闇ギルド仲介拠点
『うるさい!念話で叫ぶな。』
フェスがカタリナに念話した。
『酒場で姿を隠してウロウロしたら客とぶつかるだろ。』
リラがカタリナに念話した。
『零殿は浮遊魔法も使えるのか。他者も浮かすとは…』
セレスティアが念話した。
『ははは…あそこに2人の衛兵がいます。あの2人は闇ギルドの一味です。』
零が念話した。
衛兵の2人はカウンターで中の店の使用人と話している。
『…零殿は騎士団だけでなく、衛兵隊も調べていたのですか。』
セレスティアが何か言いたげに念話した。
『ええ、まぁ。…衛兵と話しているのが店の使用人で殺し屋に指示を渡す係りです。』
零が誤魔化しながら念話した。
『じゃ責任者のいる部屋に行きますね。』
零が念話で伝え、粒子で転移した。
零が言った店の責任者、店長ランゴルの部屋に転移した。
店長ランゴルは机で書類に目を通していた。
『フェス、リラ、用意してね。』
零が念話した。
『はっ。』
フェスとリラが念話で返した。
零1人が光学迷彩を解いて机の前に姿を現した。
「ん?小僧、どこから入った。」
店長ランゴルが少し驚いて言った。
「ランゴル、お前、闇ギルドの仲介役だな。」
零が言った。
「な、何を!?や、闇ギルド?何の事だ?」
店長ランゴルは動揺しながらもとぼけた。
「とぼけても無駄だ。王国の最強機関も本気でお前達の駆除を始めるぞ。」
零が言った。
店長ランゴルの顔色が変わった。
「さ、最強機関?」
ランゴルが動揺して繰り返した。
「王国騎士団だ。」
零が言った。
「騎士団?…ははは、小僧、死ぬ前に教えてやろう。騎士団内部には我々の味方が多数いる。」
店長ランゴルが言った。
「多数?たった8人だろ。騎士団の小隊長コンドスは捕らえられたぞ。」
零が言った。
「き、貴様何故その事を!コンドスが捕まっただと!そんな報告は受けていない。」
店長ランゴルは驚いて言った。
「当たり前だ、コンドスが捕らえられたのは、ついさっきの事だからな。」
零が言った。
「ついさっき?どういう事だ。何故貴様はそれを知っているのだ?」
店長ランゴルは動揺した。
「ランゴル、お前は許さない」
零が怒りの目で言った。
「ははは、小僧、貴様などに何ができる。俺が誰だがわかっているのか。」
店長ランゴルが言った。
「魔王軍小隊長ランゴラル。お前は魔族だ。」
姿を隠しているセレスティアとカタリナも驚いた。
「な、何故それを!」
店長ランゴルが驚いて言った。
零が手をかざすと粒子が人型擬態を解除して、魔族ランゴラルの姿が現れた。
「貴様、何をした!なぜ魔族に戻ったんだ!貴様、殺してやる!」
魔族ランゴラルが言って零に手を伸ばした。
その手が宙に舞った。
光学迷彩から現れたフェスが魔族ランゴラルの腕を斬りあげた。
「汚い手で我が主に触るな。」
フェスが言った。
「ギャー」
一瞬叫び声を上げたがすぐ消えた。
「黙れ。」
リラが魔族ランゴラルの背後から首を落として、静かに言った。
「ボス、何かありましたか。」
ノックする音がして、ドアの外から店の使用人の声がした。
ドアが開いて使用人と衛兵2人が入ってきた。
「ランゴル様!?」
首の無い魔族ランゴラルの死体を見て使用人と衛兵2人は二重に驚いた。
「き、貴様らがやったのか!ランゴル様をどこへやった。…この首の無い魔族の死体は何だ?」
衛兵の1人が零達に言った。
「あなた達のボスのランゴルは魔族でした。」
零が言った。
「な、何?そんなはずは…」
衛兵が言った。
セレスティアとカタリナが光学迷彩から姿を現した。
「あんた達、何でこんな所にいるの?」
カタリナが怒りに満ちて2人の衛兵に言った。
「あ、あなたは誰だ?」
衛兵が言った。
セレスティアとカタリナの身なりは騎士団に似ていたので敬語になった。
衛兵が近衛騎士を直接見る事は滅多にない。
「私達は近衛騎士だ。特別任務でここに来ている。衛兵隊に裏切り者は何人いる?」
セレスティアが怒りの目で言った。
「近衛騎士様?…この様な所になぜ?」
衛兵が驚いて言った。
「…わ、私達は悲鳴が聞こえたとの通報を受けてここに来たのです。」
もう1人の衛兵が言った。
「お前達2人はそこの使用人とカウンターで話をしていて、この部屋に降りて来たのだろう。悲鳴があがったのは、ついさっきだ。通報等されていない。」
セレスティアが言った。
「全部見ていたのか!?」
衛兵が言った。
「お前達が闇ギルドとつながっているのはわかっている。お前達は魔族と組んでいたのだぞ。」
セレスティアが言った。
「え、魔族!?まさか、この魔族がランゴル様なのか!?」
衛兵が言った。
セレスティアは黙って頷いた。
「俺は魔族に従っていたのか…」
衛兵2人は顔を覆って、その場にうずくまった。
「リラ、例の物はあった?」
零がリラに聞いた。
「はい。ありました。」
リラが何か小さな物を零に手渡した。
「零殿、衛兵隊の中に裏切り者は何人いるのですか?」
セレスティアが聞いた。
「…13人です。詳しい事はこの水晶の中にあります。」
零はリラが机に置いた水晶を指差しながら言った。
「これは…封印魔法が何重にもかけられてるわ。」
水晶を見ながらカタリナが言った。
【次回予告 】
闇ギルドの手がかりを追って王宮へ。
フェスは恨みを晴らせるか。
物語を読んでいただきありがとうございます。
これからも面白い物語に育てていきます。
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