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キューバジュニアチームとの対抗戦、色々なことがありました。
西木匠です。
我が国教大附属ボクシング同好会の初公式戦として臨みましたこの一大イベント。
終わってみれば戦績は2勝4敗でしたが、戦績以上に得るものが大きかった試合だったように僕は感じてます。
あと面白かったのが、キューバのジュニアチームとお別れする時にキューバチームの通訳として帯同していたティアナちゃんが
「タロちゃんさHabanaにつれてってえーだか?あたすのだんなになってもらうだあよ!」
と大騒ぎしてキューバチームのミゲル・スアレス監督に説教されてました。
あれには笑った。
とりあえず落としどころとして、お互いLINE の交換をしたみたいです。
それでいよいよ、お別れの時に大ハプニング。
客野くんにティアナちゃんが抱きついて、お別れのキスを、それこそ止める間もなくしてくれちゃいまして、客野くんは呆然としてその場にへたりこんでました。
「・・・お、俺の純潔が幼女に奪われた・・・」
いや、客野くん?
純潔って・・・
それにティアナちゃんはもう幼女って歳ではないよね?
見た目だけで言えば客野くんよりも年長さんに見えるし・・・・って、まあそんな問題じゃないですね。
キューバチームの面々が特に騒いでいなかった様子からして、まあ、文化の違いというのもあるのでしょう。
客野くんはそれで納得してくださいね。
「納得できるかあああああ!」
魂の叫びをありがとう。
そんなこんなで国教大附属ボクシング同好会は日常を取り戻し、次の大会である
『全国高等学校選抜大会沿岸地区ブロック予選』
に向けて練習に励んでいます。
対キューバ戦での内容が効いたのでしょうか?
薙沢県ボクシング連盟の事務局、まあつまり国際教育大学附属国際高校美術教室の個室なんですけれど、そこに他県からの問い合わせが頻繁に来るようになりました。
沿岸地区にあるボクシングジムなどから合同練習の問い合わせが次々と来まして、おかげさまで様々なタイプの選手とのスパーリングなどが以前よりはるかにできる環境となっています。
それを考えると、あの段階で保護者会が発足して常設ではないにせよ練習用の簡易リングを用意できたことは大きかったですね。
職員会議で他の先生方の異論反論を押し切ってくださった校長には感謝です。
最近少しやつれていますけどね。
さて、今は12月。
さすがに冷えてきましたね。
今日も今日とてボクシング同好会のみんな、みっちりと密度の濃い練習を行い、ミーティングを終え、生徒たちが帰った後、僕は薙沢県ボクシング連盟本部事務所・・・美術室です。
そこでゆっくりとブラックコーヒーを1杯飲んで帰宅するつもりでした。
するとLINE の通知が。
「お疲れのところ申し訳ございません。礼文です。偶然近くを通りかかったのですが、美術教室の明かりがついているようですので、もし先生がご在室であれば寄らせていただいてよろしいでしょうか?少しお伝えしたいことがございます」
弥能礼文さんですね。
薙沢県ボクシング連盟医事委員長である外薗峰允先生の妹さんで、先頃のボクシング同好会懇親会で初めてお話をさせていただきました。
僕との関係性は、まぁ色々と複雑ですので、説明は割愛させていただきますが、知的で思慮深い素敵な女性だと僕は思っています。
あれ?
LINE の画面に妙な擬音が?
『ぼふん!』
さらに背景が真っ赤になっていますね?
バグでも起こったのかな?
LINE のバグから数分後、少し頬を赤らめた礼文さんが美術室に来られましたので、ソファに座っていただき手前味噌ではありますが煎れ方には少々自信のあるコーヒーを準備します。
そんなに高級なコーヒー豆ではないですけれど、材料よりも煎れ方と言うのが僕のこだわり。
そこいらの喫茶店よりはうまいコーヒーを入れてると言う自負はあるんですよ。
砂糖とミルクが必要か確認するのは煎れる側のマナーです。
「ブラックで大丈夫ですわ」
そう言って微笑む礼文さん。
とりあえずお茶請けには・・・・キューバチームの監督がお土産に持ってきていたアレにしようかなと思ったのですが・・・・
包装は確かにスペイン語でキューバのお菓子っぽい感じなんですけれど、中身を見てみたら観光地の土産物屋にありそうな和菓子っぽい中身だったんですよ。
なんでもキューバの最高権力者が好んで食べているとか。
僕も1つ試してみたんですけれど・・・・はい、かなり完成度の高い餅菓子です。
ところで何かお話ししたいことがあると?
「はい。ですが、その前に先生にはお疲れのところご無理を言いまして申し訳ございません。キューバとの対抗戦の時も色々とあったと伺っております。ただ、これだけは早急にお伝えしておこうと思いまして失礼ながら押しかけてしまいました」
僕の方は全然大丈夫です。
むしろあれから礼文さんとお話できる機会がなかなか作れなくて申し訳ないとは思ってました。
えっと・・・礼文さん?
大丈夫ですか?
頬が真っ赤になって返事をするのも辛そうですが?
「申し訳ございません、先生。私の方からお話があると言っておきながら・・・」
いや、それは全然気にしなくても・・・
「本当に大切な話なんです!先生の大事な美術の方の教え子さん、地御前栄代くんに関わることです!」
気持ちを振り絞って僕に訴えてきた内容は、あまりにも聞き捨てならないことでした。
礼文さん、あなたが知っている限りのことを僕に教えてくれますか?




