10.女神の復活
早太郎への対応を考えていると別の問題が報告された
聖女候補の神官がダークエルフ使う暗黒神の神器に呪われてしまった才能のある娘であり助けたいという事だった二つの問題の対応に悩んでいたが同時に解決する方法を思いつき、惰眠を貪っている女神の寝室に向かう
「女神様仕事です女神様の好きな異世界がらみです」
「なんだ『チアキ』最近忙しいみたいじゃないかどうしたんだい?」
だらしない恰好で寝ころんだまま眠そうな声で嫌味を言ってきた
「女神様が私の提出したレポートを放置して対応しないからでは?女神様の責任です」
「今回の仕事は『魂の交換』です現時点で女神様しかおこなえない仕事になりますのでやっていただきます」
「やりたくないなら権能をお貸し頂ければ代行します、さっきの様に寝ていてくださって結構です。」
嫌味をポーカーフェイスで受け流し慇懃無礼に女神を詰める、女神から舌打ちが聞こえる明らかに不機嫌そうだかけていた保険が役に立っている
「やればいいんだろ準備までは『チアキ』がやってくれるんだよね?出来たら呼んでくれ」
ふてくされながらも使徒の主張の方が正しい為要求を吞んだ、仕事を頑張らないという抵抗を頑張ってきたのだが効果が上がらない、このまま権能を貸してしまえば帰ってこない恐れがある、『魂の交換』単品で貸し出せればいいのだが権能のレベルの制限を解除する事しか出来ない『チアキ』が新しい使徒をつくれば全てを奪われかねない今回は我慢して下請け仕事をしなければいけない
日本にいる『白夜』に念話を飛ばし『犬飼香織』さんに繋いでもらい『早太郎』の問題と聖女候補の問題を説明し協力してもらいたいと依頼する
此方の世界の聖女候補の状態を使徒の力で確認したが短剣が弱った状態で入り込んだため魂との関係が完全につながる状態になってしまっていた現時点での主導権は聖女候補に有るが魔力が豊富なこちらで悪意や負の感情に曝されれば短剣の方に持っていかれる恐れがある魂を日本に疎開させ完全に主導権を奪えば逆転されることも無いだろうそれぞれの問題が解決できれば再交換も可能だしお互いが同意があればそのままでも良いだろうリスクはどちらかが交換した状態で死亡した場合再交換が出来なき無くなってしまうことだ
それぞれに今回の解決プランを説明した『犬飼香織』さんには『早太郎』の問題の解決をお願いする、そして最終確認の為二人の魂を神域に招待した
女神の使徒を名乗る女性から早太郎の身体の中に居るフェンリルさんを通して協力の依頼を受けた、早太郎が異世界で黒狼と駆け落ちをした様だ、フェンリルさんの身体を使っているのだ状況的にはレンタカーでナンパをしたまま車を返さないような話だそれを私に連れ戻して欲しい言う依頼だった
使徒様から私の状況を教えて頂いた、こことは違う世界で完全に短剣の主人になることで克服するという話だった確実に戻ってこれる訳ではない両者の合意が必要だ、その世界では魔法ない代わりに魔王はおらず魔物も居ない人間同士の戦争は有るが私の行く国は平和だそうだ使徒様の故郷でもあるとのことだ
「直接お会いするのは今回が初めてですね私は女神様の使徒『チアキ』転生して勇者として魔王討伐を果たしそのあと使徒として女神様の補佐をしています日本では「三澤千秋」という名前でした、犬飼さん無理を言って来て頂きありがとうございますお礼申し上げます」
丁寧な挨拶と感謝で迎えられたあの女神の補佐をするのは大変なのだろう苦労しているに違いない
「ご苦労様です大変なお仕事と思います『チアキ』様は強制されて働かされたりはしてはいないですか?」
「お気遣いのお言葉感謝します、確かにわたしはトラックにひき殺されこちらに来ました、先日の犬飼様と同じくうちのクソ女神が引き起こした事故です、先ずは代わりに私が謝罪いたします、申し訳ありませんでした」
と頭を下げて謝ってくれた、やっぱり苦労しているのだろう「クソ女神」の言葉に感情がこもっている
「この後貴女と『魂の交換』をする予定の者と面会して頂きたます、直接話し合って引き受けて頂けるのであれば女神を呼んで貴女に与えるスキルや特典をの交渉を行います、私も犬飼様側に立ってお手伝いいたします、交渉がまとまった後、最後に土下座させます」
同郷の使徒かサポートしてくれるのは頼もしい承諾して面会に臨んだ
挨拶を交わしお互いの現状を説明するもちろんメリットだけではなくリスクやデメリットも隠さず話し合った見合い話が進行中であることはメリット・デメリット両方の要素がある、再び『魂の交換』をする際の障害になってしまう、帰りたいと思っても結婚して妊娠していたら帰るわけにもいかない、愛し合う二人を引き裂くことになってしまうかもしれない、そんな状況であれば相手も拒否するだろう、話し合いは進みお互いもう故郷に帰ることない片道の『魂の交換』であることを覚悟したうえで合意した
良かった話し合いはうまくまとまった様だと二人を待たせて女神を呼びに行く
「遅かったじゃないか『チアキ』待ちくたびれたよ!」
私が寝室ノックすると中から声がする
ドアを開けると服を着替え髪を整えた女神が待っていた、今回のやらされる仕事でも元々好きな仕事なので気合が入っている様だ数日サボっただけだが普段は仕事で多くの神力を使っていた惰眠の間にたまったのだろう満ちあふれている、犬飼さん側で交渉を手伝うと約束したが場合によっては女神様のブレーキ役に回ることになるだろう
調子に乗って与えてはいけないスキルを渡したり、深く考えすもせず複数のスキルを与えればとんでもないシナジーが発生しまう、トレーディングカードゲームの「印刷すべきでなかったカード」や「何故刷った?」・「禁止コンボ」状態になる、ゲームと違い簡単に禁止やナーフは出来ない、逆に常時発生型のスキルで相性の悪い組み合わせがあれば最悪の場合即死する可能性もある、いや死ねない状態で永遠に苦しむ事すら考えられる、さすがにその様な状況になれば救済するが何のために『魂の交換』をしたかわからない、私も気合を入れなければならない
「よく来てくれた『イヌカイ』さん『チアキ』の尻ぬぐいをさせる事になってすまないね!使徒のミスは私のミスでもある謝らせてくれ!」
「今回のスキルや特典の譲渡では出来る限り希望に答えようじゃないか期待してくれていいよ!」
クソ女神が問題の責任をわたしに擦り付けながら挨拶する、その内容は私の心配が杞憂ではなかったと嫌な現実を突きつける
「ミネア、此度の活躍ご苦労であった!こちらの世界でもっと活躍して欲しかった、いずれは使徒に加え未だに頼りない『チアキ』を助けてくれる逸材であったであろうに異世界へ送り出すことになってしまった、私としても痛恨の至りだ、あちらで苦労の無いようスキルを送ろう!」
ミネア嬢を上げつつ私を下げる、さっきの寝室での嫌味より切れがある、そして私もキレそうになる、あとでレポートを武器にして詰めよう、まずはこの後の土下座が楽しみだ
「女神様、私程度の者にそのようなお言葉を、感激です、『チアキ』様にも助けて頂きました共に女神様のもとで働きたかった」
と泣いている、とてもいい娘だクソ女神の彼女に対する評価には私も同意する
そのあと交渉が始まった、最初の希望は今回のダークエルフの襲撃で亡くなった聖女候補や神殿騎士を蘇らせるためのスキルだった二人で相談しているのを聞いているこのスキルがあれば間に合わず死んでしまった白狼の復活も可能で関係修復の役にも立つ
「流石にその条件を満たすスキルは渡せないね、将来成長してそこに至る下位のスキルなら可能だか今回の犠牲者には間に合わないから意味がないだろ、仮に渡したとしてもただでさえ今回の活躍でミネアはダークエルフに目をつけられている、今は寝返りを期待して様子を見ている状況かもしれないがダークエルフ目線でせっかく仕留めた聖女候補を蘇生していけば個人を対象に本気で狩りに来るよね、この世界になれないうちにそんなことになればたまらない」
「だからさ、蘇生が出来る霊薬を用意しよう、いくつ必要だい?『チアキ』今回の被害を教えてくれ調べてあるんだろ?」
いつもより頭が切れる、流石に渡してはいけないスキルだ、被害状況もまとめてある
「ミネア嬢の活躍で聖女候補の被害は軽減出来るました30名の候補に対して5名の被害が出ております、ミネア嬢の活躍が無ければ半数上の被害が出ていたと推測します、その代わりダークエルフとの交戦でミネア嬢を護衛せていたミリア殿を含め28名の神殿騎士が殉職しました手練れの刺客を8人仕留めることが出来ているのですが被害は許容できる範囲を超えています」
「何だいそれは、やってくれるね~、確かに10名以上の候補を救っている事を考慮しても割に合わん」
「私としても戦力の回復は図りたいがその数は無理だ12個がやっとだまだもう少しあるが使い切るわけにはいかん作成には時間と神力が必要だ、白狼に1残り11になるが役立たずの候補を蘇らせても意味がない、どうしても賄賂で選ばれたものや貴族が娘に箔をつける為に送り込んだものが紛れ込むこいつらを省け、今後の戒めにもなる何故奇跡の対象から外れたか思い知ればいい、そして神殿騎士はミリアは確定として優秀な者を年齢も考慮して選抜しろ」
「ミネア、ミリアの復活はお前に任せる『チアキ』を同行させるフェンリルも遣わそうメスの個体から二頭『チアキ』が選べ、この使命が終われば先にこちらに来た『早太郎』の番として残しても良かろう!ミネア、これが私が下す最初で最後の使命になるしっかり果たして見せろ、短剣の呪いは今は安定していると聞いている『チアキ』異論はないな?」
別人?いや別神?普段との違いに戸惑っていると
「『イヌカイ』君を待たせることになるすぐに行け!ミリアの復活が終わったら現世に残り他の問題の対処だ復活対象者の選定が終われば残りの霊薬を届けよう『チアキ』返事は?」
と瓶に入った霊薬を一つ放り投げてきた、慌てて受け止め
「女神様の御意に」
と答え、女神様の前にひざまずき深く頭を下げるミネアの魂をものと体に届け、フェンリルたちのいる雪山へ魔法で跳んだ




