対キューバジュニアチーム対抗戦・ピン級 Martínez(team Cuba)ー客野太郎(薙沢県・国教大附属国際)
1ラウンド開始と同時にコーナーを飛び出し、両者ともに鋭いステップと左ジャブを差し合う。
Martínezの非常にリズミカルな動きに対して、キャリアが浅い客野は、いかにも直線的な動きだが、それを逆手に取るかのようにロングレンジからの文字通りまっすぐなストレートを的の広いMartínezの胸元あたりに伸ばしてゆく。
Martínezはそれを嫌って、軽快なステップでリングを広くサークリング。
そして突如としてステップを変化させ、瞬時に踏み込むとオーバーハンド気味の右ストレートが客野を捉えた、かと思われたが、しっかりとガードを上げていた客野がナックルを切り返して、左のロングアッパーをMartínezにクリーンヒット!
腰砕けになってニュートラルコーナーに下がったMartínezにキューバ人レフェリーがダウンを宣告。
カウントを開始する。
第1試合目早々の激しい展開に場内は騒然。
だが会場内は、また違うざわめきにも包まれる。
ダウンカウントを奪った客野の右目の上がざっくりとカットしていて大流血を起こしていた。
ダウン前にMartínezが放った右のオーバーハンドが客野の右目上をかすめてカットしたと思われる。
客野のセコンドについていた西木匠がすかさず、青コーナーに駆け上がり、レフェリーに向かってタオルを振って棄権の意思表示。
客野を青コーナーに呼び戻すと手早くヘッドギアとグローブを外し、今回サブセコンドを引き受けていた高南学院高校ボクシング部3年の護山蒼次郎に投げ渡していた。
客野は西木に手渡された濡れタオルで右目上の傷口を押さえながら1つため息。
チラリとMartínezの赤コーナーに目をやると、Martínezも納得がいかないと言った表情でセコンドと何か言葉を交わしていた。
◯Martínez【ABD1R.1·06】Taro Kyakuno⚪️
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あ〜〜〜〜っ!
痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!
ちょっと!
もう少し丁寧に手当してくださいよ!
そこの通訳してくれているキューバチームの女の子!
悶え苦しむ俺を見てニコニコと楽しそうにするんじゃありません!
俺、何度も君に通訳頼んだよね?
この先生に痛いから優しくしてって言ってくれって。
このキューバ人のドクター、処置する時の手つきがやたら粗くて・・・
あた〜〜〜〜〜っ!!
客野です。
試合の結果はご覧の通り、1ラウンドABD負けでした。
まぁ、まさかヘッドギアつけた状態で目をざっくりカットさせられるなんて、あのマルチネスってやつのパンチどれだけ正確なんだろう?
後で本人に聞いてみよう。
で、試合の後なんだけど、医務室でキューバチームが連れてきたリングドクターに処置をしてもらってるんですけどね!
ご覧の通りですわ!
それにキューバチーム側の通訳だとか言う女の子、本当にちゃんと通訳できてんの?
君が通訳するたびに先生の手つきが粗くなってる気がするんですけど?
「ダイジャブ、しっぱいしないで!」
失敗してほしくないのは俺の方です!
「タロちゃん、リングではかこいのな、いまBabyみたいだす」
初対面の相手を
「ちゃん」
付けで呼ぶな〜〜!
あ〜〜〜っ!
痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!




