悪魔エレオノーラ
「はい。そこから降下して、今度は魔導具を使ってミノタウロスを召喚しました。」
零が説明した。
「そんな高度な魔法攻撃を…」
宰相フランツは言葉を詰まらせた。
「その魔導具を開発したのが多分あの悪魔エレオノーラだと思います。」
零が悪魔エレオノーラを指差して言った。
一堂は悪魔エレオノーラを見た。
悪魔エレオノーラは笑顔で軽く会釈した。
「婿殿、転移させて攻撃してくるのなら、また攻撃が来るのではないのか?」
アルベール国王が聞いた。
「それはもう大丈夫です。グローリの結界に、僕の結界を合わせて王都に張りましたから、城壁の内側には入ってこれません。」
零が言った。
アルベール国王がハッとして周りを見渡した。
ケガをした者達は零が粒子の治癒能力で完治させたので、皆が心配そうな顔で国王を見ている。
「婿殿の結界!今までこの王都を守ってくれたグローリ殿の結界に、婿殿の結界が加わるのなら王都は無敵じゃ。心強いわ!もう何の心配もいらんぞ!」
アルベール国王はわざと声高に言った。
大広間にいた貴族や生徒達は拍手と歓声をあげた。
悪魔グローリはアルベール国王に深く一礼した。
ルミニアことイザベラ王女と黒騎士フィオナとクロムエルも国王の話を聞いていた。
「じゃ、王宮の壊れた所を直しますね。」
アルベール国王の言葉に、零は照れくさそうに言った。
零は粒子に王宮の破壊された所を直す様に命じた。
倒れた柱や壁の瓦礫がゆっくり元に戻っていった。
初めて見たアルベール国王や王子達や宰相フランツや近衛騎士達は驚いて目を見張った。
周りで見ていた貴族や生徒や近衛兵達から又拍手がおこった。
零は赤面した。
「宰相、魔族は王国の法で裁かれるのでしょうから、引き渡しますね。僕が倒した王宮上空のワイバーンとミノタウロスについては頂いてもいいですか。」
零が言った。
「それはもう。魔族の魔石等も零殿の所有になります。」
宰相フランツが言った。
『よかった。ミノタウロスの肉も森の深域にはいない魔物だから皆喜ぶね。ワイバーンの血と肉も皆で食べよう。』
零がフェスとリラに念話した。
フェスとリラは満面の笑みで何度も頷いた。
セレスティアは不思議そうに2人を見た。
「宰相、エレオノーラに聞きたい事があるので、宰相も一緒に別室で話したいのですが。」
零が言った。
宰相フランツがアルベール国王を見た。
アルベール国王は頷いた。
「わかりました。すぐに用意します。」
宰相フランツが言った。
魔法局の魔導結界室で悪魔エレオノーラの話を聞く事になった。
魔導結界室には宰相フランツと零とフェスとリラと悪魔グローリ、騎士長レグルスとセレスティアとカタリナが立ち会った。
「ワイバーンが転移した魔法残滓を調べたら、魔導具による転移だった。エレオノーラ、君が転移魔導具を開発したの?」
零が聞いた。
「はい。でも魔法残滓では調べられない様にしたのに、どうしてわかったのかしら。」
悪魔エレオノーラが独り言の様に言った。
「それが零様の偉大なお力なのですよ。」
悪魔グローリが両手を広げて言った。
フェスとリラは大きく頷いた。
「グローリ、そういうのはいいから。話が進まないから。」
零が困った顔で言った。
「はい、零様。」
悪魔グローリは笑顔で返事した。
「エレオノーラがいなくなった後も魔族は転移の魔道具を作れるの?」
零が聞いた。
「いいえ。あいつらの能力では無理ね。あいつらは力はあるけど、微妙な調整が苦手なのよ。」
悪魔エレオノーラは答えた。
「今回の襲撃は副将軍ブラストの発案なの?」
零は副将軍ブラストの突然の判断と知っていたが、それを悪魔エレオノーラが知っていたのか、聞いてみた。
「それは知らないわ。私は魔法開発にしか興味ないから。」
悪魔エレオノーラが言った。
「じゃ、認識分岐魔法の魔導具を開発したのもエレオノーラ?」
セレスティアとカタリナはハッとした。
「驚いた。あれはまだ1つしか作れてないのよ。何処で見つけたの?」
悪魔エレオノーラが聞いた。
「あなたねぇ、あの魔導具のせいでどれだけ苦しんだ人がいると思ってんの、許せないわ!」
カタリナが言った。
「あら、あなたの様な小娘が私に何ができるのかしら。」
悪魔エレオノーラが言った。
「この部屋で魔法が使えるのは私だけなのよ。」
と凄みながらカタリナは手の平に炎を作った。
この魔導結界室には複雑な魔法陣がはってあって、カタリナ等一部の魔法士にしか魔法が使えない。
悪魔エレオノーラはカタリナの炎を少し見て、自分の手の平に同じ様な炎を作った。
悪魔グローリも同じ炎を作った。
「お前だけじゃないじゃねえか。」
フェスが呆れて言った。
「ぐっぐ〜」
カタリナが悔しそうに唸った。
「なぜ魔族に組みしてるの?」
零が聞いた。
「あら、簡単よ。魔族は魔法の為なら際限なく開発させてくれるわ。でも人族は予算の関係かしら、あまり開発させてくれないわ。」
悪魔エレオノーラが言った。
「そうですか。じゃ最後に。魔族化の魔法も君が開発したの?」
零の目に怒りが宿った。
「…そうよ。私が開発したわ。」
悪魔エレオノーラが答えた。
セレスティアとカタリナの目も怒りに満ちた。
暫く沈黙が続いた。
「どうしたの?なぜ何も説明しないの?」
零が聞いた。
悪魔エレオノーラはそれでも黙っていた。
【次回予告 】
魔族化の正体が解明される。
物語を読んでいただきありがとうございます。
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