9.懺悔
「ミネア様、今のはどういう事ですか?」
カーライル殿が訪ねてくる、当然のことだろうダークエルフとエルフ語で会話をしてそのあと相手は引いたのだ、その前には寝返りの勧誘まであったのだ説明が必要だろう
「その疑問は当然です、急ぐため手短に説明します、私がダークエルフを殺した時の短剣を覚えておられますか?今の状況をお見せします」
と答え刺青を他者から見える様に戻す、そのあと短剣の姿で取り出した、驚き言葉の無い様子なので言葉を続ける
「この短剣は呪いの武器もしくは暗黒神の神器だと思いますその両方なのかもしれません、私がこれでダークエルフを殺したため所有権が私に移ってしまいました、馬に乗れるのも、エルフ語がしゃべれるのもこの短剣のおかげです」
「優れた能力ですが代償も大きく魔獣でもよいのですが生き物の魂を捧げないといけません、そうしないと生き物を殺したい言う衝動にかられ最悪の場合見境なく生き物を襲うでしょう」
「早く力の強い司祭様に浄化して頂かないとなりません、それが無理なら私と共に封印などの対応が必要です、この旅が最後の旅になってしまうかもしれませんが早く目的地に到着しなければカーライル殿の心配されていることが現実になってしまうかもしれません」
「ミネア様、怖くは無いのですか?」
「恐いです、命を捧げなくてはならないかもしれないのですから、それでもこのまま放置して罪のない人たちを殺めるものになり果てる方が恐ろしい、判断は司祭様にゆだねたいと思います、もう自分ではどのくらい自分が変わってしまっているのかわかりませんさっきのダークエルフの言葉に心が一切揺らがなかったと言えば嘘になります、何か深読みし勘違いしてくれた為引いてくれたため助かりました、もしカーライル殿の眼で私が倒すべきものになっいていたのならその剣で私を救って下さい」
今まで言えなかった秘密を明かすことが出来た私は泣きだしそうになるのを堪えながら本音を吐き出した
そのあと急いで神殿に向かいダークエルフの襲撃と短剣の事を報告し判断を仰いだすぐに伝令が関係する多くのところに出され魔術師による連絡も手配された
そして私への対応がこの神殿のトップの司祭により下された年配の女性の司祭様だった、短剣を神殿の床の上に置き私は距離を取る様指示された、申し訳ないと伝えられたあと安全の為に目隠しをされ手足に枷をつけられた、彼女の持つ女神様の力の宿ったメイスでの破壊を試みるという事だった
音と魔力の動きでしか状況は判断できなかったが彼女のメイスに力が宿るのが解かる、あの短剣から解放されることを祈りながら待っていると床を砕く大きな音が聞こえる危険を感じたのか短剣が私の身体の中に逃げ込んだかなり弱っているように感じた最初は右腕に短剣を感じ次に首の方へ向かうのが解かるそして聖印の力を感じたのか最後は心臓の有る左胸に存在を感じた
司祭様に確認してして頂いたところ、左胸に蛇の刺青の様なものがとぐろを巻いているようだ、もう一度取り出せないか聞かれたが短剣となる力が足りないようだった
「申し訳ありません私の落ち度でした貴女を結解で守っておけば違う結果になったかも知れません」
司祭様から謝罪の言葉をかけられた
「司祭様が謝る必要はありません、呪いをその娘ごと司祭様のメイスで砕けばよいのです」
謝罪する司祭様に対し誰かが非難するように恐ろしい提案をした
「正気ですか?そのような考えをするものはこの神殿に不要です出ていきなさい」
「正気でないのは司祭様です私はこの事を本神殿の審問官に報告しますぞ」
司祭様の怒りに対して誰かが捨て台詞を残して出ていった
「心配する事は有りません、貴方は私の部屋で休みなさい私が付いていてあげます」
この後司祭様自ら目隠しと枷が外され部屋に案内されたそして今までの疲れからかすぐに眠ってしまった
どれくらい眠っていたか気が付く司祭様の部屋にに司祭様と私を気に行ってくれている武術の師である司祭と初めて見る男の司祭がいた
「審問官様この娘ですこともあろうかダークエルフの持っていた短剣に呪われてしまったのです」
「そうかそれは一大事だな、では司祭殿が解呪を試みてみればよかろう私が見ていてやろう、どのような呪いかわからんことには判断が出来ん」
「何をおっしゃいますか、呪いの内容など関係ありません審問官様の拳でこの愚かな娘ごと呪いを砕いて頂きたい」
「なるほど恐ろしい呪いの様じゃ周りの者にまで邪悪な呪いを振りまくようじゃその証拠にあんなに素晴らしかった司祭殿が邪な考えに捕らわれその自分の状態に気が付かなくなるとは、そこの娘はまだ耐えているか司祭殿は手遅れの様じゃ、どれ、私の拳で救ってやらねばなるまいこの部屋を汚す訳にはいかん外に出るがよい、いや司祭殿ならば自らの力で呪いを打ち破る事が出来るかもしれん、じゃがさらに呪いを拡げる事は出来んこの神殿の地下に牢があるそこで自分を見つめ呪いと戦うがよかろう、安心しろ呪いが拡がらんように結解も張ってやろう」
司祭の男の顔が真っ青になって、無言のまま師匠の言葉を聞いていた
「お間たち話は聞こえていたな司祭殿をお連れしてくれ、きっと彼なら呪いを打ち破ってくれるだろう丁重に案内してやってくれ」
静かに扉が開き二人の修道僧が部屋に入ってきた、その内の一人は師匠の視察に同行していた人物で顔は記憶に残っていた、彼らに連れていかれるその時になって
「審問官様、違うのですはなしを聞いて下さい」
と懇願するがそのまま連れていかれた、しばらく泣き言や怒声が聞こえていたがそのうち聞こえなくなった
「審問官様有り難うございます、司祭様が頭を下げる」
「わしは自分の仕事をしただけじゃ礼の必要は無い」
「あの男はロクデナシのクズだが足の引っ張り合いで同類の事を密告してくれるから泳がせていた、
そのせいで迷惑をかけたのはわしのほうじゃ、すまなかった」
「それでも最後に役に立ってくれた可愛い弟子の危機を知ることが出来たからな」
「あの男の『呪い』の状況判断は司祭に任せて大丈夫か邪魔なら責任をもって引き取るが?」
「良い戒めとして使えるのでしばらくお預かりします、不要になったら連絡しますわ」
「一度受け取った廃品を役に立つ時だけ使って要らなくなったら回収しろというのは虫が良くはないか?最後の処分までやってほしいものじゃが、よかろう何か役に立つ用途があるかもしれん連絡してくれ」
師匠と司祭様が聞いてはいけない話をしていた、声をかける機会を掴めないまま待っていると師匠が話しかけてくれた
「ミネアよくやってくれたお前のお陰で多くの聖女候補の命が助かった、さすがワシの弟子じゃ」
「その短剣の呪いは最高司祭様が使徒様に相談してくれているもうすこし耐えてくれ、ワシはこのあと何処から情報が漏れたか調査しなければならんお互い問題が解決したらまた修行をつけてやる」
「師匠私はまだまだ未熟です宜しくお願いします」
そして師匠は自分の仕事を進める為部屋からでていった、この時の修行の約束は果たされることは無かった
今後の対応のため短剣から知りえた情報を出来るだけ詳しくを審問官に伝えた
そうしているとカーライル殿が挨拶に来られた、ミリアさんの眠る宿場街の礼拝所に移籍し街を守る任務に就くそうだ




