8.急報
宿に戻りもう一泊することを伝え井戸で神官衣をを洗った、旅路の為下着の替えは有るが神官衣は一着しかないこれは神殿から貸与されている、今は私服の簡素な麻のワンピースだこれも一帳羅だ私が身の回りの世話をしていた先輩の神官からからおさがりで譲られたものだ、実家の支援があるなら私物の制限は有るもののもう少し多くの服を持てるが私の家は貧しい農村で大した娯楽も無いため兄弟は多く5人兄弟の3番目の次女だったそれでも村の他の家ではもっと多い、5人で打ち止めにしてくれていた為助かった私が5歳の時凶作となったのだ
当時わずかながら神聖魔法の適正があったため口減らしに神殿に預けられた、ほかの家の様に人買いに売られなかった事を感謝している、一番目の7歳の長女は父が可愛がっている残りの三人も男の為将来の労働力に数えられている為大丈夫だった翌年は豊作となり借金することなく乗り越えることが出来た
姉は昨年16歳で村の恋人と結婚した、凶作の影響で適齢期の女性が減っていた為貧しい村の中では上の方の家に嫁いだ、当時私は神官になりたての14歳だが神殿の好意なのか位の高い神官を呼ぶ寄付金がなかったのか私が二人の式で結婚の誓いを見届けた、おそらく両方の理由なのだろう神殿には寄付金代わりの穀物と野菜がおさめられていた、それでも私の村で式に神官を呼べるのはすごい事だった、村長が神官の代理をするのが普通だ
その時私は9年間修行していたが同年代の神官と比べて神聖魔法は甘めの自己評価でも中の下だった、その代わりに武術の才能には恵まれており私が指導する立場になっていた、3か月ごとに本神殿から視察に来られる司祭に気に入られその度修行の相手をしていただいた今回聖女候補に選ばれたのはその為だろう
夕方になり井戸の近くにある物干しで乾いた神官衣を取り込んでいると
「聖女様こちらでしたか」
神殿騎士のカーライル殿から声がかけられた
「聖女様はやめて下さい」
「ではミネア様、夕食の準備が出来ていると宿の主人が」
二人で宿の食堂に向かう、十分に睡眠をとり明日早く出発する為は早めに用意して欲しいとお願いしていた時間が早いため食堂には二人しかいなかった
「ミネア様、本当は教えてはいけないのですがこの旅も聖女選定の試験になっています、私は強くミネア様を推薦するつもりです」
「他の候補者にも試験官を兼ねた神殿騎士が護衛として同行していますが貴女が一番でしょう」
カーライル殿は何か誇らしげに話してくれた
「一緒に旅をすれば情が移るのでは?他の候補者も優秀でしょう」
私は返事をしながら他の候補者の事を考えた、誰が選ばれているか分からないし他の神殿に行ったのは神官になった時本神殿に行った一度きりだ、あの時一緒に最高司祭の前で神官になる誓いをした仲間の中に選ばれているものは居るのだろうかと考える、そこで再会出来たら嬉しいと考えたとき最悪な予感がした
「カーライル殿聞いてください、ダークエルフに狙われたのは私達だけなのでしょうか?私は特別名前の知られた神官ではありません、そんな私が狙われたのですもっと評判の高い候補者もおられるはずです」
カーライル殿の顔から血の気がひいて青くなった、私の顔もそうなっているだろう
何故昨日気が付かなかった、ミリヤの死で頭が一杯だったとはいえ私が気づかなければいけない事だった
気が付いたのまだ15歳になったばかりの聖女候補だ
「一刻も早く本神殿に知らせなければ、ミネア様は馬には乗れますか?」
恐らくそんな経験は無いはずだか私は聞いていた、背中につかまって貰って二人乗りで進むか、ここに残ってもらって私が1人本神殿まで走るかだがそれではミネア様に危険が迫った時守る事が出来ない‥悩んでいると返事が返ってきた
「大丈夫です乗れるはずです、急ぎましょう」
短剣の効果で可能なはずだ、意識を他人からは見えない刺青に集中するダークエルフの経験にそれは存在した、別の可能性に気が付きダークエルフの記憶をさかのぼろうとするが計画自体が存在することまでは分かったものの他の襲撃計画の内容は分からなったそれぞれの担当者にダークエルフの女が指示を出していた私を襲ったダークエルフの妹で族長の娘だ私を襲ったのは族長の息子という事になる強いはずだ、短剣で魂を喰らうために接近戦を仕掛けられたが魔法で狙われたら助からなかっただろう、それでも私の後別の候補者三人を狙う予定だったことは分かった、私がこのダークエルクの最初のターゲットだ、喜べたことではないがこれに関しては運がいい
本神殿までなら徒歩であと7日の距離だが三日の距離に大きな町がありそこの神殿には神殿騎士が常駐している、そこまで行けば伝令を出してもらえる、魔術師の魔法で連絡する事が出来るかもしれない
無理を言って馬を二頭借りることできた、軽くするため鎧を宿にあずかってもらい出発する
心配していたがミネア様は馬を乗りこなしている体重が軽い分私より早い宿場町より先は街道が整備されていて順調に進むことが出来た、日か落ちてもミネア様のスピードが落ちないなぜそこまで夜目が利くのかだろうか今朝も女神様の神託を授かっておられた加護を受けているのかスキルを授かっているかもしれない私は剣の先に神聖魔法で光を灯して後ろに続く、盗賊や獣・魔獣など邪魔者に遭遇することなく徒歩でで一日の距離にある関所を兼ねた街に真夜中前に到着した
街の門を守る兵士に身分証明書を兼ねた聖印を見せ話せる範囲で事情を説明すると責任者が出てきてくれ通して貰える上に替えの馬も準備してくれるとのことだった、魔法で連絡を取れるものは居ないかと尋ねたが非常時の狼煙の準備があるが魔術師は居ないとのことだ、気持ちを切り替え準備が整うまで仮眠をとった、しばらくすると準備が出来たと告げられる30分くらい眠っただろうか?空の星を見て確認する夜明けまでに次の街に着きたい
流石に夜明けまではは無理だったが朝早く街に着くことが出来た丁度街の門が開くころだった、焦りがあったのだろう夜明け前についても結局この時間になっていただろう、街で替えの馬を調達し眠気の出ない範囲で食事をとったミネア様もこの強行軍によくつい着てくれる大したものだ、あと徒歩で一日の距離だ昼までに目的の神殿に到着出来るだろう、もうひと踏ん張りと気合を入れ出発する
二時間ほど進み峠道に入る最後の難所に差し掛かった時大男に率いられた盗賊らしい集団にが進路をふさいだ
「馬と女を置いていけ!抵抗しないなら男は通っていい!」
「私は神殿騎士でこちらの方は聖女候補の神官だ!大人しく通すのであれば見逃してやる盗賊ども!」
「それなら余計に通す訳にはいきません、二人とも確実に殺してください」
大男の脅しに私が大声で返すと隣にいたフードを被った男が大男に告げる
「ダークエルフの旦那、殺す前に楽しんでも構いませんよね」
「余計な事をいうな、何のために暑い中フードを被っていると思っている」
「大丈夫ですよ旦那二人ともここで死ぬんですから」
「まあいい、好きにすればいい早く終わらせろ、それと遊びは別の場所でしろ目立ちたくない、まだ獲物がここを通るかもしれん」
「それは楽しみだ、お前ら神殿騎士を仕留めたやつが俺の次に聖女候補様を喜ばせてやればいい次の獲物が来るまでたっぷり時間がある」
「下種が神殿騎士の名に懸けてミネア様に指一本触れさせん」
「待ってください、盗賊さん私たちと一緒にそのダークエルクを倒しませんか国や神殿から賞金も出るでしょう今までの罪も恩赦を出させます大丈夫ですよね神殿騎士様」
盗賊たちの中に動揺が走る迷っている様だ
「共闘が無理なら手を出さないでくれるだけで構いません、私達二人で倒しますし手柄はお譲りします」
「なかなか厄介な相手ですね、良いでしょう私があなた達二人を殺しましょう、役立たず共は離れて見ていなさい、私の力を見せつけてあげましょう、そうすれば今後こんなことも無いでしょう」
「さてミネア様と言いましたか、こちらにつく気はありませんか?なかなか頭がいいし今の交渉も聖女候補らしくない、そして何故か我々に近しい力を貴女から感じます、好待遇をお約束しますよ、ヒルダ様も気に入り歓迎するでしょう、ダークエルクに生まれくれていればよかったのに人間にしておくのはもったいない」
「ヒルダ様と言うのはそちらの族長の娘さんですか?息子のカイン様との兄弟仲は良いのですか」
ミネア様の言葉がエルフ語らしい言葉に変わった為内容は理解出来なかったが少しずつお互いの距離をつめながら会話が続く、私は剣を構えたまま手をだせなかった
「何故それを知っているのですか?ヒルダ様は表に出る方ではないのですが」
相手の言葉も同じく変わる
「そういえばあなた達にそれぞれ指示を出しておられましたね」
「なるほどヒルダ様もお人が悪いそういう事でしたら私は手を引きましょう少しお待ちください」
そう言ってゆっくりと今度は距離を取り盗賊たちにの方に近づくと準備していたのか詠唱も無しに強力な火の精霊魔法で盗賊たちを焼き尽くすその炎は視界を遮断するその炎が消えたときダークエルフの姿も無かった




