06
いまだ…黒ヤに抱えられている真桜は
もう叫ぶ元気はなかった
「(もう…どうにでもなれ…)」
「黒ヤ~」
遠くから黒ヤを呼ぶ声がした
暗は明るく黒ヤと真桜に手をふりながら追いついてきた
「(ものすごい速さですけどー!!!!!)」
真桜にはもうつっこむ力もなかった
黒ヤは暗の声を耳にするとビルの屋上に止まった
「話は終わったのか?」
「うん!あっ…真桜ちゃん、これ姫から~」
暗がポケットから出したのは
いつぞやのボイスレコーダーと小さなメモ紙だった
「ありがとう…(聞け?)」
真桜は暗からレコーダーを受け取った
そしてメモ紙には簡単に一言しか書いてなかった
真桜は雲母らしいと少し笑いながらレコーダーの再生ボタンを押した
《もしもし…居場所わかったよ…うん、電話はかけ続けるものだね
……うん、私も、愛してるよ…千ちゃん…》
ピシッ……バキィッ
「うぉっ!!!!?」
「ハハハハハ!!!!!…信じてたのに…信頼してたのに…」
「その子なら姫が…殺ってくれるよw」
「なら…安心。黒ヤさん…早く私を連れて行って!強く…殺せる力が欲しい…」
「コワイネ~wwwwまー僕に任せなってwww」
真桜は握りつぶしたレコーダーをその場に残し
三人は闇の中に消えていった…
「やほ~空良ちゃんw」
「……」
「私が怖いんだって?私は正論を言っただけ…な~んで怖いの?」
「わ…私は誤りましたよ?べ…「誤ったって?」っキャッ!!!!」
一定の距離を保ち雲母と空良は話していた
雲母はいつものように明るくくるくると楽しそうにしていた
逆に空良は暗い表情で楽しそうな雲母を見ていた
雲母に話しかけられ、反論しようとしたとき、目の前にいた雲母は
空良に接近した…急なことに驚いた
「私は!千ちゃんを愛してるの!!!!!あの子が悪いのよ!千ちゃんのものにならないから!」
空良はあきらめたように…狂ったように話し始めた
「千ちゃんが真桜ちゃんの電話番号を他人に流したり…苛めに合わせたり…
それはぜぇ~んぶ千ちゃんが、真桜ちゃんを手に入れるため!!!!!何が悪いの?」
「…いいことだと思ってるの?」
「千ちゃんがなにしようと…悪いという人はいないんだよwww何言ってんの?
……でも…いいな~真桜ちゃん…あんなに千ちゃんに愛されて…」
空良は羨ましそうに頬に手を当て笑った
「…言いたいことはそれだけ?」
「なっ!!!?世界に愛されている千ちゃんのことを話してあげてるのに…それだけって!!!!」
空良は雲母の言葉に怒った
雲母はそんな空良を無視していた
「ちょっと!はなs…「ここで殺すのは簡単なんだけどね~」は?」
雲母はけらけら笑いながら楽しそうに言い放った
空良は雲母は頭がおかしいのかと思った
普通の人間が簡単に”殺す”という単語を使うことはないと
思っていたからだ…なのに目の前にいる雲母は簡単に言い放った…
「私が普通の人間って…まだ思ってるわけ?」
空良が頭を悩ませていると
雲母の声が後ろから聞こえた
空良は振り向こうとした途端…………プスッ
っと首筋から音が聞こえた
空良は遠のく意識の中、雲母を見ると
右手に注射を握り不敵に笑っていた
「私の知り合いが・・・・実験体が欲しいって言ってたからちょうどいいわw」
誰もいない街に雲母の高い声が響いていた




