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裏切者

「コンドス、何をしている。」

小隊長コンドスの後方から団長ガレスの声がした。


小隊長コンドスが驚いて振り向いた。


誰もいない所から粒子の光学迷彩で姿を隠していた団長ガレスと副団長ブラッドが現れた。


「騎士の誇りはどこやった。」

小隊長コンドスの前方に粒子の光学迷彩から姿を現したセレスティアが言った。


「エレオノーラ。」

光学迷彩から姿を現したカタリナが風魔法で睡眠魔法の霧を巻き上げた。


「ファイアストーム。」

カタリナが巻き上げた睡眠魔法を炎で焼き消した。


「クソ、バレたか!しかし構わん。マロウは抹殺した。これで闇に続く糸は途切れた。騎士団小隊長の地位は惜しいが、俺はこれで闇ギルドに戻るだけだからな。」

小隊長コンドスが笑いながら言った。


「貴様…」

団長ガレスが怒りの目で小隊長コンドスを睨んだ。


小隊長コンドスは土魔法の魔道具を取り出した。


「では団長、失礼します。」

小隊長コンドスが不敵に笑って魔道具に魔力を込めた。


土魔法で岩が出来て、壁を突き破って外に飛び出した。


小隊長コンドスと一味の2人の騎士は岩に捕まって外に飛び出した。


そのはずだが、粒子の移動の能力で、そのまま同じ場所に戻され、叩きつけられた。


「ぐぁ!な、何故戻ってきた、どうなったんだ?」

床に叩きつけられ、驚いて小隊長コンドスが言った。


「逃がさないよ。」

光学迷彩から姿を現した零が言った。


「闇ギルドは今夜消滅する。お前に帰る場所などない。」

光学迷彩から姿を現したリラが言った。


フェスもマロウと一緒に光学迷彩から姿を現した。


「マロウ!何故?」

小隊長コンドスが叫んで殺したマロウを見た。


首の無いマロウが立ち上がって斬られた自分の首を拾った。


「ギャー!」

カタリナがそれを見て悲鳴を上げた。


セレスティアが剣を抜いた。

ガレスとブレッドも剣を抜いた。


胴体のマロウは両手で自分の首を取り付けた。


すると魔導士クノスバに変わった。


「我が名は魔導士クノスバ。零様の忠実な下僕。」


目を丸くしていたリラがクスッと笑った。

フェスも笑顔になった。


マロウは腰を抜かしている。

小隊長コンドスと一味の騎士2人も腰を抜かした。


「零殿の3人目の従者か!」

セレスティアが剣を構えたまま叫んだ。


「クノスバ、土魔法を解除して、騎士団施設の壁を直して。」

零が魔導士クノスバに言った。


「主の御心のままに。」

魔導士クノスバが手をかざすと土魔法の岩は消え、壊された壁は元に戻った。


「こ、こんな事が…」

小隊長コンドスが周りを見ながら呟くように言った。


「ありがとう、クノスバ。」

零が笑顔で言った。


魔導士クノスバは足元に黒い穴が開いて、沈むように消えていった。


「コンドス、騎士団を裏切って闇ギルドに付くなんて、本当は僕達が始末しようと思ったんだけど、騎士団で裁きを受けて。」

零が言って団長ガレスを見た。


魔導士クノスバに動揺していた団長ガレスは気を取り直した。


「コンドスと一味の2人の騎士を拘束しろ。」

団長ガレスが、騒ぎに集まってきた騎士達に言った。


零は睡眠魔法にやられた3人の騎士達を治癒で元に戻した。


「じゃ、僕達はこれから闇ギルドの仲介拠点に行きます。セレスティアさん、カタリナさん、どうします?」


零はセレスティアとカタリナが宰相の命令で零の護衛と懐柔の為に来ている事を知っていたが、知っているとおかしいのであえて聞いた。


「私達も同道する。」

セレスティアが言った。


「じゃ行きましょう。」

零が笑顔で言って粒子で転移し騎士団本部から消えた。


団長ガレスはその様子を黙って見ていた。


「どうしました?」

副団長ブレッドが団長ガレスに言った。


「零殿はコンドスの裏切りを知っていた。俺もおかしいとは思っていたが、確証など何もなかった。それをあの少年は…」

団長ガレスが重苦しく言った。


「それほどあの少年の魔法は優れているという事ですか。」

副団長ブレッドが言った。


「そんな問題ではない。あの少年は騎士団に来ることもなく、騎士団内部を調査し、裏切り者を探し当てたのだ。…それがどういう事か…」

団長ガレスが言った。


副団長ブレッドは、はっとした。


団長ガレスは腕を組んで考え込んだ。


零達とセレスティアとカタリナは王都の西のスラム街の手前に転移した。


「…ここに闇ギルドがあるのか?」

セレスティアが辺りを見ながら言った。


「はい。そこの飲み屋です。」

周辺に10件程の飲み屋や宿屋やよろず屋等があるが、その内の1件の飲み屋「ラスティウッド」を指差しながら零が言った。


「ちょうど闇ギルドに通じている衛兵もいます。姿を隠しましょう。カタリナさんとも念話できる様にしますね。」

零が言って粒子の光学迷彩で皆の姿を隠し、カタリナの脳に血管から入り込んだ粒子で念話をつなげた。


「ちょっと、私は状態異常の魔法で守られてるから、念話なんてつなげられないわよ。」

カタリナが言った。


『ヘボ魔法士、もうつながってるぞ。』

フェスが念話でカタリナに伝えた。


「えっ〜ウソでしょ〜」

カタリナが叫んだ。


『うるさい奴だ。主が何の為に見えない様にしてるか。静かにしろ!』

フェスが念話でカタリナに伝えた。


「ウソでしょ、何で、おかしい…」

カタリナは小声でブツブツ呟いた。


『あはは…じゃ行きますね。』

零が皆に念話で伝えて粒子で店内に転移した。


『ちょっと!浮いてるじゃない!』

カタリナが念話で混乱しながら叫んだ。


零達とセレスティアとカタリナは店内の天井に浮いている。


【次回予告 】

闇ギルド仲介拠点に潜入。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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また読んでもらえることを楽しみにしています。

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