翔へのフォロー 朝陽へのクエスチョン 高坂さん
そして、ちらっと私に視線を移して、すぐに正面に戻した。
「男が桃の花言葉なんて、アレルギーでちょっと調べて、で思いつくかなって思わない?」
急に、話しが変わって、内容に頭がついていかない。
まだ、翔の話しが続いているのか。
「え?」
「花言葉はね、前から知ってたんだと思うよ。アレルギーのほうは後からついてきちゃったけど。だって、アレルギーの事なんて、とっくに別で勉強してるんだから。今さら、桃の事、調べるなんて、ね」
「は?」
「朝陽さんは側にいない、つかみどころのない相手だから、色々知りたくて、わかっている情報を深く調べてるんだろうね、ずっと。いつか、のために」
いぶせしげに彼を見た。
彼は亜紀と翔を見つめたままだ。
この人は何を言い出したんだろう? メールのおせっかいって言ってたけど。
亜紀に送ったメールは、カフェで翔に何を言ったの? とクリスマスの桃缶の謎を翔が解いたこと。
あと、今朝、送ったメールは翔が、姉さんと呼んでくれなくなって、少し寂しいこと。
「男はね、結構、君が思っている以上に考えるものですよ。女の子を下の名前で呼ぶタイミング。気がついても否定してないで、受け入れてくれるように。必死だよ」
「そんなようなこと、言ってました。なんで、でしょうか……」
その瞬間まで、手が冷たくなるまで緊張していたようだった。
私が考え込んでいると、
「うん。彼、相当、頑張ってるね。離れてる分、こういう会っている時を大事にしたいだろうし」
翔も、同じようなことを言っていた。
どうして、この人は、わかってるように話すのだろう。
今日、初めて、会った翔のことを。
上目遣いで彼を見ると視線に気づいて、ようやくこちらを向いた。
「翔のこと、よく知ってるみたいに話しますね。私の、わからないこと」
私から瞳をそらすようにして、亜紀と翔の方を眺める。
「ごめんね。僕は男だから、彼のことがわかる。フォローしてるつもりだけど、ここからは君も考えなさい」




