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宰相執務室

「まぁ、それは、…」

零は笑いながら言ってセレスティアに助け舟を求めた。


「…とにかく、事が収まるまであの者達を騎士団で預かってくれぬか。」

セレスティアが言った。


団長ガレスは暫く零を見ている。


「…わかった。王国の民を守る為なら断る理由はない。」

団長ガレスが言った。


「良かった。」

零が笑顔で言った。


「証拠と言うか、魔族兵の死体は置いていきます。じゃカタリナさんが待っているだろうからセレスティアさんは連れて帰りますね。」

零達とセレスティアは粒子の転移で消えた。


目の前でそれを見た団長ガレスと副団長ブレッドはさすがに驚いた。


「本当に転移した。…おとぎ話ではなかったのだな。」

団長ガレスが驚いた顔で言った。


零の粒子の転移で零達とセレスティアは領主代行ボルターの屋敷の手前に戻った。


「じゃ僕達はここで。」

零が言った。


「待ってくれ、零殿。もしや魔族化の事を詳しく知っているのではないのか。もしそうなら教えて頂きたい。」

セレスティアが言った。


「そんなに詳しくは知りませんよ。でも誰にも言わないで下さいって言って話しても、セレスティアさんは国王に嘘はつけないでしょ。」

零が笑いながら言った。


「そ、それは…」

セレスティアが言った。


「時期が来たら話します。じゃ僕達はこれで。」

零は言って粒子で転移した。


セレスティアは1人で領主代行ボルターの屋敷に戻った。


カタリナは領主代行ボルターの屋敷で夕食を済ませていた。


「どこ行ってたのよ?」

自分が宿泊する客室に戻っていたカタリナが言った。


「…マロウ商会が多くの人達を魔族化させていた。」

セレスティアが言った。


「ええ、何それ!マロウ商会って、あの、王都の!?」

カタリナが驚いて言った。


セレスティアはマロウ商会であった事を話した。


「…マロウ商会で魔族化の100人の人達がいて、零がその人達を治癒させて騎士団に転移させた!?」

カタリナがまた驚いて言った。


「零殿はシルビア王女を救い、私達近衛騎士団と戦い、銭湯に入り、孤児院で美味しい料理を作って、王国の100人の民を救った。これらをわずか半日で行った。」

セレスティアが言った。


カタリナが首をかしげた。


「カタリナ、零殿は本当に大賢者なのかもしれない。」

セレスティアが言った。


セレスティアは零が孤児院の食堂で言った、塩の販売や利益に関する事もカタリナに話した。


「本当にそんな事を言ったの?宰相みたいじゃない。あの子まだ12〜13歳でしょ。まさか本当に大賢者の仮の姿とか?」

カタリナが真顔で言った。


「私達の力は相手を殺す為にある。でも零殿はあの力を人々を救う為に使っている。」

セレスティアが言った。


「ちょっと、あんた、大丈夫?」

カタリナが言った。


セレスティアは考え込んだ。


領主交代の手続きを終えたセレスティアと騎士団一行は、文官数名を残し、翌日王都への帰路についた。


宰相執務室。


王都ではマロウ商会の件について宰相フランツのもとに報告があった。


零の問題については国王直々の命令でフランツが直接対処する事になった。


宰相は既にバルセバル領のバルドー村で魔王軍との戦闘があって300体の魔王軍を倒し、領都でも同じく1000体以上の魔王軍を倒して勝利した事、領都で商いの発展に寄与した事等の詳しい報告を受けている。


宰相の執務室には騎士長レグルスがいる。


「零という少年、想像以上の魔導士だな。」

宰相フランツが言った。


「騎士団団長ガレスは大賢者だと言っておりました。」

騎士長レグルスが言った。


「ふむ。100人も転移させるとは…騎士長も大賢者だと思うかね?」

宰相フランツが言った。


「大賢者が実在するのかどうか、私にはわかりかねます。」

騎士長レグルスが言った。


「…そうか。騎士長が大賢者を否定しない程の魔導士か。」

宰相フランツは言って考え込んだ。


数日後。


やはり宰相執務室。


領都バルセーヌから戻ったセレスティアとカタリナが宰相フランツの執務室に呼ばれた。


執務室には近衛騎士長レグルスもいた。


「2人には長期の特別護衛任務についてもらう。」

騎士長レグルスが言った。


「はっ。」

セレスティアとカタリナが受命した。


「護衛対象は零殿だ。」

騎士長レグルスが言った。


「はぁ?」

カタリナが間の抜けた声で言った。


「ど、どうして。」

セレスティアは動揺して言った。


「2人とも、宰相の前だぞ。」

騎士長レグルスが諌めた。


「騎士長、お言葉ですが、私は近衛騎士です。王族を命をかけて守り抜くのが使命だと心得ています。」

セレスティアが言った。


「わかっている。」

騎士長レグルスが言った。


「では、どうして?」

セレスティアが騎士長レグルスに言った。


「零殿を他国に渡さぬ為だ。これは王国にとって極めて重要な使命である。」

騎士長フランツが言った。


「王国にとって…」

セレスティアが言った。


「今後も零殿の噂は広がっていくだろう。噂が広がれば帝国や共和国等の他国が動き出す。零殿を勧誘しようとする者、暗殺しようとする者。それらから零殿を守ってほしい。」

騎士長レグルスが言った。


「零殿には護衛がいます。それに何よりも霊殿自身が護衛等必要ないほど強い事は騎士長ご自身が…」

セレスティアは言いかけて途中でやめた。


騎士長レグルスは数日前に零の粒子で動きを止められ、フェスに斬られかけた所を零に救われている。


「その通りだ。だからこそ、2人が零殿の側に付いて、王国の敵にまわらぬ様に対応してほしい。」

騎士長レグルスが言った。


「ちょっと待って、私にそんな社交的な事できるわけないじゃない。」

カタリナが慌てて言った。



【次回予告 】

零達が闇の世界と戦う。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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また読んでもらえることを楽しみにしています。

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