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非公式訪問

零は女騎士を粒子で鑑定した。


近衛騎士・セレスティア。

ランクAで体力は9000でフェス、リラより上、魔力は7000でリラより少し上、剣技は8000でフェスより少し上だ。


『そうだね。王族を守護する直属の護衛の近衛騎士だ。王国の最上位の剣士だね。2人と同レベルだ。』

零が念話で2人に伝えた。


「私達も零殿と事を構える気はありません。私は近衛騎士セレスティアと言います。以後お見知りおきを。」

セレスティアが言った。


セレスティアは馬車から離れようとはしない。


馬車には余程の重要人物がいるのだろう。


「私達は領主交代の件で王都から参りました。これから執政長官の屋敷に行く所です。零殿にもご同道頂きたいのですが。」

セレスティアが零に言った。


「…わかりました。」

零が言った。


「ありがとうございます。こちらの馬車にお乗り下さい。」

セレスティアが自分の乗っていた馬車を指して言った。


「駄目だ。お前の乗る馬車に主は乗せられん。」

フェスがセレスティアを睨んで言った。


セレスティアも暫くフェスを睨んだ。


「わかりました。少しご無礼にはなりますが、後の文官の乗る馬車に護衛の方とお乗り下さい。」

セレスティアが言った。


「わかりました。こちらこそ仲間が無礼な事を言いました。」

零が笑顔で言って後の文官の馬車に乗った。


「リラ、お前が馬車に乗れ、我は馬車の外を歩く。」

フェスが言った。


リラは黙って頷いて零の後から馬車に乗った。


王都からの使者の一行は執政長官ボルターの屋敷に入った。


玄関には筆頭執政官ボルターと筆頭財務官バルトロが王都の使者の一行を迎えに出ていた。


「零様!あの件をお考え直して頂けたのですか。」

零が馬車から降りてきたのを見て筆頭執政官ボルターは歓喜して言った。


「いえ、違いますから。」

零が苦笑いで言った。


零の乗った馬車から文官も降りた後、セレスティアが馬車から降りた。


セレスティアは周りを見回し、フェスとリラをチラッと見て、馬車の入り口に手を差し出した。


セレスティアが差し出した手をとって、高貴な服を着た若者が降りてきた。


零が粒子で鑑定した。


『王国の第四王子、ユーリ王子だ。』

零がフェスとリラに念話で伝えた。


2人は少し驚いた顔をした。


「こ、これはユーリ王子!」

筆頭執政官ボルターが驚いた声を上げて片膝をついた。


「ボルター卿、王子は非公式で来られている。仰々しくされては困る。」

セレスティアが言った。


「そ、そうなのですか。わかりました。」


ユーリ王子と一行は屋敷の中に入った。


早速、広間で王都からの領主交代の手続きが行われた。


これでバルセバル領は王国の管理下になり、領主代行として筆頭執政官ボルターが治める事になった。


零達はテーブルの端に座ってその様子を見守っていた。


セレスティアから何か耳打ちを受けたユーリ王子が零達の方へ来た。


「その方が零か。予はユーリ・フォン・グランバルトだ。」

ユーリ王子が言った。


「はい。零です。」

零が答えた。


「零、その方に話がある。」

ユーリ王子が言った。


「はぁ…」

零が不思議そうに答えた。


「ボルター、零と内々に話がある。部屋を用意してくれ。」

ユーリ王子が言った。


領主代行ボルターから応接室に通されてユーリ王子とセレスティア、零とフェスとリラの5人になった。


「治癒の魔法を使うと言うのは本当か?」

ユーリ王子が零に聞いた。


「…はぁ、まぁ…」

零があやふやに返事した。


「先程ケガをした騎士を一瞬で治癒させました。」

セレスティアが言った。


「零、本当か?」

ユーリ王子が聞いた。


「…はい。」

零が答えた。


ユーリ王子がセレスティアを振り返った。


セレスティアが頷いた。


「零、妹を助けてくれ。」

ユーリ王子が言った。


零の顔色が少し変わった。


『粒子、ユーリ王子の妹を探索。』

零が頭の中で粒子に命じた。


粒子の画面が現れた。


ユーリ王子の妹は王宮の中にいるようだ。


『なんだ、王宮の中にいるのか、助けてって、病気か?粒子、ユーリ王子の妹を鑑定。』

零が頭の中で粒子に命じた。


「なっ、魔族化か!?」

零が驚いた目でユーリ王子を見て、セレスティアを見た。


「何故それを!?」

セレスティアが立ち上がって剣を持った。


フェスも立ち上がって狼牙剣を出した。


「フェス!駄目だよ!そんな事してる場合じゃない!シルビア王女の余命はあと数時間だ。すぐに治さないと。ユーリ王子、セレスティアさん、シルビア王女の所に行かなくちゃ、王宮に転移するから。フェス、リラ、病室には近衛騎士がいるから僕を守って!」

と言いながら零は王宮に粒子で転移した。


同時刻、王宮のとある一室。


左腕が魔族化している少女、シルビア王女がベッドに寝かされて、意識がなく、呼吸も小さくなっている。


ベッドの横で王妃がシルビア王女の右手を握って涙を流している。


その横にはアルベール国王が涙を浮かべている。


アルベール国王の後には第三王子のレナードが沈痛な面持ちで立っている。


その後に近衛騎士5人がいる。


ベッドの左側には治癒魔法士が魔法治療を施しているが効果がない。


「シルビア…」

王妃が泣きながらシルビア王女の耳元で言った。


そこに零達が転移して来た。


治癒魔法士の横に零が、その横にフェスとリラ、ベッドの足元にユーリ王子とセレスティアが突然現れた。



【次回予告 】

王国最強・近衛騎士団との戦闘。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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