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Nice Fight!〜違う道が1つになって同じ夢を見ていた〜  作者: livingdead


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はじまり〜地御前栄代〜

こんにちは


僕の名前は地御前栄代(じごぜんえいしろ)です。


僕は今日この学校、国際教育大学附属国際高校を卒業しました。


僕はこの春から志望していました美大に進学します。


これから僕がお話しさせていただきますのは、この高校生活3年間の奇跡のような日々の軌跡です。


皆様どうかお付き合いのほどよろしくお願いいたします。


入学式が終わったあの日、僕はある目的を持ってある場所に向かっていました。


視線の先にあるのは、ちょっと絵の具なんかで汚れた感じがする扉で上の方に


『美術室』


と書かれた札がありました。


僕がこの学校に入学した目的というのは美術部に入りこの学校の美術部の顧問である西木先生から色々な教えを受けるためでした。


将来、美大に進んでこの道を進んでいくには、この高校で美術の先生をやっている西木先生から学びたい。


西木先生はあまり表には出られない方なのですが、美術の世界では誰もが知っている実力のある人なんです。


僕も先生の創作品をいくつも見たことがあります。


絶対にこの先生から学びたい!


僕はその気持ちで美術室の扉を開けて、確かに中には西木先生がおられました。ちょっと疲れ気味でしたが僕が思っていたよりもはるかに若々しい印象の先生の口からは予想もしなかった言葉が返ってきました。


「すまないね。美術部は廃部になってしまったんだ」 


「・・・・廃部・・・・」


「僕にもよくわからない理由でね、せっかく来てもらったのに申し訳ないなぁ・・・」


「・・・先生も大変だったんですよね・・・」


「今も大変だよ、よくわからないことを任されてしまった」


西木先生が僕に示したのは、何かのカタログ?表紙にはボクシングって書いてありました。


「・・・ボクシング、ですか?」


そういえば西木先生が座っている場所の周辺をよく見ると多分通信販売で購入したと思われるボクシングのトレーニング道具らしきものが・・・・・


「この同好会でね活動実績を上げておかないといけないんだとか、まあ僕にはよくわからないが去年の終わりくらいに美術部が廃部になってそのすぐ後ぐらいかな?ボクシング同好会を作るという話になってできてしまって、僕が顧問という話になって・・・」


「先生、先生はボクシングなんてやったことあるんですか?」


「まさか!僕は学校の授業の体育以外で運動なんてしたことないよ。ましてボクシングなんて見たこともない」


「それで顧問を?」


「この3ヶ月かな、関係各所に連絡を入れて協力を申し込んで、チーム登録もして・・・危険なスポーツだから、医療関係ともしっかり連携できる関係を作ってきたんだ。あと頼りになるのはこれだけかな?」


先生が静かに笑って僕の方に差し出したのは


『初心者から始めるボクシング』


というタイトルの教本でした。先生は真剣にこの題材に取り組もうとしているんだなと僕は感じていました。


「地御前くん、だったね」


「はい」


「なんならやってみるかい?運動してみるつもりでさ」


「先生、僕は先生から美術創作を学ぶためにこの学校に入学しました。だから廃部になってるとは言っても、僕は1人で美術部を名乗って先生に教えてもらいたいと思ってます」


「・・・そうか、まあ、そうだよな。君は美術の道を進むためにここに来たのであって・・・」


「先生、僕の高校3年間の題材が今決まったんですよ」 


「・・・?・・・」


「この3年間でボクシングを僕なりにどう表現できるか、どんな形に完成させることができるのか?これをテーマにしたいと思っています」


正直な話、体育の授業は嫌いではなかったんですけれど、これと言ってスポーツといったことはしたことがなかった僕なんですが、西木先生から学べることは全てが僕にとっての貴重な題材だと思って、3年かけて完成させることができるか、とても大きな作品作りが始まったと僕は思いました。


あの時先生はキョトンとしていた後、嬉しそうに笑ってました。


「そうか、君は美術部員、地御前、そしてボクシング同好会のメンバーにもなって創作活動を始めるということなんだね。応援する。君がどんな作品を作るか楽しみにしているよ」


僕と先生の話にこうして区切りがついたその次の瞬間でした。


美術室の入り口が開いて現れたのは・・・・・僕はその時自分がつぶやいた言葉を今でも覚えています。


「・・・・でか・・・・」

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