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大広間で治癒

ミノタウロスの攻撃で壁が崩れて第一王子ジュリアスに倒れてきたのを、副騎士長サイエスが庇って2人が下敷きになった。


「兄上、大丈夫ですか!」

「ジュリアスしっかりせい!」

アルベール国王と第四王子ユーリが駆け寄って声をかけている。


崩れた壁の上に柱が倒れて第一王子ジュリアスと副騎士長サイエスは動けなくなっている。


「国王、ユーリ王子、2人を救出します。危ないので離れて下さい。」

零が言った。


「おお、婿殿、来てくれたのか!2人を助けてやってくれ!」

「零!兄上を助けてくれ!」

アルベール国王と第四王子ユーリが叫んだ。


『粒子、壁と柱を固めて、2人を近接転移。』

2人が壁と柱の下から零の前に転移してきた。


副騎士長サイエスは既に虫の息になっている。


第一王子ジュリアスの左腕と左足は潰れてしまっている。


『粒子、治癒。』


2人の体はみるみる元に戻った。


「これでもう大丈夫です。」

零は言いながら、アルベール国王と第四王子ユーリのかすり傷も治癒し、次の重症者の所に近接転移した。


「フィオナ、しっかりして、フィオナ!」

1年生ルミニアこと帝国第二王女イザベラが泣き叫んでいた。


黒騎士フィオナは1年生ルミニアを襲った2体のミノタウロスと戦い、右肩から下を潰されて失った。


出血量が多く死にかけている。


「ルミニア、大丈夫?」

零が側に来て声をかけた。


「私のフィオナに触らないで!」

ルミニアが泣きながら叫んだ。


「ルミニア落ち着いて、大丈夫だから。」

『粒子、治癒。』


黒騎士フィオナの右肩から下がみるみる再生し、意識を取り戻した。


「イザベラ様…私は生き返ったのですか…」

自分で体を起こした黒騎士フィオナが言った。


「フィオナー」

ルミニアが喜びで泣きながら黒騎士フィオナに抱きついた。


ルミニアも軽症だったので粒子で治癒させた。


『粒子、次のケガ人の所へ転移。』


零は全てのケガ人の治癒を終わらせた。


「零様、お疲れ様です。」

悪魔グローリが一礼して言った。


「うん、死者が出なくて良かったよ。」

零が笑顔で言った。


「零様、私の魔法が未熟でこの様な失態を演じてしまった事、何とお詫びすればよいのか…」

悪魔グローリが頭を下げたまま言った。


「しょうがないよ。僕もちょっと迂闊だったし…この人も悪魔だね。グローリの知り合い?」

零が悪魔エレオノーラを見て言った。


「はい。千年程前に地上に追放された元天使です。」

悪魔グローリが答えた。


「後で色々話を聞きたいんだ。ちょっと待っててね。」

零が悪魔エレオノーラに言って国王の元に粒子で近接転移した。


悪魔エレオノーラは零が転移で現れてからずっと零の行動を見ていた。


零は悪魔エレオノーラが見てもわからない魔法で転移し、ケガ人を女神のレベルの治癒能力で回復させていた。


「グローリ、あの者は何ですか?」

悪魔エレオノーラが聞いた。


「零様は私の主様です。」

悪魔グローリが笑顔で言った。


悪魔エレオノーラは首を傾げてグローリを見た。


悪魔エレオノーラは自身の右手に魔法で炎を作った。


それを悪魔グローリに向けて発射した。


発射した炎はすぐに打ち消された。


「理解しましたか。貴方は既に零様によって囚われています。零様は貴方に待つ様に言いました。それはつまり貴方はもう逃げられないという事です。」

悪魔グローリが言った。


「国王、ケガ人を出してしまって申し訳ありません。魔王軍が予想外の攻撃をしてきたので。」

零が国王に言った。


「何を言うのだ、婿殿のおかげで誰も死なずにすんだ。大切な息子ジュリアスの命も救ってくれた。国王として父として心から礼を言うぞ。ありがとう。」

アルベール国王が言った。


「零殿、情勢はどのようになっていますか?まだ魔王軍は襲ってくるのでしょうか?」

宰相フランツが聞いた。


「はい、僕達の祝賀会の最中に、魔王軍副将軍のブラストが思いついた様にワイバーン部隊10体を王都に差し向けました。」

零が言った。


「それが王宮に攻めいったあ奴らですか?」

宰相フランツが聞いた。


「いえ、あれは別部隊です。」

零が答えた。


「ではまだワイバーンがいるのですか?」

宰相が聞いた。


「いえ、先行のワイバーン10体は城壁の手前でセレスティアさんとフェスとリラが全部倒しました。」

零が答えた。


「セレスティアが!」

騎士長レグルスが驚いて聞いた。


「はい。とても強かったです。」

零が笑顔で騎士長レグルスに答えた。


「帰ってきました。」

零が魔族が侵入して来た窓を振り返って言った。


割られた窓からセレスティアとフェスとリラが宙を飛び跳ねる様に入ってきた。


「セレスティア、あんた浮遊魔法が使えるの!?」

カタリナが驚いて聞いた。


「いや、これは零殿の魔法だ。零殿、ありがとう。おかげで全てのワイバーンを倒す事ができた。」

セレスティアが言った。


「セレスティアさん、フェス、リラ、ありがとう。じゃ浮遊を解くね。」

零が言って粒子の円盤を解除した。


セレスティア、フェスとリラは地上に降りた。


「零殿、では王宮に来たあ奴らはどのように攻めて来たのですか?」

宰相フランツが聞いた。


「ワイバーン10体を王宮の上空に転移させて、それに乗って来ました。」

零が答えた。


「ワイバーンを転移させた?」

騎士長レグルスが聞いた。


【次回予告 】

悪魔エレオノーラの秘密が解き明かされる。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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