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フェスとカタリナ

「はい。毎日お湯を湯船に流し込む時に塩ができるのです。」

筆頭財務官バルトロが嬉しそうに言った。


カタリナとセレスティアは暫し唖然としたが、セレスティアがカタリナに目配せをした。


カタリナが目を閉じて両手を給水口の裏側の管にかざした。


カタリナの両手が魔力に満ちた。


「何これ!何もない!」

カタリナが怒りながら言った。


「鑑定防御か!?」

セレスティアが言った。


「違う。鑑定防御なら私にはそれがわかるわ。これは鑑定防御なんて使ってない。」

カタリナが言った。


「では何なのだ?」

セレスティアが言った。


「わからないのよ。ここに管があるのに、魔法鑑定では何もない事になってるのよ。何なの、これ。」

カタリナがキレて言った。


セレスティアは筆頭財務官バルトロを睨んだ。


「あわわわ、…私にはこれ以上の事はわからないのです。」

筆頭財務官バルトロは怯えながら言った。


文官は今度は銭湯の中にセレスティアとカタリナを連れて来た。


「銭湯の効能なのですが。何回か入浴すると痛みやキズや病気が回復するというのです。」

文官がセレスティアとカタリナに言った。


「何だそれは。だまして銭湯の客を集めているのか?」

セレスティアが言いながらまた筆頭財務官バルトロを睨んだ。


「嘘ではございません。本当に治るのです。」

筆頭財務官バルトロが怯えて言った。


「調べてみるしかないわね。」

カタリナが言った。


セレスティアとカタリナが湯船に浸かっている。


「良い湯ね〜」

カタリナが言った。


「そうね。でもわざわざ湯に浸からなくても、お湯を調べれは良かったのでは。」

セレスティアが言った。


「ははは、いいじゃない。気持ち良いんだし。相変わらず真面目ね〜」

カタリナが笑いながら言った。


「それで何かわかったのか?」

セレスティアが言った。


「…わからない。白銀の塩の時と同じ。お湯の成分は分析できてるけど、治癒の効能も何もない。」

カタリナが言った。


「…でも変だな。少し体が楽になってる。」

セレスティアが言った。


「私も。魔力がほんの少しずつ上がっていってるのがわかるわ。」

カタリナが言った。


「シルビア王女の時もそうだったが、魔力をいっさい感じられない。一体何なんだろう…」

セレスティアが湯に魅了されながら言った。


「当たり前だ。お前達ごときに主の魔法がわかるわけないだろう。」

湯船につかっているフェスが言った。


「貴様!ここで何をしている!?」

セレスティアが思わず立ち上がって身構えて叫んだ。


「あぁ?何してるって、風呂に入ってるに決まってんだろ。」

フェスが湯船に浸かったまま言った。


「王宮で突然無法者共に襲われて、無駄な汗をかいたからなぁ。」

フェスが独り言の様に言った。


「零の仲間じゃん、騎士長に殺されかけてた、確かフェス?冷や汗かいたんじゃないの?」

カタリナが言った。


「ああ!殺られかけてないわ!冷や汗など流してないわ!」

フェスが立ち上がった。


その時、カタリナが何かに気づいて、驚いたように振り向いた。


「ここで暴れたら零様のお叱りを受けるぞ。」

カタリナの振り向いた先にいたリラが言った。


リラも目を細めて湯船に浸かっている。


セレスティアはリラが喋るまで気配を察しなかった。


「驚いた。あんた達本当に気配がないわね。」

カタリナが苦笑いで言った。


「お前達がいるという事は零殿もいるのだな。」

セレスティアがフェスに言った。


「…お前には言わん。」

フェスが言ってぷいと横を向いた。


「…そうか、いるのか。」

セレスティアが呟いた。


フェスが怒った顔でセレスティアを睨んだ。


「ギャハハ、フェスあんたわかりやすいね〜そんなだから騎士長に負けるのよ。」

カタリナが笑いながら言った。


「負けてないわ!何度も言うな!お前こそ主に氷魔法を消されてたではないか。」

フェスが言った。


「ぐっ、あれはまだ本気出してなかったのよ。様子見よ、様子見。」

カタリナが言い返した。


「ちょっと、あの白銀の塩、どんな魔法で作られてるのよ?」

カタリナがフェスに聞いた。


「ふん、お前には言わん。」

フェスは笑いながら言って目をつむった。


「…あなた、どんな魔法なのか、知らないわね。」

カタリナが言った。


フェスの目をつむったままの顔がぴくぴく引き吊った。


「図星か…」

セレスティアが呟いた。


「お前!魔法士のくせにわからなかったんだろ!主の魔法がお前ごときにわかってたまるか!」

フェスが言った。


「な、何〜!」

カタリナが悔しそうに言った。


「フェス、零様が風呂から上がったぞ。いつまでも遊んでいるな。」

リラが言って湯船から出た。


「わかっている!」

フェスも言って湯船から出た。


セレスティアは暫く考えている。


「…カタリナ、私は先に出る。」

言ってセレスティアは湯船を出た。


セレスティアが銭湯を出ると前を零達が歩いていた。


「零様、あの女つけて来てます。」

リラが言った。


「そうだね。」

零が笑顔で言った。


「お許し頂けましたら、我が倒してきます。」

フェスが言った。


「やめなさい。」

零が止めた。


【次回予告 】

近衛騎士セレスティアが孤児院に。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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