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戦慄のアウディート  作者: 亥BAR
第四章 魔智の仲間
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魔智の仲間(2)

「あの時……、やっぱり何かいた」


 そして、デビルはそんな事を呟いたのだ。何の事か分からず小さい手で柵を握り締めているデビルの事を遠目で見ていたが、その姿を見て質問する。


「何のことだ?」


「炎に囲まれたとき、あのライオン、姿消した」

「ああ、確かに消したな。あのライオン、瞬間移動的な能力でもあるのか?」


 もたれかかった体を起こしデビルの横に着くと、デビルは淡々と語り始めた。


「恐らく違う。わたしにはライオンが消える時、何か横切るのが見えた気がした。遥かに高速で地球人レベルの動体視力では捉えられないと思う。アウディーターなら別だけど」


「……、そいつぁライオンとどういう関係ある?」

「恐らく、そいつがライオンを抱えて逃げた」

「…………そいつはアウディーターなのか?」


 デビルはしばらく黙ると尻尾を動かし始めるが、その尻尾もピタリと止まる。


「いや、違う。多分、ライオンと同じタイプ。何者かは分からない」


「そっか…………」


 アウディーターとはまた別の存在。そいつが一体どういう存在なのか分からないが少なくとも奴らは力を持っていると言う事は確かだ。力を持つと言うのであれば何者であろうとも大歓迎。魔智が望む世界には力のある物が必要だ。興味がある。もし、共に夢を見ることが出来る仲間になって貰えるならば願っても無い事でもある。


「デビル。そいつ、アウディートと同じように探すことぁ出来るのか? 気配とやらで」

「……一応、ライオンの中にもアウディートに似た力はあった。集中と時間は有するが見つけられない事も無い。でも、探してどうするつもり?」


「出来れぁ直接会って話してみたい。奴らの目的とかも知りたいしな」

「そう、分かった。探せばいいの?」

「ああ、頼む」


 するとデビルは目を閉じ尻尾がまたうろうろと動き始める。集中しようとしているのだろう。その姿をただ黙って見ようと思ったのだが、ふと気になった。


「なあ。ドラゴン、あいつも同じようにそいつらぁ探し出すこと出来るんだよな?」


 デビルは沈黙していたが、目を開け紫の瞳を光らせるとこちらに目を向けてきた。


「集中途切れた」


「あ……、わりぃ」


 冷たい目で来たのでちょっと恐縮してしまう。だが、デビルは小さく口を動かした。


「ドラゴンか……、それは無理」

「え?」


「ドラゴンにライオンらを見つけるのは不可能。ドラゴンはわたしより劣る。多分、アウディートがこの街のどこかにいるかどうかぐらいしか分からない。わたしすら見つけることは出来ないはず。ましてや、アウディートとは異なるものは無理」


「……、要するにアウディートの中じゃ落ちこぼれって訳か?」

「宿主は優秀」


 そんな風に淡々と語るデビルの頭にポンと手を置いた。予想よりもずっとサラサラできれいな白銀髪のショートヘアを撫でる。


「そいつぁ皮肉だな。そして、ちっこぃデビルぁ優秀か。えらいでちゅね~」


「……え、気持ち悪い……」

「……悪かったよ。軽いジョークだ……」


 ちょっと可愛いデビルを子ども扱いして見たかっただけなのに、普段表情を見せないデビルに確かに嫌そうな顔をされたのでは手を下げるしかなかった。


「集中するから黙って」


 デビルがそうピシャリと言い切ると再び柵の方により集中し始めたのだが、そんなデビルの後ろに立って肩に手を乗せた。


「いや、今日ぁもい。ドラゴン探せんさげ、明日で問題ねえべ」


 そう言うとデビルが首だけ曲げて上目線でこちらを見てくる。さっきのセリフはちょっと訛が強かったことに気づき、ごまかすようにしゃがみ込みデビルと同じ目線にする。振り返るデビルの頭をポンポンと数回撫でた。


「それに、も今日ぁ遅い。子供は寝る時間だ」

「……………………」


「な?」


 デビルと言う幼き子供の頭をポンポン撫ででいると、ゴファ!? まさかの裏拳、繰り出してきたよ、この子!?


「魔智、方言使ってしまったのを今、ごまかした」


「分かった。悪かった。だから、尻尾で何度も突き刺すのやめてくれ、地味に痛い」

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