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99.転生

無事に転生を果した、まだ赤ん坊のためしゃべる事は出来ない、無事に純血のダークエルフに生まれる事が出来たが女に生まれてしまったようだ、それでもスキルで性転換をするためのポーションを作成できるはずだまだこの身体ではスキルや魔法を使いこなせないためもう少し先になるだろう


早く前世の記憶が戻るのは有り難いが早すぎるのも問題だ、せめてオムツから解放された後がよかった、母親が今のダークエルフの族長の様だこれは有り難い、父親は誰だろう優秀な相手だとは推測出来る、前世で魔王だった時と比べれば物足りないが赤ん坊としては考えられない魔力の高さだ


「貴女の名前はヒルダよ弟のカインとどちらが次の族長に相応しいかしら?」

母親から声を掛けられた


双子の弟がいる様だ、魔力を測ったところまずまずの値だ、族長の息子と考えればそれくらいは無いと困る、成長するまでに格の違いを見せつけてやろう、まずは授乳の時に分からせてやろう弟は姉の残りで我慢するべきだ2人でそれぞれ左右の乳房から乳を吸う


細見のダークエルフの母乳の量は少ない素早く吸えるだけ吸いつくして弟を押しのけてもうひとつの乳房に口を近付ける


「駄目よヒルダそっちはカインの分よ、カインそれくらいで泣いてちゃ駄目よ」

私は側仕えのダークエルフの女性に抱えられた、これではとてもじゃないが足りないもっとよこせと言おうとしたが自分の小さな口から出るのは泣き声だ


「ヒルダ様お待ちくださいこれをお飲みください」

ガラスだろうか透明な容器に入られた液体を出してきた先に乳首の様な物が付いている


怪しさに身構えるが抵抗できないまま口に差し込まれた、中には乳がはいっている温度も適温だ、こんなものが有ったのか乳母を用意する必要が無いとは便利になったものだ、そこですぐに異常に気が付いたごく薄いものだが乳に毒が入っている


「ヒルダ様は凄いでち、馴らすために入れた毒に気が付いているみたいでち、生まれたばかりなのに何かスキルも持ってるみたいでち」

少女が騒いでいる


ダークエルフにしては少し肌の色が薄い、髪は黒みが入った銀髪で頭に赤黒く細長いい花びらが多く付いた花が咲いている、そうだアルラウネだ、私が魔王だった時にも部下が育てていたがその時には実戦で活躍できるレベルではなかったがこのアルラウネからは異常な魔力を感じる


「アンジュ、ヒルダは大丈夫?毒は私が確認したから強すぎる事は無いはずだけど」

母親がアルラウネに確認する


アンジュ言う名の様だ母親の血で育てたのだろうか?他にも血が与えれれている様だ、別のダークエルフと人間だろうアルラウネから感じる力で推測する、それなら父親の血と仕留めた手強い人間の血を与えたのだろう、もしかしたら勇者の血かもしれない自分の状態を考えるとこの母親は大当たりの様だ私は運が良いこの後の自分の成長が楽しみだ


弱体化しているが「蟲毒壺」のスキルも共に転生出来た部下に与えた子供のスキルやそこから拡がった孫のスキルは生きているだろうか?スキルを起動して探すが見つからない消えてしまったか私の後に勇者たちにスキルの所持者が殺されたのだろう、それとも寿命で無くなるくらい後の時代なのだろうか?


「カミラ様、大丈夫でち、もう少し強い毒でもいけそうでち」

それはそうだろう私を何者だと思っている、私が倒された影響だろう「蟲毒壺」に蓄えられていた毒や呪いに病の情報は失われているがある程度毒に対する耐性は残っている、親からも引き継いでいるだろう問題なく毒を克服し「蟲毒壺」に毒の情報がたくわえられる


「カミラ様「蟲毒壺」のスキルをヒルダ様から感じるでち、情報共有していいでち?」

「アンジュ待ちなさい、香織を呼んで確認してからよ」

妙な事を言っている


「情報共有」だと?子供や孫にあたるスキルが毒等の情報を交換してお互いを強化するための作業だ親へ自動的に捧げられる情報を別の子に与える事も出来るが共有とは言わない、もちろんこのアルラウネの持つスキルは私の与えたモノではない


大罪スキルとは違い「蟲毒壺」はこの世界に唯一のスキルでは無い、別のダークエルフが発現させたのだろう、それならば私の父親がそうか?自分の血で育ったアルラウネであれば子供のスキルを与える対象として妥当な判断だ


母親が族長を務めている事を考えると私と違い表に出ないタイプの者なのかもしれない、だとすれば面倒な事がある腹違いの兄や姉がいれば族長争いの強力な相手となるだろう、「カオリ」と言ったか母が呼ぼうとしている者が父親の名の様だ敬称を付けて呼んでいない事を考えると若い男なのだろうか?


そうならば父親自体がライバルに成り得る、力の有り過ぎる子供は時に部族を割る危険がある、あまり調子に乗ると危険視されるだろう自分の恨みを晴らす前に大きなハードルを越えなければいけない様だ、女に生まれた事を利用して大人しくすると今度は誰かの子を産む役目に着かされる加減が難しそうだ


念話で連絡したのだろうかスキルの効果で転移して来る者がいる、未知のスキルだ先程のアルラウネを転移の目標座標にしているようだ「蟲毒壺」の効果だろうか同じスキルでも使用者によって効果に差が出る事がある事は分かっているが自身の「蟲毒壺」で検証したいところだスキルの成長を待とう


「カミラ母さん、無事に出産出来たみたいね、ヒルダ姉さんは来てないの?」

女の声が聞こえる、どうやら父親ではないらしい


「チヒロは来ないわ、お祝いの手紙は届いていたけどもう私の後継者では無いのよ、悔しい事に世界樹に奪われてしまった、忘れ形見は置いて行ってくれたけどね、香織も抱いてあげてこれからはこの子が私のヒルダよ」

母が私を抱きあげて人間の女に渡された私を抱いて面白そうに見ている


「大したものじゃない、流石魔王エミルと言う訳ね、「蟲毒壺」が教えてくれたわ、ゲオルグに知らせたから彼もすぐ駆けつけるでしょう、感動の再会になりそうね」

この女が「蟲毒壺」の受け皿か、スキルと対等以上に付き合っている様だかつての私以上の力をもっている、かつての私の様にスキルに使われてはいない様だ


「そうだ「人面瘡」よ受け取りなさい」

私の「蟲毒壺」に呪術の情報が転された


「これで会話が成立するわね、記憶も戻っているのでしょう?」

なんてものを会話の手段にするのだ、仕方がない自分のお腹に作り出して会話をしよう


「初めまして人間の女、お前が今代の魔王なのか?」


「初めましてヒルダちゃん、貴女のおねえちゃんの香織よ、よろしくね」

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