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帝国軍開戦

1週間後。


ウライア王宮、応接室。


ギルド本部長ダイラルクは息子ベリラスを連れて零を訪ねた。


応接室では零達とシルビア王女とイザベラ王女とその護衛騎士達が迎えた。


「お初にお目にかかります。ダイラルク子爵が子息ベリラス・ド・マドニラルと申します。」


零はイザベラ王女とシルビア王女に本部長の息子ベリラスの事を話している。


「シルビア・フォン・グランバルトです。貴方が生きておられて本当に良かった。」


「イザベラ・ドゥ・イタリウスです。零国王からお話しを聞いて、貴方にお会いできるのを楽しみにしていました。」


「勿体ないお言葉。私は零国王のお申し出を大変ありがたく思い、ウライアの民の為に働かせて頂きたく思います。」

本部長の息子ベリラスが言った。


「ありがとう、ベリラスさん。」

零が笑顔で言った。


「畏れ多いのですが、私の事をゼノヒィス皇帝にお話して頂きたいと思います。」

本部長の息子ベリラスが言った。


「ベリラス殿、皇帝もきっと喜ばれると思います。」

イザベラ王女が笑顔で言った。


「じゃ、この事をすぐに皇帝に伝えましょう。」

零が笑顔で言った。


その1週間後。


皇宮謁見の間にギルド本部長ダイラルクと息子ベリラス、零達は招かれた。


謁見大卓でゼノヒィス皇帝、イザベラ王女、フレリック将軍が迎えた。


「我が帝国ゼノフィス皇帝の妹君故ルシーナ王妃の忘れ形見の話を零国王から伺った。」

一通り双方の挨拶の後、フレリック将軍が口火を切って、ギルド本部長ダイラルクに言った。


「はい。私がレンドスキ前国王からお預かりしました。失礼します。」

ギルド本部長ダイラルクが答え、懐から短剣を出した。


短剣には前ウライア王家の家紋が記されている。


「あらためてよろしいか。」

フレリック将軍が言って、短剣を手に取って見た。


その後、皇帝に差し出した。


「皇帝?」

フレリック将軍は少し驚いてゼノヒィス皇帝の顔を見た。


ゼノヒィス皇帝は目に涙を溜めて、本部長の息子ベリラスを見つめている。


「目元や口元がルシーナと瓜二つじゃ。」

ゼノヒィス皇帝の目から涙がこぼれた。


「ルシーナ王妃をお守りできず、私は皇帝に拝謁できる立場ではありません。」

本部長ダイラルクが沈痛な面持ちで言った。


「何を言われる、ダイラルク子爵。よくぞ我が妹ルシーナの忘れ形見を守って、ここまで立派に育ててくれた。感謝する。」

ゼノヒィス皇帝が言った。


「ありがたき、お言葉…」

本部長ダイラルクが涙を浮かべて言った。


「零国王、ウライア前王家の血筋が現れれば、将来困難な事が起こりかねん。なぜ儂にこの事を明かしたのだ?」

ゼノヒィス皇帝が聞いた。


「はぁ、そうかもしれませんが…ベリラスさんがウライアの民の為に働くのがいいのかと思いましたし、何よりイザベラ王女や皇帝に家族が1人増えるので、喜んでくれるんじゃないかと思ったんです。」

零が笑顔で答えた。


フレリック将軍は驚いた顔で零を見た。


皇帝はイザベラ王女を見た。


「イザベラ、良き方を婿に選んだ。」

ゼノヒィス皇帝は笑顔で言った。


「はい。」

イザベラは笑顔で返事した。


同じ頃。


共和国のギルリス領の城壁から3キロ手前に帝国軍兵3万人が集結した。


ギルリス領の領兵は5千人で籠城策を取るしかなかった。


帝国軍仮本陣。


「ギルリスは籠城か。我が帝国軍には籠城など無意味。行くぞ。」

帝国軍副将軍ベリンラルが言った。


「はっ!」

伝令兵が仮本陣を飛び出そうとした時、別の前線の伝令兵が駆け込んで来た。


「伝令!敵兵が、敵の大軍が城壁の前に現れました。」

前線の伝令兵が叫んだ。


「何!?」

大隊長ドラストラスが仮本陣を飛び出すと、城壁の前に10万人の騎士が整列している。


「何だ、あの軍勢は!?いつ、何処から来たのだ!?」

大隊長ドラストラスが叫んだ。


「ギルリスの兵か!?全兵士が騎士の装備ではないか!」

副将軍ベリンラルが叫んだ。


「城門から出て来たのか?」

大隊長ドラストラスが伝令兵に聞いた。


「いえ、突然霧が出て、霧が晴れたら大軍勢が…」

伝令兵が答えた。


「東側にも騎士兵団が!その数5万!」

東側の伝令兵が駆け込んで来た。


「西側にも!騎士兵団およそ5万!」

西側の伝令兵も駆け込んで来た。


「か、囲まれているのか…」

副将軍ベリンラルが呟いた。


「うおー」

20万人の騎士兵団は一斉に雄叫びを上げた。


騎士兵団全ての騎士が一糸乱れず同時に足を踏み鳴らした。


騎士兵団の地響で帝国軍3万人は体勢を崩した。


「ここは撤退すべきでは!」

大隊長ドラストラスが叫んだ。


「馬鹿者!撤退すればあの騎士兵団が帝国に侵攻してくるのだぞ!」

副将軍ベリンラルも叫んだ。


「急ぎ本国に援軍の伝令を!援軍が来るまでここで食い止める!」

副将軍ベリンラルが言った。


「本隊は防御の陣を敷け!先鋒隊を正面、西、東の3隊に分け、突撃させよ!本隊は敵の囲みから出る!」

副将軍ベリンラルが命じた。


先鋒隊は正面に3千人、東西に各2千人が素早く配置された。


「突撃!」


帝国軍先鋒隊は騎士兵団に突撃した。


【次回予告 】

第1期人族編最終話、帝国軍3万vs.騎士兵団20万。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


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