94.模擬戦
「あとは若い3人に任せて」
女神が私達3人のギスギスした空気を察して逃げだした、それは見合いでいう台詞だろう等と私も現実逃避をしているとカーリアと千秋が殺気を纏いだした、「私のために争わないで!」そんな台詞を吐けば場が和まないだろうか?これも現実逃避だし、下手をすれば二人の殺意は私に向けられる
仕方がない実力行使で2人を制圧して無理矢理自分のペースにもっていこう、カーリアと千秋個人の戦闘力なら千秋の方が戦い慣れているはずだ、2人とも同じ使徒とはいえ元勇者と元聖女では結果が見えている、カーリアに勝機があるとすれば初手で千秋のスキルやアイテムボックスを封じて素手の格闘戦に持ち込むしかない
剣と魔法が無ければ神殿で学んだ武術が生かせる千秋も素手ではカーリアに敵わないだろう、千秋の初手を押さえて、カーリアにスキルやアイテムボックスを封じさせた後私がゴーレムを展開して2人を押さえる二人の呼吸を探りながら手を出す機会をさぐった
千秋がスキルを発動しカードを実体化しようと動くそれに合わせ私もカードを実体化した、これで千秋の注意を引ける筈だ、ゲームで女神やカーリアには見せたが千秋が見るのは初めてだろう、2人から聞いているかもしれないが実際に見せれば少しは効果がある、その少しをカーリアが突けばいいそれで安全に制圧できる
読み通りにカーリアがスキルを発動しスキルとアイテムボックスの使用を封じた、だが私の読みに一つの誤りがあったカーリアのスキルの対象は千秋では無く私だった、私の実体化したカードは消えスキルの発動もゴーレムの展開も不可能となった
「上手くいったみたいね、暗黒神のスキルは私が封印しておいたわ、今度こそあとは若い3人に任せて引き上げるわ、楽しんで頂戴」
逃げ出したはずの女神がいた、そしてこの台詞をはいた後にこの場から立ち去った、全てが私を騙すための演技だったようだ
「弥生様、これで貴女は私達2人の思いの通りです、弥生様を私達2人で共有する事にしたんですよ」
カーリアが笑いながら宣言した
「カーリア、約束通り最初の一晩は私が1人で楽しむからね、その後は2人で弥生を歓迎しましょう」
千秋が私をカード化した魔法で拘束してカーリアと今後の私の扱いを確認している、どこまでの事をするつもりなのだろうか?
「カーリア、弥生の「軍団」のスキルだけ封印を解除して、私もボードゲームで遊びたいの」
千秋がカーリアに言った
「浮気した罰を与えるのじゃなかったの?」
「それは後で2人で思い知らせてあげましょう、五分の条件で楽しみたいのよ」
千秋らしい、女神から聞いて楽しみにしていたのだろう
「私は初めてだし先手を貰って良いよね、盤面は弥生が女神様と対戦した同じ和平の期限が切れる10日前からスタートで、使徒も私の駒として使って構わないのよね?」
ゲームの設定を確認しルールも説明した
戦闘についてはスキルによる再現では無くダイスで判定する、暗黒神のスキルを使わないと女神と対戦した時の様なリアルな再現は出来ないからだ
「それじゃ遠慮なく先手をもらうわ、初手は香織を使徒として神域に招いて彼女スキルを強化するわ」
弥生が女神側の行動を宣言する
「えっ?」
耳を疑った、想定外の手だ、これ以上言葉がでなかった
「聞こえなかった?、香織を使徒に迎えてスキルを強化する、一回降臨できる神力を残してスキルの強化に使うわ、成否の判定ダイスは必要かしら?」
千秋がニコニコしながら再度行動を宣言した
「そんな手を使うの?」
「そうよ、最善手だと思わない?将棋に例えれば、盤面の飛車を持ち駒にして龍に成った状態で自由に打ち込めるのよやらない手は無いわ、判定ダイスの目標値を教えて」
「3D6で12以上で成功かしら」
「え~厳しくない?期待値で10.5なんだけど、半分以上失敗じゃないの!」
「イライザや子供を置いて使徒になるのは香織にとってハードルは高いと思わない?」
「辛いわね!仕方ないか、ダイスを振るわね・・・出目は・・13成功ね。弥生のターンよ」
「何もしないわ、和平のために使徒が降臨するのを待つわ」
「ならターンを飛ばして、和平の期限の前日に最高司祭へ神託を下すわ、使徒は降臨せず、現状維持の和平を提案して、予定通りに弥生を使徒に迎えるわ」
「千秋こんな方法で勝って楽しいの?」
「あら、負けを認めるなら投了を宣言しないと駄目よw、質問にも答えるわ、もちろん楽しいわよ」
打つ手が無い、確実に負けない手を打たれた
「投了よ、投了するわ、貴女の勝ちよ千秋」
悔しいが勝ち目など無い
「そうなの?このままで私が暗黒神側をやらして貰えるかしら、構わない?」
千秋が言い出した
「構わないけど、どうやって対抗するの?」
千秋に聞いた
「それじゃ行くわね、予定していた後継者が使徒に迎えられたため、弥生が使徒になる日を延期させるわ、和平を延長してターンエンド」
「イザベルとフレデリック・ポールで魔王カトレアを襲撃させるかしら、千秋のターンよ」
「和平を破る訳ねwカトレアは真祖のままね名誉の戦死かしら、アンジュの蜂や蟻で「法王国」の要所を奇襲させるわ」
「使徒として香織を降臨させる、アンジュを止めるわ」
「ダリアを連れて暗黒神の所に逃走、香織に世界のバランスを取るために魔王になる様に唆す」
「そこまでするの?」
「香織が魔王になる選択をするかの判定は?」
「要らないわ千秋の勝ちよ、ゲームじゃなくて本当の世界でもそこまでするの?」
「弥生も使徒になってくれたでしょ、それと同じよゲームだからそこまで出来るのよ、楽しかったわ」
それを聞いて安心した、私も出来ないだろうし、出来なかった
「ところで、例の暗黒神の居る世界に殴りこむの?」
千秋が聞いてきた?
「千秋が付いて来てくれるなら、情報を集めて模擬戦を繰り返し、確実に勝利出来るのまで準備出来たらやるわよ」
私が正直に答えた
「模擬戦までなら付き合ってあげるけど、確実に勝つゲームはやりたくないのよ、それは作業だわ」
「この先この世界は詰まらない作業しか使徒の出番はないわ、私がそうする、千秋はそれでも良いの?」
「カーリアと弥生を賭けた楽しいゲームをするから大丈夫よ、壊れないでね弥生ちゃんw」
封印を解かれている「軍団」の能力で私の身代わりのゴーレムを準備しよう、2人に責められたら本当に壊されかねない




