国体を観よう!〜その1〜
10月になりました!
西木先生のご尽力により、練習環境が放課後の教室から放課後の体育館にグレードアップ!
広々とした環境でのびのびと鍛え、充実度が1段アップして11月に控えるありえないくらいグレードの高い公式戦デビューを控えてボクシング同好会のみんな盛り上がりに盛り上がっております。
さて本日、僕たちは、国体を観戦するため朝イチの電車に乗って信徳県の信徳総合武道館に向かっています!
国体ボクシング競技開催中の5日間は準決勝決勝を除いて平日になりますので西木先生は授業の関係で同行できず、ボクシング同好会6人だけでの行動となります。
その間の欠席した授業の代替えについては事前に渡された学校指定のレポート用紙に欠席期間中の行動内容を細大甘さず記入し報告書として提出することで、出席単位として認めてもらえるとのことでした。
緩い!
国際教育大学附属国際高校ボクシング同好会、つい最近の話し合いでなぜかキャプテンに任命されてしまいました江波一成です!
今回もそうなんですけれど、今後学生だけで行動するにあたって、学生の代表だけはきちんと決めといた方がよろしいのでは?
ということで、ミーティングで色々話し合ったのですが、
「こういうのって一番強いか一番階級がでかいかでキャプテン任されるパターンが多くね?」
井口くん、そう言ってましたけど、誰が一番強いかで言えばそりゃ井口くんです。
ただ、ただ、井口くんにチームのまとめ役的なこと任していいと思いますか??
うんうん、皆さんの反応が正解だと思います。
井口くん、拗ねないで!
でもだからといって何で僕?
一番大きいからだそうです、はい・・・・・
今年の国体、沿岸ブロックからは5県の中からブロック予選の結果によって高南県、それに開催県である信徳県が参加します。
前にちらっと触れていましたけどインターハイで団体総合優勝した唐河県が国体ではブロックで敗退するわけですから、本当に沿岸地区は競技の激戦区なんだなと実感させられました。
試合会場の信徳総合武道館に到着すると、この前の合同強化練習で何かとお世話をしてくれました高南学院高校3年生の護山さんが声をかけてくれました。
「よ〜う、お疲れ!」
お久しぶりです。
今日もお手伝いで来られたんですか?
すると、護山さんは
『ニヤリ』
と、と不敵な笑み。
「パンフレット見てねえの?」
入り口が混雑していてもらいそびれました。
「な〜るほど、そういうことなら、ちょっとそこの君、パンフレット6人分もらってきて」
護山さんがちょうど近くにいた大会運営の補助員をしているどこかの生徒さんに声をかけてくれました。
そして、もらったパンフレットを確認。
「高南県のエントリーラインナップチェックしてみ?あ、少年の部の方な」
そう言われて確認した途端、僕たち全員その意外な内容に目を丸くしたり、首をかしげたり・・・
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【高南県・少年の部】
ピン級 羽嶋奏(高南工業高校)
ライトフライ級 山田信一(大咲南高校)
フライ級
バンタム級 梶川元貴(高南工業高校)
フェザー級 護山蒼次郎(高南学院高校)
ライト級
ライトウェルター級
ウェルター級 李泰誠(高南工業高校)
ミドル級 伊南口徹(高南工業高校)
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これって・・・・・
「たまげたか?ん~~??」
ニヤニヤする護山さんをよそに、
「ライトフライの山田さんって、確か練習試合で客野くんと・・・・」
「そうそう、あの人フライって言ってなかった?ライトフライ
まで落とせたんだ」
そんな話をしてる地御前くんと客野くん。
更に
「この伊南口ってインターハイのチャンピオンなんだけど、この人はマジ強えぞ」
「ああ、合宿の時見たけど、パンチもスピードも半端ないな。当たった時のこと対策しとかないと・・・あ、でもこの人この大会で高校最後か・・・・」
「僕と当たった子は出てないねぇ」
井口くんと銀山くんと宮内くんも思い思いの言葉を口にしています。
「そっちじゃねえよ!ちゃんと見ろお前ら!!」
声を上げる護山さん。
大丈夫ですよ、僕はちゃんと気づいてますから・・・・
「・・・うっ、うっ・・・お前いいやつだな・・」
・・・泣かないでください。
でも護山さん言ってませんでした?
県総体で引退して、国体予選には出てないって。
「招集がかかったんだよ。誰かさんのおかげさまで」
護山さんがそう言ってチラ見する視線の先には井口くん。
「へ?俺が何か?」
「君が練習試合の時、16秒でKOした朴くんな、あれ国体メンバーだったんだわ」
この一言で僕も含めてみんなざわりとしまして・・・あぁ井口君だけ
「ふ〜〜ん」
みたいな感じで平然としてますね。
「なんか UJ の時に井口にありえないぐらいこっぴどい倒され方をして、そのリベンジだって気合い入れまくってたんだけど結局16秒で返り討ちにあって、心身のダメージがひどくて・・・」
辞退したということなんですね?
「そういうこと」
「え〜〜それって俺のせいなんですかぁ?それに UJ の時のこと言われたって、俺にとって UJ なんて黒歴史なんですから思い出したくもないんですよ」
井口くん、ふてくされないの!
でもちょっと引っかかります。
それだったら県予選に出ていたライトウェルター級の2位だった人とか、他の階級で予選通過した人とかを繰り上げるのが普通だと思うんですけれど。
「高南県ボクシング連盟で緊急選考会議を開いて全会一致で護山が選ばれた。県の関係者がみんな護山が全国大会で戦うところを見てみたいということだ」
僕たちの話をすぐそばで聞いていた高南工業高校の岩倉先生がそう説明してくれました。
この話、護山さんも初耳だったらしく嬉しかったのか、びっくりなのか目をまんまるにして口をポカンと開けたまま・・・・なんだか締まらないなあ・・・・
あ、でもすぐに護山さんが
表情を引き締めて・・・なんだか軽薄さが抜けないと思うのは僕だけなんでしょうか?
「よ〜〜くわかりました!高校生活最後のこの大会で護山蒼次郎一世一代のボクシングをお披露目させていただきやしょう!!」
・・・・力みすぎてリングで転ばないか、今から心配です。
【補足説明】
この物語の世界では国体ボクシング競技の階級はピン級からフェザー級込みでミドル級まで9階級となっております。
そのうち1県1カテゴリー内でエントリーできるのは9階級のうち6階級までとなっております。
すなわち選考会において3階級は外されるというシステムになっております。
また、女子競技も存在しますが、それまでフォローしていると当方の筆力では収拾がつかなくなりますので、あえて触れておりませんこと、ご理解、ご了承のほどよろしくお願いいたします。




