学園で念話
シルビア王女と零が学園の学舎の中に入って行った。
フェスとリラも入ろうとする。
「フェス殿、リラ殿、護衛はここから先は入れません。」
セレスティアが慌てて止めた。
フェスとリラはキョトンとしている。
「学園は生徒達による自治になっていて、護衛はここまでなんです。」
セレスティアが説明した。
学園の警護部隊の警備兵の2人が来た。
「何かありましたか?」
フェスとリラが学舎に入ろうとしているのを見て隊員の1人が言った。
「何もありません。」
セレスティアが答えた。
「さ、フェス殿、リラ殿、こちらへ。」
セレスティアが言った。
セレスティアはフェスとリラを護衛の待機所に連れて行った。
護衛待機所。
「学園内には結界がはってあって、講義や特別な時以外、魔法は使えません。念話もできません。」
セレスティアが言った。
『念話できないのか?』
フェスがセレスティアに念話した。
「えっ?」
セレスティアは驚いてフェスを見た。
『できるようだな。』
今度はリラがセレスティアに念話した。
セレスティアは驚いた顔でフェスとリラを見た。
『…零殿、聞こえますか?』
セレスティアが零に念話した。
『はい。聞こえてます。』
零が念話で答えた。
セレスティアは信じられない、という顔をした。
その後、はっとした。
『零殿、シルビア王女と私が念話で話す事はできますか?』
セレスティアが念話で聞いた。
零からの返事がない。
『零殿!』
セレスティアが念話でまた聞いた。
『まぁ、セレスティア!とても良く聞こえますわ。』
シルビア王女がセレスティアに念話した。
『お、王女!失礼しました。念話がつながるとは思っていなかったので。』
セレスティアが慌てて念話で答えた。
『王女、何かありましたらすぐに私にお伝えください。お側に駆けつけます。』
セレスティアが念話で伝えた。
『セレスティア、ありがとう。心強く思います。』
王女が念話で伝えた。
『はっ。』
セレスティアが念話で伝えた。
セレスティアはほっとした。
「シルビア王女と念話がつながった。」
セレスティアは騎士ルティナに耳打ちした。
「本当か?」
騎士ルティナが半信半疑で言った。
騎士ルティナが手の平に風魔法で風を起こした。
しかし結界の魔法ですぐに打ち消された。
「セレスティア、魔法は使えないぞ。」
騎士ルティナは少しがっかりして言った。
「ルティナ、零殿の魔法でお前とシルビア王女を念話で繋いでもらうが、構わないか?」
セレスティアが小声で言った。
「…構わない。」
騎士ルティナは少し躊躇したが了承した。
『零殿、聞こえるか?ルティナとシルビア王女を念話で繋ぐ事はできるか?』
セレスティアが念話した。
『まぁ、ルティナにも念話できるのですか?ルティナ、聞こえますか?』
シルビア王女が念話した。
『王女!はっきり聞こえます。』
騎士ルティナも喜んだ。
『王女、私にも聞こえています。』
セレスティアが念話で伝えた。
零が粒子で3人で念話できる様にしていた。
『王女、カタリナです。何かあれば私がすぐに参ります。』
セレスティアから聞いたカタリナも念話した。
『カタリナまで。ありがとう。学舎にいても皆に守られている様で嬉しいです。』
王女が念話で応えた。
「どうしたんだお前達。」
3人が盛り上がっているのを見て騎士クノーラが言った。
騎士クノーラとも王女との念話がつながった。
講義室。
零とシルビア王女は講義室に入り、隣同士で座った。
「シルビア様おはようございます。お久しぶりです。」
「シルビア様ご機嫌いかがですか。」
色んな生徒がシルビア王女に挨拶に来る。
本当に親身になって心配してくれている友人もいるが、貴族特有の利益の為に上辺だけで近づいて来る者もいる。
王家のシルビア王女は小さなころからそれを嫌と言うほど知っているので、心から喜べない。
魔族化による精神的な不安定さも手伝っている。
その中の1人がシルビア王女に挨拶した後零の前に来た。
『どこかで見た顔だなぁ。』
零は思った。
「零様、お初にお目にかかります。ロアン・バルトロと申します。」
ロアンが片膝をついて言った。
領都バルセーヌの筆頭財務官バルトロの息子だ。
周りの生徒がそれを見てざわついた。
「ちょっと、何してるんですか。膝をつかないでください。もしかしてバルトロさんのご子息?」
膝まづいたロアンを見て零が慌てて言った。
「はい。バルトロの三男です。父から聞いております。零様は大賢者で使徒様であると。」
ロアンは零に近づいて小声で言った
「いや、バルトロさんにも言いましたけど、違いますから。」
零がはっきり否定した。
「わかっております。他言は致しません。」
ロアンは全て承知していると言う顔をした。
『思い込んでる。困った親子だなぁ。』
零が呆れた。
昼休み。
零はシルビア王女と食堂で食事を取った。
「お前が零か?」
食堂から出たシルビア王女と零を2年生ギルバートと男子生徒5人が呼び止めた。
「はい。」
零が笑顔で答えた。
シルビア王女は横で怯えた顔をした。
「これは、シルビア王女。復学されたのですね。ご機嫌麗しゅう。」
2年生の男子生徒の1人がシルビア王女に近づこうとした。
零が粒子で鑑定すると、この6人は反王族派の貴族の子息とその取り巻きだった。
「シルビア様に何用か。」
3年生の女子生徒セレーナが間に入った。
【次回予告 】
学園の本当の問題点。
物語を読んでいただきありがとうございます。
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