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Nice Fight!〜違う道が1つになって同じ夢を見ていた〜  作者: livingdead


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88/105

全国高等学校ボクシング選抜沿岸ブロック予選準決勝・バンタム級

準決勝第1試合目、絶対王者梶川元貴(かじかわもとき)(高南工業)に宮内白塔(みやうちはくと)(国教大附属)が挑む。


イケメンという表現を超えてもはや美貌と表現されてもおかしくない宮内が決意と気合に満ちた


『漢らしさ』


を表情に漂わせ、さらに独特の色気を振りまいている。


もしもこの場にティアナと出会う前の客野太郎がいたならば、パニックを起こして大騒ぎになっていたことだろう。


事実会場にいる女子高生ぐらいの観客たちは宮内を見て黄色い声援を飛ばし始めていた。


ちなみに対戦相手の梶川の方はと言うと、女性客や子供客から違う意味で悲鳴をあげられて試合前に落ち込みそうになり、岩倉監督から叱咤を受けていた。


リングに上がってからの宮内も梶川に対し臆するところなく、引き締まった表情でセコンドである西木匠教諭のアドバイスに耳を傾けていた。


第1ラウンド開始。


宮内は最近だいぶ上達したフットワークで対サウスポーのセオリー通り左に回り込みながら左ジャブ右ストレート左フックを積極的に放っていく。


梶川は余裕たっぷりでこれらの宮内の攻撃を、あえてポジションを取らせた上で余裕を持って捌き、パリング、ストッピング、ダッキング、そして必要最小限のステップで宮内の拳に空を切らせた。


そして梶川が何気なく伸ばしたようなサウスポースタイルからの右ジャブが再三再四宮内の顔面を跳ね上げ、早くも鼻からの出血を見た。


それでも強気な姿勢を崩さない宮内は梶川の右に合わせて強引な左フックを振り始める。


梶川はそれをバックステップで外しざまにタイミングのいい左ストレート宮内にヒット。


するとレフェリーがストップをかけ、宮内にダウンカウントを宣告。


カウントを既定の8まで数えられている間、宮内は梶川から目を放さず、再開後に先手を取って攻めかかっていったところで、1ラウンド終了のブザーが鳴った。


1ラウンドを乗り切った事で宮内には気合が入った様子。


引き締まった表情を崩さず西木のアドバイスを聞いている。


梶川はインターバル中に小首を傾げながらもセコンドの岩倉監督に


「次でキメますけ」


と宣言。


2ラウンド目の開始と同時に宮内が突然左にステップインすると同時にロングレンジからの右オーバーハンドを梶川に向けて強振。


余裕をもってこれを外した梶川に対しさらにもう1発、今度は普段通りのまっすぐなストレートを右左と顔面ではなく、梶川の胸元あたりに向けて連打した。


そのまま距離が詰まったところへ宮内はさらにラフな左フックとコンパクトな左フックを使い分けて梶川を揺さぶる。


傍目から見たら全て防御されているラフな攻撃であり、次の瞬間、梶川は左サイドにバックステップを踏んだかと思うと、そのまま左足を引き戻して一瞬のうちに重心を座らせ、右のボディアッパーを宮内の腹部に叩き込んだ。


そのまま宮内は崩れ落ちボディを押さえたままリング内をのたうち回ってる間にカウントは10まで数え上げられた。


2ラウンド37秒、梶川圧巻のKO!


◯梶川元貴(高南工業)【KO2R0.37】宮内白塔(国教大附属)⚪️


ヘッドギアを外した梶川は赤コーナーでニヤリと口角を上げてつぶやいていた。


「何発かかすめよったわ。宮内(あいつ)までもやるようになってきよったの・・・・」

―――――――――

ボディで倒された〜〜〜〜!


凹む!


一応ボクサーなんだから一番恥ずかしい倒され方なくらいわかってる!


2ラウンド目に奇襲かけたのが裏目だったかなあ?


あ、井口くんが来た。


ごめん、色々教えてくれたのに、よりにもよって腹で倒されるなんて・・・・


せめて立ち上がって、もうちょっと試合したかったよ。


あ、何ため息ついてんの?


そりゃ腹で倒れた僕がみっともないってことぐらい十分自覚・・・・


「あのな宮内、お前あんな梶川さんのボディブローまともに食って、もし立ち上がって試合再開なんかできたらお前の方がバケモンだ、それは」


え?


「まあ、最初っからあのボディ狙ってるのは分かりきってたけどな。梶川さんの得意パンチだから。もらわないように色々鍛えねえとな」


井口くん・・・・


「てかよくおまえ、よくあんな最初から打ち合い仕掛けたな。普通梶川さん相手にあんな無茶をするやつはいねえよ。いいのか悪いのかわからねえけど今のレベル差考えたら何もやらねえよりはましだよな」


1発ぐらいは当てたかったからね。


「3発当たってたぜ」


え!?


井口くん、それって本当なの?

――――――――――――

準決勝第2試合。


1回戦で金星を上げた伊丹升明(いたみますあき)(唐河中央)と喜屋武哲(きゃんさとし)(武領)との一戦は喜屋武の強引な前進からの連打攻撃に追い立てられた伊丹だったが1ラウンドの終盤にタイミングのいい左フックで喜屋武にダメージを与えて形勢が逆転。


喜屋武の前進が鈍ったところに伊丹の的確なジャブ、ワンツーが再三ヒットしてポイント勝ちを掴み決勝進出を決めた。


◯伊丹升明(唐河中央)【5ー0】喜屋武哲(武領)⚪️

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