戦い決着
しかし魔族兵は目だけが動いて何も言えない。
「僕の仲間がお前達に怒っているから。」
零が言った。
「貴様!何の魔法を使った!お前達殺れ!!」
小隊長ギルザは残り2人の魔族兵に命じた。
しかしその2人は既に固められていた。
「くそ〜!魔物どもこいつを殺せ!!」
振り返って魔物部隊の本隊の魔物達に命じた。
しかし700体の魔物達も全て固められて動けなかった。
そして700体以上の魔物達の首が一斉に斬られた。
「うわ〜何だこれは〜」
小隊長ギルザが叫びながら腰を抜かした。
「主、遅くなりました。」
フェスが血の付いた狼牙剣を引っ提げて現れた。
「うん。魔物を倒してくれてありがとう。」
「はっ。」
フェスが頭を下げた。
「主、こいつですか。」
フェスが腰をぬかして座り込む小隊長ギルザを見下して言った。
「うん。約束通り残しておいたよ。」
零が言った。
「ありがたき幸せ。」
フェスが言った。
「お前が先鋒隊を倒し…」
言い終わらぬうちに小隊長ギルザの首が飛んだ。
「我らが森を汚しおって。主、終わりました。」
フェスが言った。
「うん。」
零が言った。
この時リラが闇の中から現れた。
「零様、魔物を全て片付けました。」
リラが言った。
「リラもありがとう。助かったよ。」
零が言った。
「はっ。」
リラも頭を下げた。
零はフェスとリラと3人で森の入り口の魔物の遺体が散乱している手前に粒子で転移した。
森の入り口には村の守備隊や冒険者達が集まっている。
「フェスとリラはここから村まで帰って。僕は先にいくから。」
零は言って粒子で転移した。
零は村人の避難場所の手前に転移し、避難場所まで歩いて行った。
「村長、2人が魔物を倒したようです。」
零が村長グスタフに言いながら、村人全員の粒子の囲みを解除した。
「300体を超える魔物を全て倒したというのですか。」
村長グスタフが言った。
聞いていた村人達もざわついた。
「はい。もう大丈夫です。」
零が言った。
「また村を救って頂き何とお礼申し上げれば、本当にありがとうございます。」
村長グスタフが言った。
「お兄ちゃん、フェスさんは大丈夫?」
村長の娘リーネとコットが零の所に来て不安そうに言った。
「うん、大丈夫だよ。」
零が笑顔で言った。
2人も笑顔になった。
ギルド長カトレアが零の顔を見ている。
「どうしました?」
零がギルド長カトレアに聞いた。
「森の入り口付近にいた魔物は1体1体、凄い勢いで気配を消していきました。護衛のお2人が倒したのでしょう。しかしその奥にももっと多くの魔物がいたような気配がしたのですが、その気配が…」
もっと多くの魔物が一瞬で気配を消したとギルド長カトレアは続けたかったが、本能的にそれを零に、口に出して言うべきではないと思いやめた。
零は少し笑って首をかしげた。
「いえ、すみません。それより護衛のお2人が、またこの村を守って頂きありがとうございました。」
ギルド長カトレアが言って頭を下げた。
「村に被害がなくて良かったです。」
零が言った。
フェスとリラが森の奥から出てくると、守備隊や冒険者が倒された300体の魔物を検分していた。
「フェス殿、リラ殿ご無事でしたか。」
守備隊隊長イグニスが2人に走り寄ってきた。
「またもや村をお救いくださり、ありがとうございます。」
隊長イグニスが言った。
「いえ、村が無事で良かったです。」
リラが言った。
フェスは関心なさげに知らんぷりしている。
「あの、こんな時なんですが、お2人が倒したこの魔物はどうされるのですか?」
隊長イグニスが言いにくそうに言った。
「え?どうするとは?」
リラが聞き返した。
「これだけの数の魔物の解体やその素材等、お2人で行うには難しいのではと。」
隊長イグニスが言った。
「あぁ、ちょっと考えさせて下さい。」
リラが言った。
『零様、イグニスが倒した魔物をどうするのかと聞いていますが。』
リラが念話で伝えた。
『魔物の200体分は村にあげて。その代わりに、残りの100体分を買い取ってもらう事と魔物全部の解体をお願いして。』
零が念話で返した。
『はっ、わかりました。』
リラが念話で零に応えた。
リラは零に言われた事を隊長イグニスに伝えた。
「に、200体も村にいただけるのですか?!」
隊長イグニスが驚いて言った。
「はい。」
リラが言った。
「村を助けて頂いた上に200体ものハイレベルな魔物をいただけるなんて。」
『ハイレベル?雑魚じゃねえか。』
フェスが念話でリラに伝えた。
リラは少し笑った。
隊長イグニスはリラが少し笑ったのを見て首をかしげた。
「失礼。では解体の件お願いします。」
リラは隊長イグニスに言った。
「はい、わかりました。」
隊長イグニスが言った。
「私達は主様のもとに戻らねばならぬので、これで。」
リラが言った。
「あぁ、そうですね、それにお2人ともお疲れかと思いますので。」
隊長イグニスが言った。
「この程度で疲れたりせん。」
フェスが突き放すように言った。
隊長イグニスは又首をかしげた。
『あまりいじめてやるな。』
リラが念話でフェスに伝えた。
フェスは隊長イグニスに背を向けて村へ歩き出した。
「お心遣いに感謝する。失礼。」
リラが隊長イグニスに言ってフェスの後に続いた。
【次回予告 】
粒子に新たな能力。領都からの使者。
物語を読んでいただきありがとうございます。
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