第17話:魔大陸イントゥーラス
そこには、俺好みのあらゆるメイドたちがいた。やっぱり異世界は最高だ。おまけに俺はハンサムボーイだからな。
「お一人様ですか?」
青髪の子だ。俺の嫁にしてもいいレベルの顔立ち。マジで可愛い。俺はだらしなく鼻の下を伸ばしながら答えた。
「はい。へ、へへへ」
メイドは少し引き気味に、
「あっ、あはは…. ご注文はお決まりですか?」
「オムライスでお願いします」
「オムライスですか?」
あ、メイドカフェといえばオムライスが国ルールなのに。異世界にはオムライスなんて存在しないということをすっかり忘れていた。
「いえ、スープにしてください」
「かしこまりました! 少々お待ちくださいね」
メイドはそう言って、次の注文を取りに他のテーブルへと去っていった。何気なく左へと首を傾ける。
セッ○ルーム….?
何だこれは。行ってみるか? いくらだ? いや、嫌われたくない。バレないか? いや違う。行くべきか? やめるべきか。行きたい。価格は銀貨一枚。高いが、どうしても行ってみたい。いや、ダメだ。ダメだってば。止まれ、俺の煩悩!
散々苦悩した挙げ句、俺は行かないことを決意した。
「はぁ…。」
なぜだか自然とため息が漏れた。惜しいことをしたな。
「お待たせいたしました!」
長く待った末に、いや、大して待つこともなく、熱々のスープが運ばれたきた。まずは味見をしてみる。
「ずるるっ」
な、何だ、この味は!?!
……と、ラ○トゥーイ式に慢少期のあの懐かしい味に浸りたいところだが、ただの平凡なスープだ。美味いことは美味いが、大した魅力もない、ただのスープの味。特に説明することもない。
「これはメイドの魔法の液体が入っているのです。巷で言う、唾液、ですね」
「ごくごくごくごく!」
途端にめちゃくちゃ美味くなった。この味が気になるって? 醤油ベースのスープに自分のヨダレでも垂らしてみるんだな。
「ごちそうさまでした!」
おっと。美味すぎて、思わず大声で言ってしまった。また今度来ます。
「美味しく召し上がっていただけましたか? 割引券をどうぞ!」
常連確定だな。
そんなことを考えながら、俺は家へと帰った。
「どこへ行っていたのですか」
「うわっ!?」
ティアだ。見間違いでも聞き間違いでもない。真の恐怖がそこにいた。
「いえ、ちょっと夜風に当たりに行ってきました」
言葉は噛まずに上手く言えたはずだが、脂汗が止まらないし、手もガタガタと震えている。
「そうですか。分かりました」
「俺がどこへ行くって言うんですか?」
「……ではなく、手刀ッ!」
喰らった。結局、めちゃくちゃ怒られた。




