の謁見の間の扉の前に粒子で転移した。


「零殿!セレスティア、カタリナではないか!何をしている!」

謁見の間の扉の前を護衛する近衛騎士が剣に手をかけて驚いて言った。


「ちょっ、零殿!国王にお会いするには、手続きを取って…」

セレスティアも驚いて言った。


「すみません。緊急事態なので。取り次いでもらえませんか?」

零が扉の前の護衛の近衛騎士に言った。


国王付きの近衛騎士は、先日の第一王子ジュリアスの夕食会の後の国王と王子達の話を聞いていたので、取り次ぐ事にした。


「何、婿殿が?…緊急と申したのだな。わかった。通せ。」

アルベール国王が言った。


謁見の間にはアルベール国王と宰相フランツと護衛の近衛騎士がいた。


「国王、パルマラスの城壁が破られました。」

挨拶もそこそこに零が言った。


「パルマラスの城壁が!?いつ?」

アルベール国王が驚いて聞いた。


「先程です。」

零が答えた。


「先程?そんな事、なぜ、零殿はわかるのですか。」

宰相フランツが聞いた。


「それは、まぁ…」

零がはぐらかした。


「零殿はパルマラスの城壁をご存知なのですか?」

宰相フランツが聞いた。


「行った事はありません。あそこが破られたら、帝国の帝都はもたないと言われてるようです。」

零が答えた。


「零殿、なぜそんな事を知っておられる。」

宰相フランツが驚いて聞いた。


「帝都が魔族に侵略されたら、共和国はあっという間に倒れます。帝国と共和国が魔族の手に落ちたら、ウライアも含めて、王国も魔王軍との戦火に飲み込まれます。」

零が真剣な顔で言った。


ウライアとは王国と帝国が領土争いで戦争中の紛争地である。


アルベール国王と宰相フランツは顔を見合わせた。


「しかし、今からウライアを停戦させてウライアの王国軍を帝国に援軍として差し向けるとしても、準備に早くて2週間。その間帝都が持つかどうか。」

宰相フランツが言った。


「僕が行きます。」

零が言った。


「婿殿…それは駄目だ!婿殿を帝国に行かせるわけにはいかない。」

アルベール国王が慌てて止めた。


「大丈夫です。僕は何があってもシルビア王女の王国の敵になる事はありません。」

零がアルベール国王を見つめて言った。


「む、婿殿…」

アルベール国王が少し動揺した。


「それでは零殿の護衛である私も同道します。」

話を聞いて驚いていたセレスティアが言った。


「セレスティア、それは無理だ。いくらなんでも王国の近衛騎士が許可なく帝国に入国するなど。」

宰相フランツが言った。


「許可なら大丈夫です。」

零は傀儡を残して粒子で何処かに転移した。


零が粒子の転移で戻って来ると、一緒に馬に乗った帝国の軍人が転移して来た。


「侵入者!」

騎士長レグルスの鋭い声と同時に謁見の間に近衛騎士数人が入って来て国王と宰相の前に立ちはだかった。


「零殿!これは一体?」

騎士長レグルスが叫んだ。


「あ、すみません。ちゃんと説明しなくて。この方は帝国の使者の方です。パルマラスの城壁が破らそうになって、王国に援軍を求める親書を持って帝都を出た所を、僕と一緒に転移してもらいました。」


「こ、ここは何処だ。」

帝国の使者が驚いて聞いた。


「ここはグランバルト王国の王宮の謁見の間です。あそこにおられるのはアルベール国王です。手前におられるのがフランツ宰相です。早くアルベール国王に親書を渡して下さい。」

零が帝国の使者に言った。


「零殿!無茶がすぎるぞ。」

さすがの騎士長レグルスも声を荒げた。


「騎士長、礼儀を弁えられなくてすみません。でも僕は王国を戦争にしたくないし、王国や帝都の民を守りたいんです。騎士の方や魔族兵は国の為に戦う事が使命だから仕方ないけど、日々を暮らしてる人達は、戦争で酷い目にあうだけだから。だから急いでいるんです。」

零は冷静に騎士長に言った。


「…レグルス、よい。帝国の使者殿の親書を受け取ってくれ。」

アルベール国王が言った。


「しかし国王!」

騎士長レグルスが、国王に対して不敬な行為をした零を許す国王に抗議した。


「レグルス、急げ。」

アルベール国王が強く言った。


「はっ。」

騎士長レグルスが帝国の使者から親書を受け取った。


アルベール国王が親書を読んだ。


【次回予告 】

帝国パルマラスの城壁に行く前に助っ人を。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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