晩餐会
「父上、お戯れを。母上、お久しぶりです。」
第一王子ジュリアスは国王が来ると聞いて玄関に迎えに出ていた。
「ジュリアス、元気そうで本当に良かった。」
ビクトリア王妃が涙を溜めて言った。
「母上、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。」
第一王子ジュリアスが笑顔で言った。
「皆来ておるか?」
アルベール国王が第一王子ジュリアスに聞いた。
「はい。揃っております。」
第一王子ジュリアスが笑顔で答えた。
零達は屋敷の大広間に通された。
大広間には第二王子ヴァルハイト、第三王子レナード、第四王子ユーリがいた。
「父上、母上!」
王子達は驚いて立ち上がった。
「兄上、国王と王妃が来られるなんて、聞いておりませんでしたよ!」
第二王子ヴァルハイトが笑顔で言った。
「私も父上を習って皆を驚かせようと思ってな。」
第一王子ジュリアスが笑顔で答えた。
アルベール国王とビクトリア王妃が席に着いた。
零達も席に着いた。
「本当は儂が婿殿の晩餐会を催そうと思っておったが、ジュリアスに先を越されてのう。儂も招待してもらったのだ。」
アルベール国王が笑いながら言った。
「この様な食事会にご招待頂きありがとうございます。」
零は立ち上がって言った。
リラも立ち上がって一礼した。
フェスは相変わらず知らんぷりしている。
「さ、皆で乾杯しよう。これからのグランバルト王国の繁栄を祝して乾杯!」
第一王子ジュリアスが立ち上がって祝杯をあげた。
零の横にはシルビア王女がいて、2人は笑顔で話しながら食事している。
「零殿が大広間に来てくれなければ、私は今ここにいない。本当に感謝する。」
第一王子ジュリアスが言った。
「間に合って本当に良かったです。」
零が笑顔で言った。
「僕が間に合ったのもサイエスさんが身を呈してジュリアス王子を守ったからです。」
零がジュリアス王子の後にいるサイエスを見ながら言った。
「零殿には私の命まで救って頂き、感謝している。しかしあまりその事は言わないでくれ。ミノタウロスを前に一矢も報いず、死にかけていたとは。騎士として恥ずかしいばかりだ。」
副騎士長サイエスが気まずそうに言った。
「何を言う!サイエスがおらねば私は即死していた。零殿も間に合わなかった。私が生きているのは零殿のおかげだが、サイエスお前のおかげでもある。命をかけて私を守ってくれたサイエスは誇り高き近衛騎士だ。」
第一王子ジュリアスが振り向いて言った。
「も、もったいないお言葉。」
副騎士長サイエスは涙を溜めて言った。
「零、また助けてくれてありがとう。最近のシルビアは明るく元気になった。零の事ばかり話しているしな。」
ユーリ王子が笑顔で言った。
「お、お兄様!」
シルビア王女が慌てた。
「僕もシルビア王女といる時は心が癒されます。」
零がシルビア王女を見ながら言った。
「零様。」
シルビア王女が顔を赤らめた。
「何だ婿殿、儂らといる時は楽しくないのか?」
アルベール国王が笑いながら言った。
「あ、あははは…」
零は笑って誤魔化した。
「お父様、最近フランツ宰相は零様に無理難題を押し付けすぎです。お父様からフランツ宰相に言って下さい。」
シルビア王女が怒って言った。
「う、ん、そうなのか。そうだな、フランツはけしからんな。それではフランツにきつく申しておこう。」
アルベール国王は戸惑って言った。
宰相フランツが零に言っている無理難題は、アルベール国王からの命令なのである。
「零殿の護衛の2人も近衛騎士セレスティアと共に、王都の手前でワイバーン10体を倒してくれた。感謝する。」
第一王子ジュリアスが言った。
「ありがとうございます。」
リラは立ち上がって言った。
フェスは知らんぷりしている。
それを見た第一王子ジュリアスは少し笑った。
「フェス殿、不敬ですぞ。」
副騎士長サイエスがフェスに言った。
「よい。フェス殿の事は事前に聞いておる。」
第一王子ジュリアスが苦笑いで言った。
「すみません。フェスはあまりこの様な場所に慣れていないので。」
零が気まずそうに言った。
「主!主が謝る事はありません。我は主以外に頭を下げる事はないのです。」
フェスが零に言った。
「うん、大丈夫だよ。フェスが思う通りにすればいいから。」
零がフェスに笑顔で言った。
「主〜」
フェスが涙目で言った。
「ワハハ。セレスティア、ワイバーンを討伐した時の事を話してくれ。零殿は王宮に来たワイバーンとは、戦いにもならず倒してしまったからな。」
アルベール国王が笑いながら言った。
「…ははは。」
零は苦笑いした。
セレスティアは大広間でワイバーンとの戦いを説明した。
「信じられん、3人が空を飛んでワイバーン10体を討伐したのか。」
第二王子ヴァルハイトが言った。
「零殿、どのような魔法でセレスティアを飛べるようにしたのだ?」
第三王子レナードが零に聞いた。
「あ、え〜と、実際やってみましょうか。セレスティアさんお願いできますか。」
零はセレスティアに言った。
「承知した。」
セレスティアは大広間の少し広い場所に出た。
【次回予告 】
零の粒子の浮遊円盤と帝国の女王。
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