二回戦 二刀流VS鎌槍
周囲の歓声が戦った二人に降り注ぐ中、地面に倒された三上に隼が手を貸した。
「……お前、何か格闘技でも習ってたのか?」
「いえ?テレビで見たことがあって、これなら俺でもできるかなって」
当然、仕組みを理解したからといって実戦で使用擦るのは難しい。だが、隼は『吸収の天才』見たこと、習ったことを吸収するまでの時間が極端に短い。
それに加え、失敗を恐れず実行に移せる勇気を併せ持つ。この才能を活かし、隼は数多の部活動で優秀な成績を残した。
「俺みたいな凡才じゃ、天才には勝てない……そりゃそうだよな。」
笑いながら落ち込む三上に隼はかける言葉が見つからずにいた。
「俺は負けたけどよ、次の相手は強敵だぜ。なんせ、俺とは違って、アイツも『天才様』だからな。」
「それなら問題ないですよ、アイツは俺なんかより強いですから!」
二人は短い会話を終えると、次の代表者と交代で仲間の元へと戻った。
「二回戦!天鷹城 剣崎 対 小鴉城 剛翼!」
剣崎と剛翼が向かい合い、顔を合わせる。
「はぁ……先鋒には突撃バカの鳴海が出ると思って、次鋒を選択したってのに、まさか勇じゃないとはな……」
剛翼は勇と大差ない身長で、剣崎を怪訝な顔で見下ろしていた。
「………………」
剣崎は意に介す様子も見せずに二振りの刀を構える。
「はぁ……しかも二刀流かよ。俺は力比べがしたかったって言うのに……話にもならねぇ。」
文句を言いながらも剛翼も武器を構える。構えた武器の名前は片鎌槍(穂先の根元に鎌状の刃が一つ付いた槍)。
両者が構え終わると、太鼓の音と共に始まりの合図が響いた。
「始め!!」
開始の掛け声と共に剛翼が前に出る。槍によるなぎ払い。リーチのある槍の一撃故に避けることこそ敵わないが、剣崎は余裕を持って短刀で防いで見せた。
「…………!」
しかし、剛翼による鎌槍の一撃は重く、片手で刀を取り扱う剣崎の体勢が僅かに崩れる。
(チッやっぱ、この程度の実力派かよ)
剛翼が槍を短く持ち替え、剣崎に追い打ちをかけようとしたその時。
(な……!)
剣崎の上段に構えていた刀が、崩れた体勢から剛翼の鎌槍に振り下ろされた。鎌槍は地面に押さえつけられ、剣崎はすかさず短刀による追い打ちをかけた。
「……ッ!」
剛翼は咄嗟の判断で鎌槍を捨て後ろへと飛び退いた。
(野郎……俺の一撃を受けて体勢を崩したってのに、怯むどころか攻撃を仕掛けてきやがった。どういう神経してやがる。)
剣崎は足元に落ちた鎌槍を拾い上げて、剛翼へと投げ渡した。こんな、終わり方では両者共に納得がいかないと思った、剣崎に気遣い。しかし……。
「……舐めやがって」
剛翼にとっては侮辱に他ならなかった。怒りを力に頭は冷静に、剣崎の顔に目掛けて全力で鎌槍を突き出した。
鎌槍による突きを後ろへと飛ぶことで回避する剣崎を、前へと飛び出した剛翼の鎌槍が再び襲う。
(とった!)
再び放たれた鎌槍の突きを、剣崎は咄嗟に左手に持つ短刀により防いでしまった。剛翼は鎌槍の穂先の根元から横に伸びる鎌状のもう一つの刃を利用して、剣崎の短刀を絡めとった。
「な……!」
だが、剣崎は慌てる様子すら見せずに右手持った刀を両手で握り刀の間合いへと踏み込む。後ろに退くのが間に合わないと判断した剛翼は、槍を回転させて石突(槍の根元)で間合いを詰める剣崎の顔に打ち付けられた。
それでも剣崎は動じない。痛覚の再現として静電気のような微弱な電流が傷ついた箇所に流れるmillionwars。現実と同じように、一瞬だけ痛みで体が硬直するもの、上段に構えた刀が剛翼の首元を捉える。
「スパンッ」という音が聞こえてくるような見事なまでの一刀両断。剛翼の首と体が二つに分かれ、対抗戦二回戦の勝負がついた。
「そこまで!! 勝者 天鷹城 剣崎!!」




