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98.答え合わせ

ミネアから子供が出来たと連絡を受けた、名前をどうしたら良いのかと相談されている、この世界の名前の付け方が良く解からないと言う


「誠二さんはどう考えているの?向こうの御両親の意向は聞かなくて大丈夫?」

私が聞くと夫婦二人で決める事にしたのだという


香織が婿に貰う事で話を進めていたが、誠二さんの仕事の事を考えて前川家に嫁入るする事にしたのだ、誠二さんの兄が跡を継ぐため2人+犬一頭で暮らしている、この犬は早太郎(フェンリル)の子供だ、早太郎は前川家で番と暮らしている、前川社長も香織達2人の自由を尊重してくれている、夫は少し不満は有る様だが、警察内部の事も知っているため認めてくれた


流石にアラフォーで2人目を作るのは厳しいが現場を離れてデスクワークが増えているが夫は年の割に元気で腹も出ていないから先の事は分からない、私も娘と姉妹に間違われる事もある、二度目の学生生活中に声を掛けられ、結婚指輪と年齢に驚かれる事も多い


「一応私の案を出すわね、香織から一文字とって伊織とかどうかしら?男女どちらでも大丈夫よ、日本の剣豪宮本武蔵の養子の名前も伊織なの」

私の案をミネアに伝える


「検診で女の子だと分かっているの、どうしてか分からないけど私はエレノアと言う名前が浮んだの、でも日本ではなんて言ったっけ、そうだキラキラネームになりそうで、聡美さんは息子に徐庵と名付けたんですよ流石に娘に悪いかなと」

それを聞いて私が複写して受け継いでいる「氷上千尋」の記憶が呼び覚まされた


カミラ様が魂を喰らった勇者の名だ、その食い残した魂をこの世界に短剣で運び解放した、その時「氷上千尋」の手で暗殺した勇者の恋人の魂も一緒に開放している、聡美さんの息子の名前が恋人の戦士の名だ

そんな偶然が有るはずがない、間違いなくこの世界で転生を果したのだだろう


「あ母さん、どうかしたの?電波が安定しない?」

しばらく返事が出来ないでいた


「それなら名前は日本式に普通に決めて、真名として秘密の名前の一つに組み込めば良いじゃない、千秋様もそうだったはずよ」

あの使徒が真名が多い理由は名前を決める時に家族で揉めたからだがミネアに伝える必要は無いだろう、エレノアの名が残る事こそが大切な事だと思った


「そうね、誠二さんにも考えて貰う事にするわ」


「娘が男の子と間違えられるのは困るし、女の子と確実に分かるな名前したいのだけどいい案は無い?」

ミネアから追加の質問が来た


「そうね香織から一文字貰うなら「香奈」とか「詩織」になるかしら?誠二さんから一文字貰うと「誠羅」とか「誠奈」でしょうね「二」は使えないから気を付けてね」


「有り難う母さん、誠二さんに相談してみるね」


「香織!お父さんにも知らせているわよね?遅くなると可哀そうだし、後が面倒よ」

電話を切ろうとするミネアを止めて確認した


「大丈夫よ、誠二さんから報告してもらっているから大丈夫よ」

それだけで大丈夫なのだろうか?香織本人からも報告する様に伝えて電話を切った


私もヒルダ様に報告しなければいけない、こちらはカミラ様経由でしか報告できないがきっとお喜びになるだろう、出来ないと思っていた「答え合わせ」が出来たのだ


それ以外に細かい仕事がある、聡美さんに出産祝いが必要だ、いやそもそも出産は無事に終わっているのだろうか?結婚の報告も受けていない、私の様に聡美も授かり婚なのだろうか?






「聡美ちゃん、お目出度だと聞いたわ、お祝いをさせて欲しいの、詳しい事を聞かせて欲しいわ」

犬飼さんのお母様から連絡を受けた


表面上はお祝いの言葉だが「何故隠していたのか?」と言う非難が混じっている気がするのは千尋さんに苦手意識が有るからだろう


「有り難う御座います、仕事も忙しく入籍だけで良いかなと、恥ずかしながら「できちゃった婚」なので、それよりも香織さんも妊娠された様でおめでとう御座います」


「こちらこそ有り難う、でも式は上げないと駄目じゃない、前川社長も仲人をしてくれるわよ、私から頼んでおいたの」

最悪だ、これが予想できたから黙っていたのに


両家のバランスを考えて招待状を出したりと面倒な事が多い、前川社長が絡めば前の上司の朝倉課長にも話が行くだろう、気が重くなった


「心配しないで、面倒な事は真理さんが全部やってくれるから聡美ちゃんは安心して仕事を片付けて産休の準備をすれば良いからね」

千尋さんが既に話を進めている事が判った


真理さんは前川社長の息子のお嫁さんだ、優秀だと聞いているし何度かお会いしたことがある、確かに全てを任せて大丈夫だろう、御祝儀で式の費用を賄えるだけの段取りもしてくれるだろう


それでも、これ以上社長に借りを作りたくない、遠回しに転職し前川さんの会社で働かないかと圧を感じているのだ、安心と不安が抱き合わせでやってきた


「聡美、その電話は結婚式の話しかい?、招待したい友人や仕事仲間のリストを真理さんにメールしておいたから後は聡美の友人だけだ、なる早でリストを送りたいから頼んだよ」

夫にも先回りで話を通され外堀を埋められた、もう逃げれられないだろう、せめてあの元クソ上司を招待客から外す、これだけは譲れない

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