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優勝の謎

時間はさかのぼり、1ヶ月前の王国の宮廷晩餐会。


アルベール国王にバンドール公爵が挨拶にきた。


アルベール国王とバンドール公爵は笑顔で歓談した。


「お聞き及びかと思いますが、わが息子イグナートには剣の才があるようで、この度の学園の武術大会に参加するのです。」

バンドール公爵が笑顔で言った。


「そうか。イグナートの剣の才は聞いておる。将来が楽しみだ。」

アルベール国王も笑顔で言った。


「聞くところによると王女のお相手が決まりかけているとか。」

バンドール公爵が聞いた。


「ははは。よく知っておるな。」

アルベール国王が答えた。


「シルビア王女のお相手も強き者であってほしいものですな。」

バンドール公爵が言った。


「ふむ。武術大会に参加すれば優勝するであろう。」

アルベール国王が笑いながら言った。


「そうですな。国王の言うように、シルビア王女のお相手は武術大会で優勝するような者でなければと思います。」

バンドール公爵が言った。


「たぶん武術大会に参加するであろう。」

アルベール国王は言って横にいる近衛騎士長レグルスを見た。


近衛騎士長レグルスの顔が無表情のままピクッと動いた。


「まさか国王にここまでの言わせて参加せぬような臆病者ではないでしょう。我が息子との対決楽しみにしておりまする。」

バンドール公爵が言った。


「ふむ。そうだな。」

アルベール国王はなんとなく返事した。


「我が息子の優勝は決まった様なものです。優勝した暁には改めてご挨拶に参ります。」

バンドール侯爵が満面の笑みで言った。


バンドール公爵はアルベール国王に一礼して宰相フランツのもとへ行った。


「レグルス、零殿は当然武術大会に参加するのであろう?」

アルベール国王が騎士長レグルスに聞いた。


「零殿はあまり剣技に興味を持っていないようです。」

騎士長レグルスが答えた。


「それはまずい。シルビアの為にも零殿に武術大会に参加してもらって優勝してもらわねばならん。よいなレグルス。」

アルベール国王が騎士長レグルスに言った。


武術大会勝抜戦。


武術大会の勝抜戦はクラス予選の代表者同士のトーナメントで行われる。


各学年は5クラスあるので、3学年で合計15クラス、それに前年度優勝者が勝抜戦から参加するので16人で争う。


「主は4回勝てば優勝か。」

フェスが客席で言った。


勝抜戦は学園内の競技場で来場者を迎えて行われる。


「零殿なら大丈夫だ。」

セレスティアは自分に言い聞かすように言った。


「零の1回戦の相手は3年の風紀委員長のエリシアね。」

カタリナが言った。


「風紀委員長のエリシア!?」

セレスティアは動揺して言った。


「強いのか?」

リラが聞いた。


「学園の風紀委員長は、生徒を取り締まる立場になるから、学園内で一番強い生徒が担当する事になっているんだ。よりによって1回戦から風紀委員長エリシアとは。」

セレスティアが答えた。


「ふん、誰が相手でも主には関係ないわ。」

フェスが自信満々で言った。


1回戦。


東の選手入場口から3年生風紀委員長エリシアが入場してきた。


優勝候補エリシアの入場で客席は大歓声になった。


「凄い歓声ですね。」

友人達と観戦している同級生のロアンが言った。


「大丈夫です。零様ならきっと勝ってくれます。」

同級生のシルビア王女は祈るような仕草で言った。


シルビア王女の周りには騎士ルティナとクノーラが護衛についている。


「零殿なら勝ちます。」

騎士ルティナが言った。


西の選手入場口から零が入場してきた。


『うわ〜何これ、こんな観衆の中で試合するの?』

零は苦笑いで思った。


零と3年生風紀委員長エリシアが試合場の開始線に立った。


『…隙だらけだ。本当に彼がウォルターに勝ったのか?それとも噂通り卑怯な罠にはめたのか。』

風紀委員長エリシアは零を見て思った。


ウォルターは風紀副委員長で零の編入試験の剣技試験の相手だった生徒だ。


審判は剣技教官カイザードが行う。


「武術大会勝抜戦1回戦エリシアと零の試合を行う。」

剣技教官カイザードが言った。


双方一礼し、構えた。


零は風紀委員長エリシアを鑑定した。

『迅斬流か。確か騎士長レグルスさんと同じ流派だ。怖いなぁ。』


『なんだ、あの構えは?剣を持っているだけではないか。』

風紀委員長エリシアは逆に驚いた。


零はいつもの様に粒子で自身とエリシアの木剣を囲み、零の木剣でエリシアの木剣を弾く様にした。


「はじめ!」

剣技教官カイザードが言った。


「…行くぞ!」

風紀委員長エリシアは声で零を牽制した。


「はい。」

零は普通に返事した。


『誘っているのか?こんな隙だらけではクラス代表にはなれないはずだ。やはり罠か。…ここは初手から全力で行く!』

風紀委員長エリシアの目の色が変わった。


エリシアは静かに息をはいて、開始線からゆっくり一歩踏み出した。


次の瞬間、零の頭上に木剣を振り下ろしていた。


迅斬流、迅歩の太刀。


騎士長レグルスがフェスに使った技である。


零は木剣でそれを受けた。


風紀委員長エリシアは二の太刀で、バランスを崩しているはずの零の胴を狙った。


零はそれも木剣で受けた。


エリシアはハッとして零から飛び離れた。


【次回予告 】

2回戦、問題の公爵の子息との対戦。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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