秘密の食事会
零達は学園の周辺の人通りのない所でバルドー村に粒子で転移した。
バルドー村に帰ってフェスとリラ、セレスティアとカタリナと自宅で夕食を食べた。
「色々あって疲れているので今日はもう寝ます。」
零は夕食をほとんど食べず、自身の部屋に入った。
「そうなの。色々あったからね。ゆっくり休みなさいよ。」
カタリナが零に言った。
零が部屋に入った後、少ししてリラが黙って立ち上がって、自分の部屋に入った。
「あ〜、我も疲れた。寝る。」
リラが部屋に入った後、すぐにフェスも自身の部屋に入った。
セレスティアとカタリナは思いっきり怪しんだ。
「何か変だ。」
セレスティアが言った。
「リラが喋らないのはいつもの事だけど、フェスの演技はくさすぎるわ。」
カタリナが言った。
セレスティアは暫く考えた。
「転移して何処かに出かけたのか。」
セレスティアがハッとして言った。
「え、何処へ?」
カタリナが聞いた。
セレスティアはまた考えた。
「零殿の部屋を確かめてみよう。」
セレスティアが言った。
カタリナが頷いた。
2人は零の部屋に入った。
零はベッドで寝息を立てていた。
2人は零の部屋のドアを閉めて1階に戻った。
「寝てたわね。」
カタリナが言った。
「では、あのフェス殿の下手な演技は何だ。」
セレスティアが言った。
「よし!フェスの部屋を見てみるわ。」
カタリナが言った。
セレスティアは躊躇したが、何かあるに違いないと思い直しフェスの部屋に入った。
「服を脱ぎ散らかしてるじゃない。」
カタリナが言った。
「何だ。」
フェスがベッドで上半身を起こして2人に言った。
「げっ、いた。」
カタリナが驚いて言った。
「すまない、フェス殿の様子がおかしかったので、確認したのだ。起こしてしまった。そのまま休んでくれ。」
セレスティアは慌ててカタリナを引っ張り出してドアを閉めた。
魔物の森の深域。
「僕の部屋とフェスの部屋に来たよ。」
零が笑いながらフェスとリラと牙狼達に言った。
零達はセレスティアの予想通り、部屋に戻ってすぐ3人で魔物の森の深域の牙狼族の集落に粒子で転移した。
零達の部屋のベッドには各々の粒子の傀儡を寝かせた。
零が粒子画面でチェックして、部屋に誰か入って来たら零が粒子の傀儡を操作して対応した。
「我があいつらを上手くだましておきましたから。」
フェスが自信満々に言った。
「ははは。じゃ、皆でワイバーンとミノタウロスの肉を焼いて食べよう!血もあるから飲んでね!」
零が叫んだ。
「うおー!」
牙狼達は歓喜の声をあげた。
牙狼達は零が粒子で焼いたワイバーンとミノタウロスの肉を、その血を飲みながら食べた。
深夜、魔豹族の集落。
「我は4体のワイバーンを倒した!リラも4体のワイバーンを倒したのだ!」
フェスが声高に魔豹達に説明した。
「お〜」
魔豹達も歓声をあげた。
フェスは牙狼族の集落でも同じ話を延々としていた。
「リラ様もあのワイバーンを倒したのですか!」
魔豹の獣人の1人がリラを振り返って聞いた。
リラは笑って頷いた。
零は魔豹達にもワイバーンとミノタウロスの肉とその血を振る舞った。
早朝、バルドー村。
牙狼のフェスや魔豹のリラは寝てなくても普段と変わらず左程問題ない。
人間は寝ないと体に負担がかかるが、零には粒子の治癒がある為、体に対する負担はない。
しかし寝てないと言う脳の記憶に対する負担は残る。
「おはようございます。」
部屋を出てきた零は少し眠そうに言った。
セレスティアとカタリナは既にテーブルについていた。
フェスとリラも零と同時に部屋から出てきた。
「主、おはようございます。」
「零様、おはようございます。」
フェスは上機嫌で、リラは普段と変わらず言った。
「おはようございます。」
「おはよう〜」
セレスティアは複雑な表情で、カタリナはいつもと変わらず言った。
「あの、フェス殿、昨夜はすまなかった。」
皆が朝食を済ませ、セレスティアが、申し訳なさそうに言った。
「ん?」
フェスは不思議そうな顔をした。
「あんた寝ぼけて覚えてないんじゃない。」
カタリナが笑いながら言った。
「カタリナ!」
セレスティアがフェスに対して失礼なので、カタリナを制した。
「あっ、そう言えば、お前達、我の部屋に来た?」
フェスが零を見ながら言った。
「あ、ははは…」
零があやふやに笑った。
『やはり、昨夜何かあったか。』
セレスティアは思った。
『昨夜、抜け出したの、バレちゃったみたいだ。』
零が学園に登校しながらフェスとリラに念話した。
セレスティアは難しい顔をしながら歩いている。
『勘のいい奴め。我が上手く誤魔化したのに。』
フェスが零とリラに念話した。
零とリラは思わずクスッと笑った。
【次回予告 】
新章突入。零達が帝国へ。間に合うか。
物語を読んでいただきありがとうございます。
これからも面白い物語に育てていきます。
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