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リブートライフ  作者: フロ
黒薔薇の洗礼
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第8話:魔大陸イントゥーラス


9時間を歩き続けた末に、俺たちはようやく魔大陸イントゥーラスの地に足を踏み入れた。

見上げる空は地球のそれとは異なり、不気味な紫色の雲が渦巻いている。この世界は球体ではなく三角形의 形をしており、ここ魔大陸イントゥーラス、中央大陸カーネギー、神大陸アスランがそれぞれの頂点をなしているという。足元の土は赤黒く、まるで乾いた血のようだ。サボテンのような奇妙な植物が点在する荒野の空気を吸い込みながら、俺たちはひとまず周辺の村で食料を調達することにした。


「ティア先生、お腹すいたんですけど。もう一歩も歩けません」

アレクシアが、細い肩を落としながら不満げに呟いた。


「少しだけ我慢してください。村に入れば、温かいスープくらいはありそうですから」

ティアが苦笑しながら言った。正直、俺もお腹がすいて限界だった。早くどこかの宿に入って何か食べたい。行き交う異形の旅人たちが、露店で売られている怪しげな肉をなぜあんなに美味しそうに食べているのか不思議でならない。俺も早くまともな飯にありつきたい。


「先生、あそこに人が集まってるところ、何か美味しそうな匂いが──」

俺がその場所を指差して言葉を発した、まさにその瞬間だった。

人だかりの隙間から目の前に広がった光景。それを見た瞬間、俺の思考は完全に停止した。俺の新しい人生は、もしかすると前世のひきこもり生活よりも、遥かに悲惨で過酷かもしれない。


そこに転がっていたのは、銀髪の、冷たく冷え切った死体だった。

あちこち無残に引き裂かれた服、鋭い刃物で深く貫かれた胸元、 tenderly そして赤黒い血に染まった衣服。

間違えるはずがない。それは、この世界で俺을 無条件に愛してくれた唯一の存在。俺の母、シルフィアだった。


「なぜ…どうして…母さん…」

なぜこんなことに? なぜこんな優しい人が死ななければならないんだ? なぜこんな残酷なことが起きる?

どうして? 俺は、俺たちは何も悪いことをしていないのに。どう해서 어떻게 어떻게 어떻게!?

目の前が真っ暗になり、激しい耳鳴りが頭を支配する。俺は精神を保ちきれず、ショックのあまりその場に卒倒した。


***


「はっ!」

勢いよく跳ね起き、冷や汗を拭った。最悪の悪夢だった。俺もシルフィアと同じように、胸を貫かれて無残に死ぬ夢だ。バクバクと激しく打つ心臓を押さえながら、息を整える。


「ここは…どこだ?」

鉛のように重い体をなんとか起こした。見覚えのない木製の扉を開け、外へとトボトボと歩き出した。どうやらリビングのような場所의 ようだ。頭がまだ働かないまま、隣にある別の部屋の扉をそっと開けて中に入った。

その時、俺の視界に飛び込んできたのは──。


「ひえっ!」

着替えの最中だったのか、下着姿のティアだった。

しかし、悲しいかな。俺の脳はシルフィアの死によるショックがあまりにも大きすぎたせいで、何の感情も湧かず、ただ呆然と幽霊のように固まっていた。


「し、閉めてください!!! すぐに!!! どこを見てるんですか!!!」

部屋中にティアの悲鳴が響き渡る。


「あ…なんでですか?」

思考回路が完全にショートしており、何が悪いのかさえ分からなかった。


「そ、それは着替えている最中だからですよ!! 早く出て行ってください!!」

数秒遅れて、ようやく状況を理解した。


「す、すみません!」

俺は慌てて部屋の扉をバタンと閉め、廊下へと飛び出した。

それからおよそ30秒後、服を整えたティアが、顔を真っ赤にして怒りながら出てきた。


「まったく…相手がガキだから今回だけは許してあげます。次はありませんからね!」

痛烈な拳骨が俺の頭の上に容赦なく振り下ろされた。小さな手からは想像もつかないほど、威力はなかなかのものだった。痛みに頭を押さえながら、俺の口から無意識に言葉が漏れ出た。


『パンツ……』

惜しい。脳が完全にフリーズしていて、一体何色だったのかハッキリと見えなかった。いや、今はそんなくだらないことを考えている場合じゃない。


俺は宿の窓から見える荒涼とした夜空を見つめた。シルフィアを殺した奴を、この世界の果てまで追い詰めてでも絶対に突き止めてやる。おそらくだが、シルフィアは前世のろくでもない親よりも、俺にとって遥かに大切な存在だった。前世의 親は、俺がひきこもりになった理由すら一度も聞きもせず、ただ重荷として扱い、挙句の果てにはこの家から出て行けと言い放った。

だが、シルフィアは違った。俺を温かく抱きしめ、人として接してくれた、心から尊敬できる最高の母親だった。

「母さん、約束する。お前たちを、絶対に地獄へ送って復讐してやる」

暗闇の中で、俺は静かに、しかし燃え上がるような怒りを胸に誓った。


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