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【番外編】願い事~バカンスシーズン(3)~

 初めて乗る豪華客船。

 前世においても経験がない。


 ということで乗り込んだ船のロビーを見ただけで、ビックリしてしまう。


 だって。


 そこはまるでホテルのロビー。


 天井まで吹き抜け、階段の手すりからはこちらを見下ろし、優雅に手を振るマダムの姿も見える。

 ゴージャスなシャンデリアが煌めき、ここが船の中とはとても思えない!


「一泊二日の船の旅で、このクラスの客船が使われるのは、このバカンスシーズンだけだそうです。船会社にとって今は、貴族が年間で一番利用する時期。ここで船旅の素晴らしさを実感してもらいたい。今後も船の旅に参加してほしい。いわばデモンストレーションも兼ね、この豪華客船が就航しているのです」


「そうなのですね。……エリダヌスは詳しいのですね」


「かじった程度に過ぎません」


 そこに慌てた様子でスタッフがやって来て「ご案内させていただきます!」と言ってくれる。どうやら一等客室には、専任のスタッフ=コンシェルジュが付くようだ。しかもエリダヌスと私は、共に公爵家の人間。上客認定してもらえたようだ。


「こちらがライブラリーコーナー、その奥が娯楽室でビリヤードなどの遊戯がございます。あちらにはサンルームもあり、広々として日当たりもよいんですよ。景色を楽しみつつ、お寛ぎになるお客様が沢山いらっしゃいます」


 サンルーム!

 そこは昼食後、エリダヌスに膝枕をしてもらえる場所だわ!

 これには思わず胸がときめく。


「一等客室は最上階にございまして、専用ラウンジ、専用デッキも同じフロアにございます。レストランはすぐ下の階にございまして、二つのレストランはビュッフェ形式になっており、こちらは多彩なメニューからお楽しみいただけます。残りのレストランは、通常の洋食、海の幸をメインにしたお店、異国の珍しいメニューを揃えたお店です」


 他にも船内にはダンスフロア、演奏会やオペラの上演が行われる劇場、バー、テニスコート、剣術の練習場、ペットと散歩できるウォーキングコースなども用意されているという。


 正直、この設備についての説明を聞くと、一泊二日では足りない!と思えた。


 それをエリダヌスに話すと、推しはスタッフをクラッとさせてしまうような美しい笑顔でこんな提案をしてくれる。


「今回は一泊二日と短い旅です。よって無理にあれもこれもとやる必要はないでしょう。このような場合はのんびり過ごす方が、気持ちにゆとりも出て楽しめるはず。それにメリディアナが望むなら、次のバカンスシーズンの休暇は、豪華客船の旅にしてもいいですよ。二週間客船に滞在すれば、船の設備も料理もすべて満喫できるでしょう。途中の寄港地で観光も楽しめ、一石二鳥です」


 これを聞いたスタッフは「その通りです、お客様!」と熱心に長期滞在の船旅のプランを提案してくれる。確かにそれも楽しそうと、気分が盛り上がったところで部屋に到着した。


 扉をスタッフが開けると、そこには小ぶりだがちゃんとエントランスホールがある。そして廊下があり、そこを進んで扉をさらに開けると……。


「わあ、眩しいです!」


 思わず目を閉じてしまうぐらい、室内は明るい。

 それもそのはず。床から天井まで届く窓からは、海と空がバッチリ見えている。

 海には太陽光が当たり、光り輝いていた。


「ベランダに置かれている椅子にお座りいただくと、今晩打ち上げられる花火も完璧にお楽しみいただけます。星空もとても綺麗に見えますよ」


 スタッフの言葉にベランダを見て、そして 室内を見渡すと……。高級そうな家具が置かれ、壁にはイルカを描いた絵画も飾られている。錨をデザインしたソファセットのファブリックも、とてもお洒落。シャンデリアも実にゴージャスだ。


「ベッドルームは二つございまして、左右の扉からそれぞれのお部屋へ行けます。専用バスルームはこちらです」


 ベッドルームはツーベッドタイプなので、この部屋は四人が宿泊できた。だが実際にここに泊まるのは、エリダヌスと私だけ。寝室を別々に使うために、この四人部屋を押さえることになった。勿論これは、私達が婚約しているが、婚前であるためだ。


 そのベッドルームは、これまたホテル仕様。


 天蓋こそついていないが、ワイン色のリネン類は落ち着きがあり、品を感じる。

 ベッドルームにも窓があり、今の時間、室内はとても明るい。


 さらに専用バスルーム!


 船の旅という時点で水は貴重だろうに。バスルームがついているのは嬉しい。


 実際にバスルームに入り、中を確認すると、手動ポンプ式のシャワーが用意されていた。備えられている樽にお湯を満たし、使うようになっている。


「ディナーの後、オペラか演奏会を鑑賞したいのですが、可能ですか?」


 まさに私がそうしたいと思っていたプランを、エリダヌスがスタッフに尋ねてくれていた。


「勿論でございます。ディナーを十七時と少し早めにしていただければ、二十時からのオペラをお楽しみいただけます。演奏会は十五時からもあるので、よろしければそちらを予約されますか? 演奏会が終わりましたら、そのままレストランへ移動いただき、ディナーとなりますが」


 今から昼食までの時間を使い、船内を散策できるだろう。デッキから景色を楽しみ、船内施設は勿論、沢山のショップも見ることが出来る。その後、レストランで昼食を摂り、終わったらサンルームでエリダヌスの膝枕だ。


 でもそう何時間も膝枕をしてもらうわけにはいかない。そう考えると演奏会に向かい、そのままディナーを楽しみ、オペラで締め括るのは……。いいと思う!


 私は今の提案のプランでいいと思うと、エリダヌスに告げる。推しはキラキラとした笑顔となり、スタッフに予約を頼む。エリダヌスに頼まれたスタッフは「賜りました~」と思わず目がハートになりかけている。


 こうして短いながらも充実した豪華客船のステイプランが決定。


 演奏会もオペラも楽しみ。

 でもまずは……膝枕です!

お読みいただき、ありがとうございます!

リアルタイム読者様、お付き合いいただき

ありがとうございます。

ゆっくりお休みくださいませ。

明日は10時頃に公開予定です。

よろしくお願いいたします~

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