ひと悶着(ギリギリ未遂)
地御前の試合が終わった直後、ひと悶着がありました。
ども!
客野ッス。
地御前の試合が終わって判定が出るまでの時間が長いこと。長いこと。
ようやく集計が終わって結果は2−3で地御前ポイント負けでした。
その直後です、判定結果を聞いた井口が鬼の形相で席から立ち上がり
「っ、ざけんな!こんな判定・・・」
ここまでしか言えませんでした。
こんなこともあろうかと、両サイドに控えていた重量級2人、江波が井口を担ぎ上げ、銀山が井口の腕をロックして、口を塞ぐサブミッションの高等技術を披露しております。
その様子を見ていた高南学院の護山さんから
「手慣れてんな〜〜お前ら猛獣使いなんか?」
と、賞賛のお言葉をいただきました。
井口はそのまま体育館の外へと隔離。
なんでこんなに手慣れてるかと言いますと、前にちょっとありました
『職員室、殴り込み未遂事件』
以外にも学校内で結構やらかしてんですわ、あいつ・・・
自制心と言うか感情をコントロールする機能が中国製並みにポンコツなんです。
こんなでも
「だいぶ改善されたという自覚はある」
などと言い切るあたり、だったら以前はどんなんだったんだと全員で突っ込みたくなるレベルですな。
だから何かがあった時のために、特にこんな競技観戦なんかの時には両サイドに江波と銀山を配置して何かがあったら即時対応できるように備えはしてあった、というわけです。
ドヤァ!
まぁ井口の目にはあの試合が地御前の勝利であると映っていたんでしょうね。
俺と違って勝ち負けに対する執着がほとんどない地御前は、この騒ぎにキョトンとしていましたが、その原因が自分の試合の判定結果だと知り、相当に困惑した表情でした。
そして動揺もしていました。
西木先生と一緒に高南県チームに詫び入れに行っていたくらいにはです。
ちょっとその様子を見て、俺からも井口に物言っといた方がいいと思い江波、銀山と入れ違いで、俺が体育館の外にいる井口の所まで行きました。
井口はアリーナの入り口近くの壁に背を持たせかけて無表情で座り込んでいました。
全く何やってんだお前は?
「・・・・・・・・」
頭ァ冷えたのか?
「・・・・(無言で頷く)・・・・」
お前のそういうとこ、だいぶマシになったかと思っていたんだが、そのメンタルで試合大丈夫か?
そう言ってやったら初めて顔を上げた井口から睨みつけられました。
それに構わず言ってやりましたよ。
先生と地御前が相手方に詫び入れに行ってくれたんだが・・・
ここまで聞いた時、井口が声を荒げました
「あぁ!なんで地御前が詫び入れなくちゃなんねぇんだよ!!」
お前がやらかそうとした原因が地御前の試合結果にクレーマーしたからだ!
地御前、あいつそういうのめちゃくちゃ気にするんだよ。
自分の試合が原因で、せっかくのお前の試合まで流れてしまったらどうしようって・・・
まぁ相手側も周りの関係者も全然怒ってなかったけどな。
「なんで?」
お前がチームメイトとはいえ、他人のことでブチ切れるの見たことがないそうだ。
お前UJ の時にどんだけなことをやらかしてたんだよ?
まあそういうことだから、お前の試合もちゃんと行われるからな、早めにアップかけとけよ。
「随分急かすんだな」
ま、この次の試合、宮内なんだよな。
あ、それと後でいいから、ちゃんと地御前とも話しとけよ
「・・・・・(ため息の後頷く)・・・・・」
・・・・と、まぁこんな一悶着があったわけですな。
あ、井口体育館に戻ってきた。
謝罪という感じではないが、本部席に向かって頭を下げている。
そんな様子に周囲からはざわめきに混じって聞こえる声
「井口が頭下げてる・・・」
「嘘だ、あれは井口の皮をかぶった一般人に違いない!」
「うちの友達の親戚のいとこの兄弟の親戚の隣に住んでいる人の娘を攫って海外に売り飛ばしたって言われてるあの井口が人に頭を下げるなんてあり得ない!」
・・・・ひでえ言われようだがまあいいか?
あ、宮内の試合終わったわ。
井口、アップをしっかりできてるか?




