80.新天地
アンジュが成長したので彼女に迷宮を与えた「迷宮管理」と「勤勉」のスキルを獲得している、その理由を考察すると私の血で育ったアルラウネの影響だ「怠惰」のスキルの効果でアンジュを馬車馬のようにこき使った結果だ、アンジュに香織の血が与えらていたからだろう「勤勉」のスキルを獲得して「怠惰」の支配から独立しそれまでの仕事の成果で「迷宮管理」も手に入れた
私の血で育ったアルラウネに新たな手足となる者が必要だと考えていると粘土のゴーレムであるクレイゴーレムを作り上げ仕事をさせ始めた、植物由来の樹脂製の蜂型のゴーレムも作り仕事をさせている、多少の責任感は持っている様だが、本人は植木鉢に蜘蛛のような足を付けたゴーレムに入って自分で動くことまで辞めてしまった
私も平行思考で身体が増えてから本体は迷宮の最深部に創造した神域に引きこもっている、第三者目線で見ると確かに血を与えた私に似ている、見ていてあまりいい気分では無いが能力的に使えるのは十分に判った、部分的に私の後を任せる事が出来るだろう、迷宮の一部とゴーレムを託そう
私の次を担うから「卯月」と名付けでゴーレムの技術を鍛えた、興味や適性のある事はやる気を出す様だそんなところも私に似ている、ヤドカリの様に次々と植木鉢は大きくなり別に戦闘用にゴーレムも造り出した植木鉢は粘土がお気に入れでそのままだが戦闘用のモノは素材も最終的にミスリルになり人間と見分けがつかない私に似た姿となった
頭から髪飾りの様に芥子の花が咲いている外見からは解からないが頭の部分が空間魔法で容積を増やした彼女の植木鉢だ、私のアイテムボックスと比べれば容量は少ないが空間魔法でゴーレムを何時でも展開出来るし物質の転送魔法で容量もカバーする様だ、緊急時のため自分のタネを植えた予備を迷宮に準備している地味に最低限の努力も出来る
卯月の成長を確認してから私の鍛えた弟子たちから血を提供してもらい部下となるアルラウネを与えよう、だがそれはもう少し後だアンジュに預けて教育をして貰っている、今卯月に部下を与えてしまうとまた本人は何もしない状態に戻るのが目に見えている
やはり新居は素晴らしい、あの女王バチのように食事しかしない上司から解放された、あいつは女王バチと違い働きバチを産む事すらしないのだ、弥生様から私の迷宮を作って頂いたのだ、生産地を分散する意味でカトレア様に収める花を育てる仕事をこなせば後は自由だ迷宮を拡張しよう
私の部下となるアルラウネを育てるために弟子の血を提供してくださった、半分は後で元の上司の所でこき使われることになる、不憫でならないが私の「勤勉」も部下に対しては「怠惰」と同じ様な効果を発揮する、違いはバフが自分にもかかる代わりに部下に対するバフが少し「怠惰」に比べて低下する事だ、部下にかかる余計な負担が少ない事は長期的に見てメリットだろう
私の迷宮は以前エルダーリッチの迷宮が存在していた場所にある、周囲にその時に漏れ出したエルダーリッチの魔力の影響でアンデットが徘徊している、どうやら私には死霊魔術の才能が有る様だ、私の名前に由来である「曼珠沙華」はカオリママの世界で土葬していたころに根に毒が有る事を活用して墓地に埋葬した遺体を獣に荒らされる事を防ぐために植えられていたと聞いている
「死人花」とも言われているらしいその花が私の頭に咲いている、だからだろうアンデットを支配し必要な時まで管理する能力が産まれた、私の迷宮に収容して劣化させることなく必要な時まで眠りにつかせることが出来た、周囲の環境は良くなり地上部も迷いの森として迷宮を拡張する事が出来る
そこに移住希望者がやって来た
「こんにちは、可愛いアルラウネのお嬢ちゃん、この森に住ませては貰えないじゃろうか?」
ダークエルフの老人だ、一見人の良いお爺ちゃんにみえるが、そんな年まで生き残ったダークエルフがそんな外見通りの訳が無い、二十人くらいの仲間を連れている役立たずならとっくに捨てられているだろう
「カミラ様に連絡を付けるでち、お爺ちゃんたちを受け入れてくれるはずでち」
私も普通に話せるがいつも舌足らずな言葉で話している、脅威を感じさせる時と隠す時の見極めは難しいが「蟲毒壺」から毒を充填した蜜蜂サイズの蜂を待機させもしもの戦闘に備える
「この森で蜂蜜を集めているようじゃな、邪魔をする気はないんじゃ、儂はこの通りヨボヨボで対して役に立てんが仲間達は森を守る事に協力できるじゃろう森の端でいいんじゃ置いてはくれんかのう?」
飛ばしていないのに蜂に気付いている様だ、地上部の森に花は咲いていないのに蜂蜜などとぬかしてくる
「カミラ様と因縁でもあるちか?ここでは大した獲物も期待出来ないでち」
「「蟲毒壺」のスキルを持つ森の主が居られるのじゃこの森はこれから発展するじゃろう、老いぼれても勇者となれ合いう出来損ないの小娘に下げる頭は持っておらんのじゃ」
「老いぼれを大事にする様な甘い考えのダークエルフは勇者を目も敵にしないでち、わたちはアンジュと言うでち、御主人から名前も「蟲毒壺」のスキルも授かったんでち、自己紹してほしいでち」
「これは失礼を、儂はゲオルグ、若い時は魔王様から貴女の様に「蟲毒壺」のスキルを頂いていたが魔王様が勇者に敗れ授かっていたスキルも失った、先ほど言った様に役立たずの老いぼれじゃよ」
「戦う意思まで失ってはいないようにみえるでち、良いでちこの森で好きにすればいいでち、カトレア様に紹介するでち、その時にカトレア様に花を届けて欲しいでち」
「「蟲毒壺」のスキルはカトレア様から頂いたのですかな?」
そう思うのは仕方ないか、私の「カオリママ魔王育成計画」に協力して貰えるかもしれない
「香織様からでち、異世界の人間でちが魂はゲオルグ老のいう出来損ないの小娘の娘でち、隔世遺伝ってやつでちか」
「勇者カオリの事か?面白い事になっているようじゃの」
「魔王として足りない所が有るでちが将来が楽しみなのでち」
「それはそれは「法王国」に恨みを持つよう誘導してやれば覚醒してくれるだろう儂も楽しみじゃ」
「もうすぐ使徒の降臨の時期でち、その後まで大人しく待つでち」
このジジイがどれだけ役に立つか楽しみだが、迂闊な事をすれば消されかねない、私は地下で高みの見物といこう、一緒に消されない様に気を付けないと保身のため弥生様には報告しておこう




