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共和国代表会議

1ヶ月後、アサランド共和国代表会議。


共和国では領地を対外的には国家と表現するが、内政的には領地と表現している。


「こんな…こんな事ができるなんて、おとぎ話ではないか。デタラメだ、話にならん。」

零を調べた報告書を見ながら議長メッセラスが言った。


「バルドー村で魔物300体を倒しただと。」

「この報告は本当なのか。」

「バルセバル領では魔物1000体を倒したとある。」

「王都ではワイバーン10体を倒したと書いている。」

「零国王は大賢者ともある。」

「使徒様とも書かれている。」

「ウライアで王国と帝国の兵士15000人を治癒して抑え込んだなどと…」

「女神様の奇跡を使うのか?」

他の領主達も動揺している。


零がウライアの奴隷にされた民を救出する時に、粒子で固めたカルタナ領の子爵リブザードも代表会議に参加していた。


子爵リブザードは配下の者達に、立ったままの姿勢で抱えられて会議に参加し、席の前に立ったままでいた。


「私は奴隷制度に反対する!今後一生かけて奴隷制度に反対する!」

突然、子爵リブザードが涙を流しながら叫んだ。


叫んだ後、粒子の固定が解除され、子爵リブザードは崩れるように倒れた。


「リブザード殿、どうされたのだ!」

会議の参加者達は驚いて総立ちになった。


「零国王の魔法、いや、呪いだ。私はあの方に逆らわない。」

子爵リブザードは解放された喜びと、まだ残っている恐怖で顔を引きつらせ、涙を流しながら笑って言った。


子爵リブザードは配下の者達に抱えられてそのまま会議室を出た。


会議室は暫く沈黙した。


「…リブザード子爵の事は、後で事情を聞きにいこう。議題に戻る。ウライアの問題だ。」

議長メッサラスが言った。


「帝国と王国が停戦して、両国が零国王にウライアを譲渡したとある。」

セルシアス領男爵ロールズが言った。


「零国王の婚約者は王国のシルビア王女と帝国のイザベラ王女なのであろう。泥沼の紛争を終わらせるには譲渡は妙案だったな。」

ギルリス領子爵アロンズが言った。


「今ならウライアを攻め落とせるだろうが、帝国、王国の両国と同盟を結んでおる。」

クチロア領子爵キリアルトが言った。


「ウライアを攻めれば王国と帝国を相手にせねばならん。今まで以上に勝ち目はない。」

スバロス領子爵ベンガロスが言った。


「零国王が突然お亡くなりになるのを祈るというのはどうです。」

モフトネロ領子爵ケンデラルが言った。


「暗殺か…」

北クチロア子爵カルロスキが呟いた。


「物騒な事は言わないでもらいたい。ギルドで誰か強者をご紹介いただきたい。」

子爵ケンデラルが言った。


「ギルドは暗殺など致しません。」

マドニラル領ギルド本部長子爵ダイラルクが言った。


「暗殺など以ての外です。私はただ護衛に強者をご紹介頂きたいとお願いしているだけです。」

子爵ケンデラルが言った。


「この報告書を作ったのはギルド本部ですか。」

教会の聖女クリスティーナが聞いた。


「…はい。」

ギルド本部長ダイラルクが答えた。


「女神様の奇跡について詳しく知りたいのですが。」

聖女クリスティーナが言った。


「聖女様、今はお控えください。私が後ほど詳しくお聞きします。」

枢機卿ジートスが言った。


聖女クリスティーナは目を瞑った。


「それではウライアについては暫く様子をみましょう。零国王が末永くご健勝である事を祈って。」

議長メッサラスが笑って言った。


共和国代表会議は閉会した。


10日後の夕刻。


アサランド共和国領ヘルーナスとグランバルト王国領ボスノアの国境付近。


枢機卿ジートスの追手の5頭の馬に追われる、同じく馬で走る聖女クリスティーナの使者リステス。


使者リステスはヘルーナス領からボスノア領に逃げ込んだ。


枢機卿ジートスの追手は国境を越えても手を緩めず、矢が使者リステスの馬に当たった。


使者リステスは落馬したが、上手く受身をとって、剣を抜いて構えた。


使者リステスの右肩には既に矢が深く刺さっている。


5頭の馬が使者リステスを囲んだ。


「リステス、ここまでだ。お前を殺すように枢機卿に命じられている。覚悟しろ。」


追手の馬上の3人が三方から弓を引いた。


使者リステスは覚悟を決めた。


弓を引いていた2人の首が飛んで、1人の右腕が飛んだ。


粒子で転移して来たフェスとリラとセレスティアが射手を斬った。


右腕を飛ばされた射手から矢が放たれていた。


使者リステスの前に零とカタリナが粒子の転移で現れた。


零は使者リステスを治癒し、カタリナが結界魔法を張った。


放たれた矢がカタリナの結界に当たる寸前に、見えない速さで移動したフェスが矢を掴んだ。


「ちょっと!危ないでしょ!ちゃんと倒しなさいよ。」

カタリナが怒って言った。


「我ではないわ!」

フェスが怒って言った。


「カタリナすまない。」

セレスティアが謝った。


セレスティアは射手を生かしておこうとしたが、射手は右腕を斬られながらも矢を放ってしまった。


「もう治りました。」

右肩に深い矢傷を受けていた使者リステスを治癒させた零が言った。


【次回予告 】

教会枢機卿の陰謀。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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