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魔導具

「さすがカタリナさん。」

零が少し笑って言った。


「認識分岐魔法って魔法の授業で聞いた事あるような…」

騎士クノーラが言った。


「魔力波動を認識して発動する魔法…でも実現はされていない。理論上の魔法よ。」

カタリナが焦って言った。


「ちょっと試してみましょうか。」

零が言って左手の偽物の宝石の魔道具を、小さな結界の様に見せて粒子で囲んだ。


『粒子、王女の漏れ出た魔力を取って、僕の右手に持って来て。』

零が頭の中で粒子に命じた。


零の右手に玉ができた。


「何、その魔法?魔力を感じないんだけど…」

カタリナが顔色を変えて言った。


「ははは…右手の玉に王女から漏れ出た魔力が入ってます。左手の偽宝石の魔道具の方に移します。」

零が言って左手の偽宝石の魔道具に移すと宝石が魔力を発し出した。


「何だ!偽宝石から何か黒いモヤが広がっていく。」

騎士クノーラが驚いて言った。


「これが魔族化の魔法です。」

零が言った。


「なっ?!」

セレスティアが目を見張った。


零が粒子で魔力に色をつけているので、魔力が目で捕らえられている。


カタリナは真剣な顔で見ている。


リラも興味深く見ているが、フェスはあまり関心がない。


「これを魔法局に渡して解析してもらって下さい。これで王女は大丈夫です。では、僕達はこれで帰りますね。」

零が笑顔で言った。


「…ちょっと待ってくれ。このまま帰るって、零殿はシルビア王女を2度も救ってくれたのだぞ。」

騎士クノーラが言った。


この時シルビア王女が目を覚ました。


「シルビア王女。」

側にいる騎士ルティナが言った。


「どうしました?ルティナ。あら、セレスティア、カタリナまで。」

シルビア王女がベッドで体を起こして言った。


セレスティアやカタリナ、騎士クノーラが片膝をついた。


「寝所をお騒がせして申し訳ありません。」

騎士ルティナが言った。


「ルティナ、見馴れぬ者達がいます。」

シルビア王女が目を怯えさせて言った。


シルビア王女は魔族化の一件以来、見知らぬ者に怯える様になった。


「あの少年は零と言います。後の2人は零殿の護衛の者です。」

騎士ルティナが言った。


「零と言います。後の2人は僕の仲間でフェスとリラです。」

と零が言って一礼した。


リラも一礼したがフェスは知らんぷりしている。


「あなたが私を助けて下さった零様ですね。まだお礼を申し上げていませんでしたね。」

そう言いながらベッドから出た。


「シルビア王女、まだお体が…」

騎士ルティナが手を差し伸べながら言った。


「大丈夫です。何故か体が軽くなった様です。」

シルビア王女が笑顔で言った。


「零様、リラ様、フェス様、私を助けて頂きありがとうございます。」

と言いながら一礼した。


「お元気になられて本当に良かったです。」

零が笑顔で言った。


王国の王女が2人に頭を下げたので、リラとフェスは驚いた顔をした。


「零様、今日はどうされたのです?この様な所へ来られて。」

シルビア王女は笑顔で零に言った。


「あ〜、え〜と、お、王女のお見舞いにと言いますか…」

零は言葉に詰まりながら言った。


「零殿はシルビア王女のお体を案じて来られたのです。零殿は治癒の魔法を使われます。お体が軽くなったのは、零殿の魔法のおかげかと。」

騎士ルティナが言った。


「まぁ、そうなのですか。零様ありがとうございます。おかげで体が楽になりました。ルティナ、お父様にこの事をお伝えてして。」

シルビア王女が言った。


「あ、いや、大丈夫です。僕達は夜も遅いのでもう帰りますから。」

零が慌てて言った。


「そう慌てて帰らずとも良いであろう。」

アルベール国王と騎士長レグルスと近衛騎士3人がシルビア王女の寝室に入ってきた。


フェスが騎士長レグルスを睨んだ。


騎士長レグルスはチラッとフェスを見た。


「まぁ、お父様。」

シルビア王女が笑顔で言った。


「シルビア、歩ける程に元気になったのか?」

アルベール国王も笑顔で言った。


「はい。零様の治癒魔法のおかげです。」

シルビア王女が言った。


「そうか、零殿はいつも突然現れて、シルビアを救ってくれる。礼を言うぞ。」

アルベール国王が嬉しそうに零を見て言った。


「お役に立てて良かったです。」

零は一礼しながら言った。


「零殿、ちと相談がある。場所を変えぬか。」

アルベール国王が言った。


「は?…はぁ。」

零が少し困った顔をした。


「ん?どうしたのだ?」

アルベール国王が聞いた。


「また近衛騎士団に襲われたりするのは怖いので…」

チラッと騎士長レグルスを見て零が言った。


「ワハハ、もうこちらからは、零殿を襲う事はないと約束しよう。」

アルベール国王が笑いながら言った。


「はぁ、…王様は信頼できるのですが、騎士長は…」

零が騎士長レグルスを見ながら言った。


「私達は王の命令に従うまで。」

騎士長レグルスが言った。


「でもあの時僕達を襲ったのは王様の命令じゃなかったでしょ?」

零が笑顔で言った。


「あっ、あれは…」

騎士長レグルスが言葉を詰まらせた。


「零殿、あまりいじめてやらんでくれ。」

アルベール国王も笑顔で言った。


【次回予告 】

報告と零達の運命を変える急展開。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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また読んでもらえることを楽しみにしています。

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