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転移攻撃

先頭から2番目のワイバーンの首も飛んだ。


首のないワイバーンとリラが交差した。


零がワイバーン達の正面に現れた。


5体のワイバーンが零にブレスを発射した。


零は粒子で巨大な炎の全てを包み込み、消した。


セレスティアがワイバーンの頭上に現れ、ワイバーンの頭を真二つにした。


『私がワイバーンを単独で倒した。』

セレスティアは歓喜した。


一瞬、セレスティアに隙が出来た。


「おい!避けろ!」

フェスが叫んだ。


別のワイバーンがセレスティアに向けてブレスを発射した。


逃げ遅れたセレスティアの下半身がブレスで焼かれた。


しかしセレスティアの体は零の粒子で囲まれていて保護されているので無事だった。


「どうして?私は今焼かれたはずなのに。」

セレスティアが驚いて言った。


「お前は今、零様の防御魔法で守られている。零様の防御魔法に勝てる攻撃などない。」

リラがセレスティアに言った。


セレスティアが零を振り返った。


「ケガがなくて良かったです。」

零が笑顔でセレスティアに言った。


零が又ハッとした。


「しまった!魔王軍の転移攻撃だ!皆ここは任せるね、僕は王宮に戻るよ!」

零は言って粒子で王宮に転移した。


王宮大広間。


王宮ではカタリナが騎士長レグルスや宰相フランツに状況を説明し、貴族や生徒達の避難が始まった。


「あ、私の結界魔法が破られました。」

悪魔グローリが上を見ながら言った。


その時、王宮の上空に10体のワイバーンが魔王軍の転移で突然現れた。


「ワイバーン襲来!」

物見の大声が、衛兵たちの口伝で王宮に響き渡った。


「おやおや。」

悪魔グローリが言った。


「おやおやじゃないわよ!何とかしなさいよ!」

カタリナが叫んだ。


「今結界を別の術式で張り直してますよ。これなら王宮の上空に誰も入ってこれません。」

悪魔グローリが満足げに言った。


衛兵たちの口伝を聞いて、避難していた人々の足が止まり、どよめきが湧き出した。


大広間の窓が蹴破られ、ワイバーンから降下した魔族兵数十人がなだれ込んだ。


「敵襲!」

騎士長レグルスが鋭く叫んだ。


近衛騎士の十数人が、避難する貴族や生徒達を飛び越えて大広間に突入した。


「召喚。」

魔族兵達は手に魔導具を持って口々に召喚魔法を唱えた。


3メートルを超える数十体のミノタウロスが召喚された。


人族にとってミノタウロスは神話の魔獣で実物を見た者はほとんどいない。


近衛騎士達は一瞬怯んだ。


「怯むな!王家とここにいる全ての人達を守るのだ!」

騎士長レグルスが大喝した。


近衛騎士達はミノタウロスと対峙しながら魔族兵と戦った。


「ちょっと、ミノタウロスまで入ってきたじゃない!何やってんのよ!」

カタリナが悪魔グローリに言った。


「私の術式をかいくぐるとは。」

悪魔グローリは困り顔で言った。


避難する人達を掻き分けて近衛兵も集まって来た。


ミノタウロス数体が王族を狙った。


騎士長レグルスは国王を狙ったミノタウロスの片足を斬り、返す剣で首をはねた。


「アイスバレット!」

王族を庇いながら氷魔法でカタリナが応戦した。


しかしミノタウロスには効かず、カタリナに襲いかかる。


カタリナは結界魔法でミノタウロスの殴打を防いだが、結界にヒビが入った。


カタリナは即座に結界魔法を重ねた。


2発目の殴打がくる寸前でミノタウロスが倒れた。


「まったく、力に対して力で対抗するなんて、未熟ですねぇ。貴方も多少状態異常魔法を使えるのでしょ。」

ミノタウロスに状態異常魔法を仕掛けて倒した悪魔グローリが呆れて言った。


「あ、そうか!え、だったらここにいる全部の魔物に状態異常魔法使って倒しなさいよ。」

カタリナが怒って悪魔グローリに言った。


「そうなのですが、上手くいかないのです。」

悪魔グローリが首を傾げて言った。


「相変わらず偏屈な魔法を使うのね。解析するのに手間がかかったわ。」

魔族の召喚魔法の領域から出てきた女が言った。


「これは、エレオノーラではありませんか。」

悪魔グローリが言った。


「様をつけなさい、グローリ。この私に対して無礼ですよ。」

悪魔エレオノーラがグローリに言った。


「あら?」

「おや。」

悪魔エレオノーラは不思議そうな顔で、グローリは安心した顔で言った。


零が粒子の転移で大広間に現れた。


「零様!」

シルビア王女が泣きながら叫んだ。


「シルビア王女、遅くなってすみません!」

『粒子、王宮の中の魔族とミノタウロスを固めて。』

零が頭の中で粒子に命じた。


あちこちで動きが止まって固まった魔族やミノタウロスに、斬り込んだ近衛騎士達の剣が折れる音がした。


「何だ!?」

「折れた!」

剣が折れた近衛騎士達が口々に言った。


「剣が折れたのに、ミノタウロスや魔族が動かなくなった…」

近衛兵が言った。


零は王宮の上空に粒子で転移し、炎を吐いて王宮を焼こうとしていたワイバーンを全て固めた。


城下街に被害はなかったので、大広間に転移した。


大広間は暴れたミノタウロスの為に壁や柱が倒れて視界がきかない。


『粒子、王宮の中のケガ人を探索して重症度順に表示。重症の人の所に転移。』

零が粒子に命じると粒子画面が現れてケガ人が表示され、一番の重症者の所に転移した。


一番の重症者は副騎士長サイエスと第一王子ジュリアスだった。


【次回予告 】

魔王軍侵攻の被害者たちを救う。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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