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アルベール国王

「何をしておる!」

アルベール国王が大声で叫んだ。


アルベール国王の後には、セレスティアと他2人の近衛騎士がいる。


近衛騎士達が一斉に剣を背中におさめて片膝をついた。


零の側に倒れてる近衛騎士と騎士長レグルスは動けないままでいた。


「あ、主…動けません。」

フェスが言った。


「もう斬りかかったら駄目だよ。」

と零は言いながらフェスとリラの粒子を解除した。


「あなたも、もう僕達を殺さないで下さいね。」

と騎士長レグルスに言いながら、零は近衛騎士と騎士長レグルスの粒子を解除した。


粒子で拘束されていた騎士長レグルスと近衛騎士も国王に片膝をついた。


「レグルス、これは何の騒ぎだ。」

アルベール国王が騎士長レグルスに言った。


「はっ、この者達に記憶消去の魔法をかけましたが、通用せず、やむを得ず…」

騎士長レグルスが答えた。


アルベール国王が零を見た。


零に向って歩き出した。


「王よ。お待ち下さい。あの者達は危険です。」

騎士長レグルスが言った。


「よい。」

アルベール国王は言いながら零に近づいた。


フェスとリラが零の前に出た。


「2人とも、大丈夫だよ。」

零は言いながら2人の前に出た。


国王が零の前に立った。

零を暫く見ている。


零も真っ直ぐ国王を見た。


突然、国王が零に片膝をついた。


「娘のシルビアを助けてくれた事、心から礼を言う。」

国王が言った。


近衛騎士達がアルベール国王の言動に動揺して立ち上がった。


フェスとリラも目を丸くしている。


零も片膝をついた。


「間に合って良かったです。」

零が笑顔で言った。


「それと騎士達の振る舞いを許してくれ。あの者達は王国を思うあまり、この様な手段を用いてしまった。」

アルベール国王が謝罪した。


近衛騎士達も一斉に片膝をついた。


「僕も仲間達も派手に暴れたのでお互い様です。それに時間がなかったとはいえ、僕達も突然現れたわけですから。」

零が言った。


「そうか。謝罪を受け入れてくれたのであれは、お礼に夕食に招待したい。シルビアの回復祝だ。」

アルベール国王が立ち上がりながら笑って言った。


「はい、ありがとうございます。でもユーリ王子とセレスティアさんを連れて、慌てて王宮に来たもので、領都バルセーヌで隊長のオーエンさんが怒って、いや心配しているかと思うので、一旦帰ります。」

零が苦笑いで言った。


「ははは。オーエンが怒っておるか。確かにな。責任感の強すぎるあ奴なら騒ぎ立てておるだろう。わかった。そうするがよい。」

アルベール国王が笑顔で言った。


「王女が元気になったので、ユーリ王子は領都バルセーヌに戻る必要はありませんから、セレスティアさんともう1人誰かオーエンさんに説明してくれる人について来てもらえれば助かるのですが。」

零が言った。


「そうだな。レグルス、誰か1人ついて行かせよ。」

アルベール国王が言った。


「はっ。カタリナ、行ってくれ。」

騎士長レグルスが言った。


「えっ!?私?本当に、何で?」

カタリナが驚いて言った。


カタリナは氷の上位魔法アブソリュート・ゼロを使って零に溶かされた近衛魔法士である。


「カタリナさん、よろしくお願いします。」

零が言った。


「では国王、今日はこれで失礼します。セレスティアさん、カタリナさん、行きます。」

零は言いながら粒子に転移を命じた。


零達とセレスティアとカタリナはその場から消えた。


「見事な引き際よな。」

アルベール国王が笑いながら言った。


騎士長レグルスは黙っている。


「レグルス、あの者共に勝てるか?」

アルベール国王は真顔になって言った。


「護衛と名乗っている者共であれは勝てるかと。」

騎士長レグルスが言った。


「妙な言い方をするな。護衛と名乗っていると言うのは、どういう事だ。」

アルベール国王が聞いた。


「…あの護衛の2人を守っているのが、少年の方なのではないかと。」

騎士長レグルスが答えた。


「ふむ…治癒魔法を使い、王国最強の近衛騎士団を翻弄した少年か…」

アルベール国王が言った。


「面目ありません。」

騎士長レグルスが頭を下げた。


「よい。…わざわざ危険を冒してシルビアを助けてくれたあの少年。帝国や共和国の間者ではあるまい。あの者の素性、いや全てを調べさせねば。」

アルベール国王が言った。


零達は領都バルセーヌの領主代行ボルターの屋敷の廊下に粒子の転移で戻った。


案の定、応接室では領主代行ボルターは騎士団隊長のオーエンに詰問されている最中だった。


「じゃ僕達はこれで。オーエンさんの事、お願いします。」

零は言ってまた粒子で転移した。


セレスティアは何か言おうとしたが、零達の方が素早く消えた。


やむなくセレスティアとカタリナは応接室に入った。


「おお、セレスティア様。ご無事でしたか。ユーリ王子は?王子はどうされました?カタリナ様、いつここに来られたのですか?」

隊長オーエンが安堵しながら言った。


「オーエン、ユーリ王子は無事だ。王子は役目を果されたので王宮に帰られた。」

セレスティアが言った。


「帰られた?どのように?我ら護衛もなくですか?」

隊長オーエンが驚いて聞いた。


セレスティアは困った顔をした。




【次回予告 】

騎士団隊長オーエンの説得と銭湯。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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