(閑話)拳闘解體新書(ボクシングかいたいしんしょ)
こんちわ!客野です!!
ついこの前のこと覚えてますか?
井口が地御前くんを
「混ぜるな?危険!」
って言ってたこと。
あの時はいまいち意味がわかってなかったんですけど、いや〜最近ね、地御前くんと軽めのスパーリング初めてやってなんか分かった気がする・・・てか、西木先生が時々地御前くんと訳のわからないマンツーマントレーニングをしてることがあるんですけど、もしかしてあれですかね?井口はどう思う?
「考えるまでもない、客野が言ってるのが正解。その辺をこれから西木先生に確認してみようと思う」
と、井口が言ってるので早速ですが西木先生に色々確認します。
まず地御前くんの構え!まあ全部が全部同じとは言いませんがそれぞれの利き腕に応じた腕を前に出して構えて奥の手は引っ込めて顎を守る、というのが、先生が持っているボクシング教本の基本的な構えだったと思います。
「確かにそうだね。僕がみんなにボクシングを教える時に基本通りに教えようと考えていたから、嘘は絶対教えてたくなかったからね」
ここからは、俺の今の時点でのスキルでは質問が難しいから、井口にバトンタッチします。
「俺が先生に訊ねたいのは、まず地御前の構え!なんだかペットショップにいるハムスターが前足でひまわりの種を持っているようなイメージでちょこんと立っているだけ。まあ、確かにこの構えだと最短距離でパンチが届く速さは出せますけど、肩が入らないから当然威力も出ません。しかも腕の可動域が伸びないから、相手にパンチが届かないと『普通は』思うんですよ」
ここで一旦言葉を切った井口は軽く呼吸を入れて続けます。
「でも何なのあいつ?客野のほとんど完璧なリズムとフットワークから繰り出される。左ジャブワンツーストレートを掻い潜る?いや、違う。一番近い表現で言うなら、『トウセンボ』して距離とか間合いとか無効化してるんですよね?理不尽すぎる!!」
そうそう!
俺もそれを感じてるんです!
井口から『完璧』なんて言われるのは、恥ずいですけど結構鍛えて最近それなりに自信はつけてたんですよね、フットワーク!
でも地御前相手に動いても知らないうちにあいつに張り付かれてるような感じ。
ぞわっときましたわ!!
「あと地御前のパンチなんですけど、あいつのフィジカルとかパンチ力とか考えたら、なんであんなに効くのか?俺の常識では理解できません!サンドバッグなんかペチペチ叩いてるようにしか見えないんです。けれど実際にミットを受けてみるとわかりますが、彼のミットを受けて感じるパンチ力はそうでもないんですけれど気が付いたらやばい!長いラウンド受けていたら肘関節あたりが重大なトラブルを起こしかねません。そのぐらい危険なパンチを彼は無自覚な才能だけで弄んでる感じ。今の地御前は3歳児に玩具代わりに散弾銃を持たせたような状態じゃないかと俺は思っています」
そういうことなんで先生、説明よろしくお願いいたします!
〜拳闘解體新書その2に続く〜




