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騎士団本部

残りの2人の護衛がマロウを庇って剣を構えた。


「誰だ!」

護衛の1人が叫んだ。


「お前が知る必要はない。」

護衛の後から声だけがした。


護衛の胸が裂けて血が吹き出した。


闇ギルドの殺し屋が透明の魔法で護衛の後にまわり胸を刺した。


それを見たもう1人の護衛は恐怖で逃げようとしたが、悲鳴をあげて転倒した。


「ぎゃー」

護衛が自分の左足を見ると膝から下がいつの間にか斬られていた。


「うるさい奴だ。」

と言いながら、半分のドアから執務室に入ってきた男が、護衛の首を糸のようなもので斬った。


マロウは恐怖で声が出せず、椅子から転げ落ちて、壁にへばり付いて震えている。


「マロウ、お前は用済みだ。」

ドアから入って来た糸の男が言った。


糸がマロウの首に巻き付いた。


「助けて〜」

泣きながらマロウが言った。


男が笑いながらマロウの首に巻き付いた糸を引いた。


しかしマロウの首は落ちない。


「どういう事だ!」

もう一度引くが、やはりマロウの首は落ちない。


「な、なぜだ、なぜ切れない!…だ、誰だ!」

後を振り返った時、糸を持った男の首が落ちて胴体が倒れた。


「お前の糸で切るのは無理だ。」

倒れた首のない糸の男の遺体に、霧の様に現れたリラが言った。


マロウは既に零の粒子で囲まれていた。


「逃がすはずないだろう。」

フェスがドアの入り口に狼牙剣をダラリと下げて言った。


透明の魔法を使い、護衛の胸を後から刺した殺し屋は、仲間が殺されたのを見て逃げようとした。


「丸見えだ。」

フェスが言いながら狼牙剣を一振りした。


透明の男が姿を現し、首が体から離れて倒れた。


「リラ、フェス、ありがとう。」

フェスの後から零とセレスティアとカタリナがマロウの執務室に入ってきた。


「くだらない魔法を使って。」

カタリナが透明の男の魔法の残滓を感じて言った。


セレスティアが怯えるマロウの前に行った。


「マロウだな。私は近衛騎士のセレスティアだ。騎士団に出頭してもらう。」

セレスティアが言った。


「お、お助けを〜」

マロウが泣きながらセレスティアに言った。


セレスティアが零を振り返った。


零が頷いた。


「じゃ、騎士団にいきます。」

零が言って粒子で転移した。


同じ夜。


騎士団の団長の執務室で団長のガレスと副団長のブレッドが話している。


執務室のドアがノックされた。


「入れ。」

団長ガレスが言った。


ドアが開いてセレスティアを先頭にカタリナや零達が入ってきた。


「お、お前達どっから…また転移魔法か?だったらこの部屋に直接転移すればいいだろう。」

団長ガレスが呆れ顔で言った。


「すまぬ。また頼み事があって来た。」

セレスティアが言った。


「あぁ、カタリナもいるじゃないか!?」

団長ガレスが驚いて言った。


「好きでいるんじゃないわよ。」

カタリナが嫌そうな顔で言った。


「おいおい、マロウまでいるじゃないか。捕まえてきたのか?」

団長ガレスがセレスティアに言った。


「マロウを預かってほしい。」

セレスティアが言った。


「ふむ。構わんぞ。俺達も色々聞きたい事もあるしな。」

団長ガレスがマロウを見ながら言った。


「妻と娘も魔族に捕らえられています。助けて下さい。」

マロウが泣き出しそうに言った。


「何!?」

セレスティアは驚いた。


零からは聞いていなかったが、人質がいるならすぐに助けに行かなくてはならない。


『マロウさんの奥さんと娘さんは既に…』

零が沈痛な面持ちで、念話でセレスティアに伝えた。


セレスティアも悔しそうな顔をして零を見た。


「奥さんや娘さんの事も含めて詳しく話を聞きたい。別室で話を聞く、ブラッド、クライスを呼べ。」

団長ガレスが言った。


クライスは騎士団第三隊長である。


「はっ。」

副団長ブラッドが執務室を出た。


副団長ブラッドは隊長クライスと騎士2人を連れて戻ってきた。


「クライス、魔族化の件だ。マロウから事情を聞いてくれ。」

団長ガレスが命じた。


「はっ。」

隊長クライスと騎士2人がマロウを連れて執務室を出た。


「ガレス、ブラッド、話がある。」

セレスティアが言った。


「何だ?」

団長ガレスが言った。


セレスティアは零の作戦を団長ガレス、副団長ブラッドに話した。


副団長ブラッドは驚いた顔をしたが、団長ガレスは黙って零を睨んだ。


隊長クライスと騎士2人がマロウを連行していると騎士団小隊長のコンドスと騎士2人が来た。


「クライス様、この者は?」

小隊長コンドスが聞いた。


「コンドスか、ちょっとな。」

隊長クライスは、はぐらかした。


小隊長コンドスはマロウをジロジロ見ている。


「何か用か。」

隊長クライスがコンドスに聞いた。


「取調室に連行するのですか?私が連行しましょう。」

小隊長コンドスが言った。


「いや、いい。」

隊長クライスが断って歩き出した。


「そうですか。」

小隊長コンドスが手にした魔道具を隊長クライスの足元に落とした。


魔道具から黒いモヤの様な霧が広がって隊長クライス、連行している2人の騎士、マロウが倒れた。


「安心しろ、睡眠魔法だ。」

小隊長コンドスが言った。


小隊長コンドスと一味の騎士2人は、いつの間にか魔道具のマスクをつけている。


「マロウ、お別れだ。」

小隊長コンドスが言ってマロウの背中を刺して首を斬った。


【次回予告 】

裏切者をあぶりだす。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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また読んでもらえることを楽しみにしています。

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