護衛詰所
零達一行は大勢の生徒達に囲まれた。
「零君、君のおかげで命が救われた。ありがとう。」
「重症だったのに治してくれてありがとう。零君。」
「私の父上を救ってくれて感謝します。」
生徒達は口々に感謝の言葉を言った。
零は顔を引きつらせて驚いている。
「お、お前ら、落ち着け!」
「ケガをするから離れるんだ!」
フェスとリラが言ったが、生徒たちは混乱している。
「皆さん、零殿に感謝の気持ちは充分伝わりました。皆さんも講義があると思いますので、速やかに学舎にお戻り下さい。」
セレスティアが叫んだ。
「セレスティア様だ。」
「近衛騎士のセレスティア様。」
生徒達は口々に言って落ち着いた。
「君達!講義が始まるので学舎に入って下さい。」
校門から出てきた風紀委員長エリシアが言った。
風紀委員も数人出てきている。
生徒達は落ち着きを取り戻して学舎に入って行った。
「セレスティア様、対応が遅れて、この様な騒ぎになってしまって申し訳ありません。」
風紀委員長エリシアが言った。
「エリシア、助かったよ。さすが風紀委員長だな。」
セレスティアが笑顔で言った。
風紀委員長エリシアが零を見た。
零は生徒達がいなくなってホッとしている。
「やっぱり今日は休んでもいいんじゃない?」
ため息をつきながら零がフェスとリラに言った。
「零君、昨日はケガを治してくれてありがとう。」
風紀委員長エリシアが言った。
「あ、エリシアさん、おはようございます。」
零が苦笑いで言った。
「零君、話があるんだ。今日の昼休みに風紀委員室に来てくれないか。」
風紀委員長エリシアが言った。
「え、はぁ。」
帰りたかった零は力無く返事した。
「零様〜」
校門でシルビア王女が零に手を振っている。
校門の前にシルビア王女と護衛の騎士ルティナとクノーラがいる。
「あ〜ははは…」
零も疲れた顔で手を振った。
「では、零君、昼休みに。」
シルビア王女の方をチラッと見て会釈して、風紀委員長エリシアは校門に向かった。
「零様、今夜、ジュリアス兄様の所へお越し下さい。兄様から、お食事に招待したいと、零様にお伝えするように、言付かっています。」
シルビア王女が言った。
「え、あ〜、そうなのですか。」
零は笑顔を作って答えた。
「私も一緒なのですよ。」
シルビア王女は満面の笑みで言った。
「それは、楽しみです。」
零は本当の笑顔で言った。
2人は学舎に入って行った。
護衛のフェスとリラ、セレスティアとカタリナとルティナとクノーラ騎士達が見送った。
「私はワイバーンを2体倒した。」
セレスティアが言った。
護衛詰所に入るとセレスティアはカタリナ、クノーラ、ルティナに囲まれて、ワイバーン討伐の事を聞かれた。
「2体!?単独で倒したのか?」
「人がワイバーンを単独で2体も倒すなんて。」
騎士クノーラとルティナが言った。
「ああ。フェス殿とリラ殿は2人で8体倒した。」
セレスティアがフェスとリラを見ながら言った。
「8体!?じゃ3人で10体も倒したっていうのか?」
騎士クノーラが言った。
「主の魔法がなくば1体も倒せん。」
フェスが牙狼族の集落が襲われた時のことを思い出しながら言った。
「そうなんだ。零殿の魔法がなければ倒せなかった。…しかし私達でも空を飛べれはワイバーンを倒せる。」
セレスティアが言った。
「何を言ってるんだ。人が空を飛べるわけがないだろ。」
騎士クノーラが言った。
「でも零殿は飛んでいる。そして私達を飛ばせてくれた。あの魔法ならワイバーンと対等に戦える。」
セレスティアは確信したように言った。
「どんな魔法だったのよ?風魔法なの?」
カタリナが興味津々で聞いた。
「多分風魔法ではない。私も見た事も聞いた事もない魔法だった。リラ殿は知っているのか?」
セレスティアはリラを見た。
リラは黙って首を振った。
「ふん、お前達に主の魔法はわからんわ。」
フェスがツンとして言った。
「フェス殿は知っているのか?」
騎士クノーラが聞いた。
「お、お前達には言わん。」
フェスは焦った顔で言った。
「何だ知らないのか。」
騎士クノーラが言った。
フェスが悔しそうな顔で騎士クノーラを睨んだ。
「セレスティア、わかってる事だけでも話しなさいよ。」
カタリナが言った。
「…これは、零殿の許しがないと詳しくは話せない。」
セレスティアは少し考えて答えた。
昼休み。
零は風紀委員長エリシアに呼ばれていたので風紀委員室に行った。




