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Nice Fight!〜違う道が1つになって同じ夢を見ていた〜  作者: livingdead


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(閑話)最強男の憂鬱

あ〜皆さん初めまして。


つい先ほどの最高に盛り上がった試合の後になぜか俺の愚痴を聞いていただきます。


お前誰だ、って?


高南工業高校ボクシング部2年

梶川元貴という、しがない男でございます。


俺、結構ガキの頃からボクシングやってまして、UJ からデビューして若年パンチドランカーになることもなく、この年まで全国区の強豪とそれなりに評価されてきました。


高南工業高校進学後も1年の最初っからインターハイに出て上位入賞、国体選抜もまた然り。


でもって俺の壁になっていた上級生がことごとく卒業したという巡り合わせもあり、今年のインターハイは俺が大本命!


これは自他ともにそう思ってたんですけどねぇ・・・


俺、今年のインターハイ決勝で本当に大ポカやらかしたんですよ・・・・


あの決勝戦、みんな言ってくれたんですよね。


あの唐河中央のA級ライセンス持ってる黒木先生も、


「あの判定はない!」


と・・・・まあ、その後


「誰にも言うなよ」


と釘も刺されましたけど、実に黒木先生らしいww


でもね、あの試合は正直言って俺の負けですわ。


何が負けかと言うて、あの試合で俺は日和ってしまったんです。


準決勝でね、俺サウスポーなんですけど、右の拳痛めちゃって俺の得意技の右フックが打てそうになかったんですな。


正直決勝の相手には普通にやったら負ける気はしなかったんで、安全運転に徹したんです。


これが良くなかった・・・


相手は必死に俺に向かって手数出してきよるんですけどね、俺はそれサークリングとジャブでごまかして、時々左のカウンター入れて、完全に相手がカウンターで効いたシーンもあったんだけど、俺そこで詰めによういかんかったんです。


これ以上拳痛めたら・・・と勝手にブレーキかけとったんですわ。


おかしな話です。


決勝戦です。


終わったら翌日から当分試合ない。


本当やったら思う存分倒しにいてよかったんですよ!


それをやらんかった。俺の大ポカですわ!


しかも俺、まともにナックル入れたら拳痛いから右フック打つ時ナックルパート避けて打ちよったんですわ。


そしたら、前々から俺のことを嫌いやったレフェリーがそれをインサイドブローの反則とみなして減点1くらいましてん。


何でも高校スポーツの学生にあるまじき、俺の見た目が気に食わんそうで・・・


泣きたいわ〜〜〜〜


高南工業高校ボクシング部の岩倉先生は、ある意味そんな俺の気持ちをよくわかってくれてる先生で、インターハイでの俺のチョンボについても


「いらんことばっかり考えるお前が悪い!」


と、ストレートに叱ってくれました。


その岩倉先生から沿岸ブロックの合同練習に面白そうなチームが来るから唐河県まで来る暇があるなら参加してみんかと誘われて、高南県での練習予定を全部キャンセルして、沿岸ブロック5県の強化練習に参加することに決めたんです。


でもって、合同練習会場の唐河中央高校に顔を出して他県の選手たちの様子を色々見て回ってたんですけどね、岩倉先生が言っていた面白い連中っていうのは、薙沢県から来た国教大附属国際高校ボクシング同好会のメンツだとのこと。


そういえば夏休み中に、薙沢県出身の部員たちが色々お世話になったとは聞いてました。


ただ、俺もインターハイ決勝後のハートブレイクのせいで、それ以上のことは詳しく聞いてないんですよね。


お、あそこにいるのが例の連中だな?


あ、井口がいる。


あいつまだシャバにいたのか?


それ見たところ他の連中も一癖ふた癖ありそうなメンツばかりだな・・・


おや、あれは選手の年の離れた弟かな?


それとも引率の先生の子供だろうか?


なんかこちらを見てるけど、目があった瞬間、引率の先生の背中に隠れてしまった。


「先生、あのおじさん睨んできて怖いです」


・・・・・バッチリ聞こえちゃいました・・・・・


いや今までもね、この見た目のせいでおじさん呼ばわりは結構ありましたけどね、怖いはひどい!


俺はこんななりでこんな見た目ですけど、善良な青年なんですよ!


思わず岩倉先生のところに行って、その辺のことを訴えました。


「先生、俺、自分がおじさん顔なのは認めますけど、そんなに怖いですか?さっき小学生からはっきり怖いって言われました!!」


「お前な・・・そういうところなんだよ、インターハイの決勝でポカしたのも!いらんことを考えるなっつうの!」


「でもでもだって!」


「それにお前が今言ってた薙沢の小学生とやら、誰だか分かっとるのか!?明日の練習試合のお前の相手だ!」


「・・・・は?」


「学院の護山が色々知ってるからあらかじめしっかり聞いておけ!井口も認めるやばいやつらしいからな!」


「あの小学生、というか、下手すれば未就学児童とも思われないあの子がですか?」


会話がこの辺りまで進んだ時、どこからか


「ピキッ!」


という音がしたような気がしたが、まあ気のせいでしょう。


長々と愚痴を聞いていただいてありがとうございます。


それでは、団体対抗戦第2試合の様子お楽しみください!

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