表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nice Fight!〜違う道が1つになって同じ夢を見ていた〜  作者: livingdead


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/32

そんな感じで

BGM はBJ·トーマスの『雨に濡れても』がお気に入りです。


空いた時間に美術室の僕の空間でブラックコーヒーを嗜みながら聴くのが至高ですね。


先ほどボクシング同好会の面々に


「気持ちはわかるが報連相は速やかに」


と指導をしておきました。


顧問の西木匠(にしきたくみ)です。


数時間前、校長室で説明を受け学校としてボクシング同好会に謝罪をする旨、受け入れたばかりです。


子供たちが抱え込む範疇を超えたことでしたからね。


あのことから数日後、突然僕抜きで臨時職員会議が開かれた、と聞きました。


受験対象科目外の教師が職員会議から外れ事後報告を受けることなどこの学校では普通でしたから特に気にもせずに、BJ·トーマスの曲とブラックコーヒーを堪能していたのですが、職員会議後に校長から呼び出しを受け、出張報告書の内容に何か書き漏らしでもあったのかなと思っていれば、


「西木先生、先に言っておきます。この度のこと国際教育大学附属国際高校校長として、そして学校としてボクシング同好会の生徒たちに深く謝罪をさせていただきます!」


「はい?」


「ボクシング同好会の生徒の1人、地御前栄代(じごぜんえいしろ)くんに対して悪質なハラスメント行為を働いた教員3名は即日、国際教育大学資料編纂室に向こう3年間出向、月額給与4割カットの処分を下しました」


「ちょ、ちょっと待ってください。話がさっぱり見えないのですが・・・・」


「生徒たちからは何も聞いてないのですか?」


と、こんな会話が校長室内で繰り広げられ、地御前くんが複数の教員からとんでもない目に遭わされていたと知り、それは当然僕も腹わたが煮えくり返る思いでしたが、それ以上に彼らが自分たちの中で、この一件を飲み込んで自己完結しようとしていたことが僕にとってはちょっときつかったです。


彼らはみんななんだかんだで聞き分けが良すぎるところがあるんですよ。


頼るべきところ相談するべきところは大人に頼っていいんですよ。


僕は彼らにボクシングだけを教えてるつもりはもちろんありませんし、ましてや、今回の件の最大の被害者と言っていい地御前くんを自分の理想を体現するだけのコピーロボットみたいに育てるつもりもありません。


当然です。


人に物を教えるということは、その人の『個』を理解することに他ならないからです。


だからまあ、彼らが彼らの判断で今回のことの報告を少し後にしようとした気持ちももちろん理解はしているつもりです。


ただ今回それでは済まされないくらい大ごとになったというのが本当のところなんです。


校長からの説明によりますと・・・


「あの時、地御前くんが複数の先生に職員室に引っ立てられているところを目撃した生徒が何人もいましてね、そのうちの1人が職員室の前でこっそり動画を撮影していた様子なんですよ。その動画を保護者に見せ、保護者がさらにその動画を保護者会のグループ LINE に貼り付けたと。それで複数の保護者から問い合わせがありましてな。もちろんそんなことがなくても事実が発覚すれば、学校としては断固たる措置は取らしていただきます。教育県たる薙沢県でも進学校である我が校に、あのような欠陥教員が存在していたこと、自体が大問題なんですよ!」


正直、この校長のセリフを聞いて、僕はドン引きしました。


この人は結局生徒を守るというよりも学校ブランドを守るという方に舵を振り切っている人なんですね。


ただまあ今回は僕と学校側の利害がそこそこ一致していますんで、今後、ボクシング同好会のために粉骨砕身していただくカードにさせていただければと思っています。


さて、そろそろみんな練習に来る頃だな。


ちょっとご機嫌だから『雨に濡れても』を口ずさみながらのんびり待っていよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ