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Nice Fight!〜違う道が1つになって同じ夢を見ていた〜  作者: livingdead


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対キューバジュニアチーム対抗戦・ヘビー級 González(team Cuba)ー江波一成(薙沢県・国教大附属国際)

ちょっと高校生には見えないくらい強面のキューバ人ヘビー級González。


さすがの本場というべきか、試合前のウォーミングアップで見せていたシャドーなどでも、パンチのスピード、伸び、どれを取ってもアジアのヘビー級とは桁が違うと思われた。


そんな中この1大イベントを視察に日本連盟から強化委員と普及委員が各1名ずつ会場である武領高校を訪れていたのだが、ある日本の高校生のシャドーボクシングに目を止めていた。


フロアでウォーミングアップをしていた江波一成である。


いかにもヘビー級な体躯。


マッチョというわけではなく、腹筋も割れてはいないが全体的に見るからに柔軟な筋肉。


シャドーボクシングも無駄な力み無く実にシャープである。


「今日Gonzálezと試合する薙沢県のヘビー級ですか?無理でしょ。ちょっと良さげですけど、1分持ちませんよ」


近くにいた沿岸ブロックの関係者に確認すると妙に悪意のこもったネガティブな返事が返ってきた。


それに違和感を感じた日本連盟の役員たちが顔を見合わせて首をかしげた時、リング上で1ラウンド開始のゴングが鳴った。


キューバボクサー独特のアップスタイルからスピード感溢れる左ジャブを間断なく繰り出すGonzález。


対する江波は、Gonzálezの左をパリングではなく自身の左でストッピングしてジャブの軌道をそらし、すぐさま左腕を切り返してリターンのジャブを返す、といった、おそらくは井口にでも仕込まれたのであろうレベルの高い技術を披露する。


Gonzálezも江波が侮り難い相手と認識した様子で、無警戒に左ジャブを単調に出すのを控え、ラウンド終盤辺りから右の強打をちらつかすなど、フェイント

を多用し始める。


江波は逆に左ジャブの数を増やし始め、さらに上下に打ち分けるバリエーションを披露。


左ジャブの上下からGonzálezが打ち下ろしてきた右ストレートをバックステップで外しざまの左フックがGonzálezの側頭部をかすめ、その返しにGonzálezも距離が空いたタイミングで右ストレートを伸ばしている。


互いにクリーンヒットのない濃密な一進一退が展開されている。


「ヘビー級の技術戦ですね」


ほう、とため息して信徳学院高校ボクシング部監督、相良隆志が感嘆の声を漏らす。


2ラウンド目。


江波とGonzález。


互いに淡々とクリーンヒットを奪うための探り合いを展開している。


Gonzálezはジャブからのロングストレートをヒットさせるタイミングを、江波は得意の


「巨大な長距離レーザービーム」


と井口が呼ぶワンツーストレートを放つロックオンのタイミングを。


タイミングの探り合いだけにフットワークによる両選手の間合いの探り合いが、延々と続いている。


現時点でジャブの差し合いも互角。


昭和のプロボクシングの実況採点だったら


『10ー10』


がスコアシートに延々と並ぶだろう。


最終3ラウンド。


試合が動か・・・ない。


お互いにお互いの隙を狙って牽制し合って・・・・


見る人間が見たらジュニアクラスとしてはありえないハイレベルのしのぎ合いをヘビー級で見せられている。


「ビビって打ち合いもできないのかぁ、薙沢のデブがよぉ!」


先ほどの沿岸ブロックの関係者が膠着状態ながらハイレベルな心理戦を展開しているリング上に対して罵声を投げかけている。


その声が会場内に響き渡り不快指数を上昇させている。


だがリング上で試合をしている選手にしてみれば知ったことではない。


凡戦だのダルファイトだのといった声など知ったことではない。


自分たちが置かれている状況で、できることを精一杯やるのが筋というものだ。


ましてやこれはヘビー級。


下手をすれば一発で試合が終わってしまうことなど、リング上の2人は100も承知している。


だからこその3ラウンドにわたるビリビリとした静かなせめぎ合いは終了のブザーと共に幕を閉じた。


終了の瞬間、Gonzálezはその強面を、ふにゃりといった感じで崩して満面の笑顔。


江波も、ほっとした表情を浮かべてどちらからともなくハグを交わした後、お互いのコーナーに戻った。


「ただいまの競技の結果をお知らせします。4ー1スプリットディシジョンによりまして赤コーナーGonzález選手のポイント勝ちです」


◯González【4ー1】Ichinari Eba⚪️

―――――――――――――


どもだす!


なぎさヮのみんなすごいな!


タロちゃんかっこすごかたけど、ほか、みんなすげ〜〜!


あ、はくとはふつ〜によわかたべや。


かおだけな!


あいつ、なんかすかんねん!


なギさわとしあいしたみんな、たまげたる


えしろて、ちびとやったがるしあや、いぐちとしあいしたおるてすなんか、


「もう、Boxingやめる!りふじんすぐる!」


と、しくしくしとりましてん。


きめちわ、わかるがおとこがしくしくするな!


きしょいねん!


あたすわ、タロちゃんみたいなまっすぐまえみたるおとこがすきやねん!


しあいすんだら、こなかけて、Habanaにもちかいりさせたりますのや!


え?


「お前誰やねん?」


って?


Tianaだす!

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