↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リブートライフ  作者: フロ
黒薔薇の洗礼
PR
31/52

第30話:何一つ変わらない日常


「うへへ……」


ティアがようやく目を覚ました。かれこれ15時間ほど眠り続けていた。


「うぅ……頭が痛いです。ユウカワ、ヒーリングをお願いします……」


「魔法を教えてくれるならいいですよ」


私はすかさず自分に利益のある条件を提示した。これぞ等価交換という名の、魔法習得への近道だ。


「もちろんです。ほら、早く……」


「ヒーリング!」


私の魔力が一気に吸い取られていく感覚がした。二日酔いを解消するには、それ相応の魔力を激しく消費するらしい。


「ふはぁ……っ! ありがとうございます」


ティアはヒーリングを受けると、気持ちよさそうに背中を丸めて伸びをした。さて、いよいよ教わるとしよう。


「教えてください」


「……うぅ。もうちょっとだけ、後で……」


二日酔いのダルさは尋常ではない。ここは大人しく、もう少し眠らせてあげることにした。


「ユウカワ! 始めましょう!」


アレクシアは今、ぐっすりと眠っている。起こそうかとも思ったが、そのまま寝かせておくことにした。


「はい! 今、下に降りています!」


ドレインタッチのような吸魔技術なのだろうか。早く学びたくて仕方がない。興奮が止まらない。


「今日は初級を学びます。調子が良ければ中級まで進みましょう」


おおおっ! もしかして無詠唱ができるのだろうか。私はこの異世界の主人公ポジションなのだから、それくらい出来て当然ではないか? ふぅ、緊張してきたな。大したことではないはずなのに。


「ひとまず、初級には5つの魔法があります。アクア、アイスランス、バーストフレア、ストーンレイン、ウィンドブレストです」


風属性もあったのか。


「詠唱は必要ですか?」


「……もちろん必要ですよ。最上級になれば省略することはできますが。それに、自分だけのオリジナル魔法を作ることも可能です」


私も早く最上級になりたい。それにしても、グランド級には代表的な人物として誰がいるのだろう。


「グランド級には誰がいるのですか?」


「ラグラス、オージスティール、ヒザミル、バグロール。その4人だけです」


「……」


「サクサク進みましょう。青き波紋と輝かしき小川の流れを注ぎたまえ、アクア! ……さあ、やってみてください」


ティアが杖を虚空へと掲げると、そこから水球が放たれた。いや、アクアなのか? 普通のライトノベルではウォーターボールと称されるようなものだが。

ティアが私に杖を手渡してきた。


「お、おっと……青き、波紋と……輝かしき小川の流れを注ぎたまえ、アクア!」


いささか拙い詠唱だったが、発動するだろうか。

その瞬間、杖の水晶からではなく、私の義手から水が激しく噴き出した。


「うわっ!」


びしゃあああ! と激しい水飛沫が上がり、私は思いっきり水を被ってしまった。


「義手から茨だけじゃなくて、魔法も出るんですか?」


「ジフさんが作ったものですから、私にもよく分かりません」


あのオッサン、意外と能力が高かったのだな。


「ジフさんは何級なんですか?」


「最上級です」


「ひぇっ」


てっきりティアよりも下の階級だと思っていた。あの太った体型とは裏腹に、相当な実力者だったらしい。本当に有能なオッサンだ。


「次はアイスランスを学びましょう。これは比較的短いです」


「はい」


「波紋を凍結させ、氷の美しさを誇れ! アイスランス!」


ヒュシュシュシュッ!


空から鋭い氷の礫が次々と降り注いだ。私が想像していたような純粋な魔法ではなく、物理的な攻撃魔法のようだ。


「少し難しいかもしれません。それに魔力量が不足しているなら無理はしないでください。この技術は魔力をかなり多く使いますから」


「波紋を凍結させ、氷の……美しさを誇れ! アイスランス!」


ドバババババッ——!


私の放った魔法は、ティアのものよりも少し威力の強い氷の雨だった。これに茨の能力を上手く応用すれば、なかなか面白い戦い方ができそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。