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国王の決断

零達は王宮の広く豪華な応接室に通された。


その部屋には宰相フランツが待っていた。


零達が入ってくると宰相フランツは会釈した。


「早速だがセレスティア、今日起こった事を報告してくれ。」

宰相フランツがセレスティアに言った。


セレスティアとカタリナが宰相フランツの命令を受けて王都を出た翌日の夕刻、森に零達が現れた。


それから。


1.騎士団施設に転移し打合せ。


2.マロウ商会で闇ギルドの殺し屋からマロウを救出。


3.騎士団施設にマロウを連行。


4.騎士団の裏切り者をあぶり出し確保。


5.闇ギルドの仲介拠点の飲み屋を潰し、内密に入り込んでいた魔族を倒した。


6.闇ギルド関係者と魔族の死体を騎士団に連行。


7.王宮内務調査局で闇ギルドを確保し魔族を倒す。


8.王女の寝室で魔族化の魔道具を回収。


これらを報告した。


「内務調査局の事は報告を受けていたが、…今日の夕刻から一晩でそれら全てを成し遂げたのか?」

宰相フランツは驚いて聞いた。


「はい。」

セレスティアが答えた。


アルベール国王や騎士長レグルス達も驚いた顔をしている。


宰相フランツは腕を組んで考え込んだ。


「零殿、シルビア王女の事だけかと思っていたが、そこまでしてくれていたとは、重ねて礼を言う。」

アルベール国王が言って宰相フランツも立ち上がって頭を下げた。


「あ、いや、きょ、恐縮です。お役に立てて良かった。」

アルベール国王と宰相フランツに頭を下げられて、零は焦って立ち上がって言った。


「零殿には先日のシルビアの魔族化から命を救ってくれた事も含めて、相応の礼を用意させて貰う。」

アルベール国王が言った。


「しかし、闇ギルドもだが、王宮に魔族が入り込んでいたとは…」

宰相フランツが苦悶の表情で言った。


「フェス殿はあの魔族の事を知っているようだったが?詳しく教えてもらえまいか?」

セレスティアがフェスに言った。


フェスがセレスティアの顔をチラッと見た。


「あぁ?言わん。主の命令がなくば話さん。」

フェスが無愛想に言った。


「あ、あの魔族は魔王軍の偵察部隊の1体で魔力探知能力や隠密魔法を使います。気配や姿を消したりする事に長けていて、普通の探知魔法は効きません。以前、戦う機会があったのですが、別の被害が出そうだったので、僕があの魔族をやり過ごしたものだから、フェスは悔しかったのでしょう。」

零が気まずそうに言った。


「主!そのような事はありません。主が子供達を守ってくれた事に感謝して…」

フェスは焦って途中まで言って、しまった、と言う顔をした。


「子供達?フェス殿、子供達とは?」

セレスティアが不思議そうに聞いた。


「知らん。お前達には言わん。」

フェスがそっぽをむいた。


セレスティアはフェスを見て少し首を傾げた。


「すみません、色々あって、あまり詳しくは言えないのです。」

零がバツ悪そうに言った。


「よいではないか。零殿にも色々事情があるのだろう。」

アルベール国王が笑いながら言った。


「しかし、偵察兵とはいえ魔族が入り込むとは…何か対策を考えねば…」

宰相フランツが言った。


「僕達は魔王軍偵察部隊を5体確認しましたが、5体とも同じ隠蔽魔法でした。これがその魔力残滓です。」

零の右手の平から偵察兵の魔力残滓の入った粒子の玉を出した。


そこにいる皆が驚いて粒子の玉を見た。


「これを魔法局で分析すれば何かわかるかもしれません。宰相の声で『開け』と言っていただければ中から残滓が出てきます。」

零が言って粒子の玉を宰相フランツの方にゆっくり移動させた。


宰相フランツは驚きながら粒子の玉を受け取った。


「さ、宰相の声で出てくるって、零、それって認識分岐魔法の一種なの?!」

カタリナが食いつき気味に零に言った。


「え〜と、まぁ、そんな感じです。」

零が苦笑いで言った。


「今夜あまりに多くの事があったので、儂の本題が遅れてしまった。零殿、実はそなたに頼みたい事がある。」

アルベール国王が笑顔で言った。


「実は、シルビアは魔族化の事があって、今は学園を休学している。再来月から復学する予定だ。ついては零殿に一緒に学園に通ってもらいたい。」

アルベール国王が言った。


「えっ!僕が?!学園に?」

零が驚いて言った。


騎士達や宰相フランツもアルベール国王以外の全てが驚いた。


「こ、国王、それは。」

宰相フランツが苦しい顔で言った。


「シルビアを警護してほしい。当然報酬は出す。」

アルベール国王が言った。


「無理です。僕は貴族や名家の礼儀などの立ち居振る舞いがわかりません。そう言う方達に無礼があっては大変な事になります。」

零が言った。


「それは大丈夫だ。おお、そうだ、儂の隠し子にすれば良い。」

アルベール国王は笑いながら言った。


又アルベール国王以外がどよめいた。


「こ、国王、それは幾らなんでも…」

宰相フランツが言った。


宰相フランツをチラッと見て、アルベール国王は暫く考えた。


「よし、フランツ、決めたぞ。シルビアと学園に通わせてからと思っていたが、シルビアは零殿の嫁にする。そうすれば全てが解決する!」

アルベール国王が言った。


「国王!!」

冷静な宰相フランツもさすがに叫んだ。


【次回予告 】

騎士達と村に帰る。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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